第10話 エリクサーと擬人化ポーション
さっき、リヴァイアさんが無事帰ってきた。
しかし、僕はレッドスライムジェルを大量にまき散らしてしまっていたため、掃除をすることとなった。
僕は錬金でレッドスライムジェルを少しずつ減らしていこうとしていた。
一方、リヴァイアさんはもっとスムーズにレッドスライムジェルを掃除した。
まず、ジェルを吸い込む。
終了。
韋駄天の速さだった。
そして、お目当てのドラゴンの血について。
「リヴァイアさん、ドラゴンの血は手に入った?」
『そりゃもうたくさんだよ。はいどうぞ』
<ドラゴンの血×99を手に入れました>
<ドラゴンの血×99を手に入れました>
<インベントリがいっぱいです>
<インベントリがいっぱいです>
<インベントリがいっぱいです>
……
ちょ、ちょっと待って!
インベントリに全く入ってないから!
一応ドラゴンの血は瓶詰になっているからこぼれることは無い。
しかし、瓶が周りに散らかっていく。
「ちょっと待ってインベントリに入らないよ」
『じゃあこれを使うとどうだい』
リヴァイアさんが渡してくれたものは……
なんか見覚えのある巻物だった。
なんかインベントリが増えそうな巻物だ。
よし。使おう。
といってもインベントリがいっぱいなので、一時的にドラゴンの血を1スタック(99個)手放し巻物を回収。
<インベントリ増加5枠の巻物83を獲得しました>
<インベントリがいっぱいです>
あれ、妙に巻物が多い……って、こっちもこっちで40本くらいの巻物が飛んできた。
全部使おう。
[Before]
インベントリ(30/30):(略)、インベントリ増加5枠の巻物83
<インベントリ増加5枠の巻物83を使用しました>
<同アイテムは2回以上使えないので注意してください>
[After]
インベントリ(29/35):(略)
<インベントリ増加5枠の巻物24を獲得しました>
<インベントリ増加5枠の巻物54を獲得しました>
……
[Before]
インベントリ(35/35):(略)、インベントリ増加5枠の巻物2, 24, 34, 54, 64, 70
<インベントリ増加5枠の巻物2を使用しました>
<インベントリ増加5枠の巻物24を使用しました>
……
<同アイテムは2回以上使えないので注意してください>
[After]
インベントリ(29/65):(略)
……
最終的にはこんな感じになった。
[After]
インベントリ(29/250):(略)
うん、増えすぎ。
でも有用ならよしとする。
さて、使用可能なインベントリが増えたことだし、ドラゴンの血を回収しまくるとするか。
<ドラゴンの血×99を獲得しました>
<ドラゴンの血×99を獲得しました>
……
<ドラゴンの血×99を獲得しました>
合計、(ドラゴンの血×99)×50個。めっちゃ多い。
まあ、ここまで多ければ気負いせずに使えるからいいね。
『じゃあ擬人化ポーションは作れるかい』
「可能だよ」
んじゃ、擬人化ポーションを作り始めようか。
というか、最初からリヴァイアさんとはそういう約束でいってたし。
擬人化ポーションのレシピは以下の通りだ。
・スライムジェル+エリクサー+骨系→擬人化ポーション
スライムジェルについては説明不要。体から余裕で取れる。
骨系は魚の骨でオッケーだ。
擬人化に魚の骨をつかうのはおかしいとは思うけど、いっぱいあるし。
そして、エリクサー。
・スライムジェル+ドラゴンの血→エリクサー
ドラゴンの血が手に入ったことで、ついにこのエリクサーが作れるのだ。
それがついにできる。
<レッドスライムジェル×99を獲得しました>
<レッドスライムジェル×99を獲得しました>
<レッドスライムジェル×99を獲得しました>
ジェルを獲得して、と。
<錬金成功。エリクサーLv1を獲得>
エリクサーLv1:HPとMPを100回復。過剰分は一時的に貯められる。ポーションに入れるとそのレベルを5上げる。
おおお。
エリクサーの完成だ。
HPとMPを同時に回復できる点と、使いすぎても貯められるという点がいいね。
まあ、こっちは飲むわけじゃないけど。
あと、スライムジェルがやや高ランクなのに、できたエリクサーはLv1だった。
これは、エリクサーのレベルを上げたかったら純粋にエリクサー同士を錬金しろ、ということなのかな。
エリクサーは99個作っておいた。
<錬金成功×98。エリクサーLv1(-2)×15、…を獲得>
閑話休題。
擬人化ポーションの作成をしよう。
おさらい。擬人化ポーションのレシピは以下の通りだ。
・スライムジェル+エリクサー+骨系→擬人化ポーション
では作ろう。
骨系は魚の骨で代用した。
まずひとつ。
<錬金成功。擬人化ポーション[1分]☆を獲得>
擬人化ポーション[1分]☆:人間でないものを擬人化する。3分間有効。
すごい。
名前の通り、本当に擬人化ができるようだ。
こんなポーションはwikiには載っていなかったぞ。
都市伝説の欄にちょこっと載っていたくらいだ。
あと、ポーションのレベルが書かれているところに☆がついている。
それも見落とせない。
レベルが付けられないほどすごいものなんだと思う。
ただ、効果は1分しかないというのがなあ……
鉄の延べ棒で効果時間を増やそう。
インベントリ(81/250):鉄の延べ棒×2、鉄鉱石×50
鉄鉱石×50を錬金する。
<錬金成功×46。鉄の延べ棒×46を獲得>
<錬金失敗×4>
なんか錬金の精度が上がっている。
レベル上げで器用値が上がったおかげかな。
それはさておき、ポーションに鉄分を加える。
<錬金成功。擬人化ポーション[2分]☆を獲得>
よし。成功だ。
この勢いで錬金していこう。
<錬金成功。擬人化ポーション[3分]☆を獲得>
<錬金成功。擬人化ポーション[4分]☆を獲得>
<錬金失敗>
あっ。
擬人化ポーションが錬金失敗でなくなった。
金属の錬金回数はなるべく少なくした方がよさそうだ。
しかし、僕はたいした金属を持っていない。
リヴァイアさんに頼んでみる。
「なにか質の良い金属ない?」
『ミスリル鉱がちょっと落ちていたけどいるかい』
「ちょっといただきます」
<ミスリル鉱×99を獲得しました>
ありがとう。
でもちょっと多い気がする……
まあ、とりあえずミスリル鉱をミスリルの延べ棒に加工しよう。
<錬金成功×89。ミスリルの延べ棒×89を獲得しました>
<錬金失敗×10>
じゃあこれを後で擬人化ポーションへ入れるか。
擬人化ポーションを作成。
<錬金成功。擬人化ポーション[1分]☆を獲得>
ここにミスリルの延べ棒を錬金。
これで効果の時間が延長されればいいが……
<錬金成功。擬人化ポーション[1日]☆を獲得>
うおっと?
相当ポーションの効果が伸びたぞ。
1日くらいあればこっちは良いだろう。
あともう一つ、擬人化ポーションを作る。
しかし、やってみたいことがある。
「ゴールデンスライムジェル」を過去に手に入れていた。
これを擬人化ポーションの錬金で使うとどうなるかな?
つまり、こういうことだ。
・ゴールデンスライムジェル+エリクサー+魚の骨→?
早速やってみる。
<錬金成功。擬人化ポーション[∞]☆を獲得>
ん? ∞?
もしかすると、効果時間が無限?
このポーションの効果も確認してみよう。
擬人化ポーション[∞]☆:人間でないものを擬人化する。使用者がこの効果を消すまで有効。重ねがけの枠を減らさない。
おおおおお!?
「使用者がこの効果を消すまで有効」と「重ねがけの枠を減らさない」はすごい効果だ。
・「使用者がこの効果を消すまで有効」
ポーションの効果は、自分で消すことができる。
マイナスの効果は消すことができない。
だが、「HP上昇5分」などのプラス効果は、ポーションなしで消すことができる。
「使用者がこの効果を消すまで有効」は、そうやって効果を消すまで半永久的に有効ということだろう。
しかもそれだけでない。
この内容の説明からいくと、たぶん死亡時などにも効果が切れないものと思われる。
本来、死亡時にはポーション等のすべての効果が切れる。
しかし、このポーションを飲んで死亡しても効果が切れないということだ。
∞の意味はまさしく、半永久的に効果が続くということらしい。
・「重ねがけの枠を減らさない」
こっちも重要だ。
本来、効果が持続する型のポーションは3つまでしか同時にかけられない。
また、同じ内容のポーションを重ねがけすることも不可能だ。
しかし、このポーションはそれらのルールの例外となっている。
つまり、このポーションの効果はその他の効果と干渉し合わない。
例えば自分がこのポーションを飲むとする。
すると、自分は擬人化したまま、さらにHP上昇ポーション、MP上昇ポーション、火属性ポーションなどの3つのポーションを飲めるのだ。
しかし、ふつうの擬人化ポーションを使うと、さらに飲めるポーションは2つしか飲めないとなる。
要するに、ポーションの重ねがけがしやすくなるということだ。
これらの効果がもたらされたのは、ゴールデンスライムジェルのおかげと思われる。
今後もどんどん手に入れていきたいな。
それはさておき、リヴァイアさんに擬人化ポーションを提供しよう。
今僕が持っているのはこの2つだ。
・擬人化ポーション[1日]☆
・擬人化ポーション[∞]☆
僕はそこまで擬人化していたい訳ではないし、1日でいいや。
リヴァイアさんには 擬人化ポーション[∞]☆ をあげた。
『へえー、これが擬人化ポーションかあ』
「うん」
『この∞印はなにかい?』
「効果を消したいって思うまでずっと擬人化できるよ」
『おー、すごいね』
「僕のポーションは1日しか使えない」
『僕の方を高性能にしてくれたんだね、ありがとう』
「んじゃ擬人化してみるか」
『僕もやってみるね』
擬人化ポーションをごくり。
その瞬間から、僕の体は……
◇主人公のステータス(現在)
―――ステータスウィンドウ―――
スカイ:Lv262 ジョブ:錬金Lv342 年齢:0 所持金:394C
種族:レッドスライム→人間(レッドスライム)
ステータス:
HP:403/403
MP:81/90
攻撃:319
防御:310
俊敏:315
器用:2,189
魔法:
酸弾(MP1):酸性のスライムジェルを飛ばす。種族固有スキル。現在使用不可。
炎化(MP0):体に炎をまとう。相手が触れるとダメージを与えられる。
スキル:水魔法Lv1・風魔法Lv1・火魔法Lv1
ジョブスキル:成功上昇(3P)・補正上昇(2P)・錬金瞑想(10P)・錬金予想(10P)・錬金判明(20P)・常時錬金(40P)
インベントリ(77/250):
・初心者用錬金台 耐久∞
・地図
・鉄の延べ棒×42
・キノコ×99
・キノコ×76
・光るキノコ×74
・火属性ポーション[1分]Lv3×3
・攻撃上昇ポーション[1分]Lv3
・跳躍ポーション[1分]Lv3
・最大HP上昇ポーション[1分]Lv3×2
・最大MP上昇ポーション[1分]Lv3(補正略)×4 3枠
・水順応ポーション[1分]Lv3(補正略)×6 5枠
・湖の水×98
・塩×98
・魚の骨×99
・魚の骨×83
・魚の白身×44
・亀の甲羅×38
・ミスリルのインゴット×88
・(ドラゴンの血×99)×49
・ドラゴンの血×96
・レッドスライムジェル×99
・レッドスライムジェル×97
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