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VSゴブリン

みなさん、明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願い致します。

ティオが腰に差した剣を抜くよりも早くゴブリンが腰にタックルする。

体格はティオのほうがあるけれど、不安定な姿勢で受けたためにタックルを受け止めきれずに倒された。

ゴブリンはティオの体に馬乗りになって腰布に挟んでいた石斧を振り上げる。

「この!」

左腕につけた盾を顔の前にかがげて石斧を受け止める。

左腕に走る衝撃。

歯を食いしばって振り下ろされる石斧から身を守る。

ゴブリンは躍起になってティオの顔を狙って何回も打ち下ろす。

が、5回も振り下ろすと、石斧の柄が乾いた音を立てて折れた。

悔しがって唸り声を上げると、折れた獲物を捨てて邪魔な盾を掴んでどかそうとする。

「さっさとどけぇ!」

そこにアゾルの大剣がゴブリンの首に当たる。

切れ味は今一だが重量がある剣は首の半ばまで食い込み、脛骨を圧し折った。

ティオは伸し掛かってくる前にゴブリンの死体をどかして立ち上がる。

「あ、ありがとう。油断してた……」

「終わってないっすよ。まだ来る……」

二人の周りからゴブリンの吠える声が響き、ガサガサと枝が触れる音が鳴る。

アゾルは大剣を肩に担くようにして構え、ティオは彼の背後を守るように背中を合わせる。

ティオは喉を鳴らして唾を飲み込む。


飛び出してきたのは2体のゴブリン。

それぞれが石槍と石斧を持って二人を挟み込むように飛び出してきた。

2匹は仲間が殺されたことに腹を立て、しきりに武器を振り回して吠えている。

そのうち石斧を持ったゴブリンがティオに、石槍を持ったほうがアゾルに襲い掛かる。

ティオは自分から前に出て剣を繰り出す。

剣と石斧がぶつかって火花が散る。

力に勝るティオの剣が石斧を弾き、バックハンドの要領で振るった2撃目がゴブリンの耳をこそぎ取る。

ゴブリンが痛みに悲鳴を上げて後ろに後ずさる。

大きなチャンスを逃さず、ティオは足を延ばしてゴブリンの薄い胸板を蹴りつける。

鉄板をしこんだブーツが肋骨を圧し折り、内臓に砕けた骨が突き刺さりつぶされた。

ゴブリンは胸を抑えて地面に蹲り、口と鼻から大量の血を吐き出す。

「このぉ!」

そして隙だらけの後頭部に剣を振り下ろした。

頭が叩き割れて、水風船が割れたように血とねばついた中身が弾け飛ぶ。

顔にも飛んで視界が塞がれてしまったが、構わずもう一撃を見舞う。

今度は右耳の上あたりから剣が入り、そのまま反対側の顎下に抜けた。

今まで使っていた時より格段に切れ味が増している。

ティオは驚くと同時に、愛剣を鍛え上げてくれた店主にアルバージの店主に感謝した。


アゾルが大剣を振り回し、ゴブリンが逃げるように下がって避け続ける。

速さを犠牲に重量で相手を破壊する威力の高い大剣が唸りを上げてゴブリンの体を掠める。

が、本能で動くゴブリンを捕らえることができず、アゾルも悔しさに歯を食いしばる。

「おらぁ!」

痺れを切らしたアゾルは足を揃えると、自分の体をコマのように回して大剣を振り回す。

予想外の攻撃にゴブリンは足踏みを踏んだが、回転しきってバランスを崩したのをチャンスと見た。

大きく踏み込んで槍を突き出す。

よろめいたアゾルは避けきれずに肩を浅くだけれど斬られた。

「痛っ!」

倒れたアゾルに止めを刺そうとしたゴブリンの頭に石が投げられる。

振り返ると血が顔に付着したままのティオが盾を前にして構えていた。

ティオはそのまま前に出ようとしたが、石槍が足を狙って突き出され牽制される。

ティオが木を引いている間にアゾルが立ち上がる。

チャンスを逃したゴブリンが慌ててアゾルに槍を向けようとしたが、再び踏み込もうとするティオを前にその余裕はなかった。

「助かったッす!」

「行くよ!」


二人が同時に動いた。

挟まれた状況に焦ったゴブリンが胴体と顔を盾で守るティオの足目掛けて突く。

が、その行動を予想していたティオは片足を上げて避けると、そのまま足の裏で槍の柄を折ってしまう。

アゾルが横薙ぎに払った大剣がゴブリンの胴体を切断した。

千切れた胴体が回って宙を舞い。、内臓と血を撒き散らしながら地面に落下する。

地面を転がったゴブリンは苦しげに血と涎を吐きながら、逃げようと這いずろうとしたが大剣が振り下ろされて頭を叩き割られた。


ゴブリンに止めを刺したアゾルは腰からナイフを抜くと、上半身と下半身が分かれた死体から耳を剥ぎ取る。

同じように頭がめちゃくちゃになった死体からも耳を剥ぎ取り、それをティオに渡す。

受け取ったティオは訳が分からずに困惑した顔をアゾルに向けると、彼は二カッと笑って耳を顔の前にかざす。

「これ持ってけば受けられる討伐クエストが増えるっすよ! ほら、星2つのモンスター討伐とか」

「あ、そういうことなんだ」

納得はできたけど、緑色の耳をそのままポーチに入れる気にはならなかった。

なのでそばの木から生える葉を千切って包むことにした。


「あと、これっすね」

そう言ってアゾルが次に回収したのは最初に倒したゴブリンが持っていたアオヤキノコを拾う。

そのまま食べればスースー感じるだけだが、薬草に混ぜることで殺菌効果を追加することができる。


これでアカドキノコ、アオヤキノコ、キイロデキノコ、全てを手に入れることができた。

「終わったー!」

「そろったー!」

全てあることを確認した二人はガッツポーズして叫んだ。

ゴブリン

脅威度 ☆×1

身長が130センチ程度で子供の背丈しかない貧弱な身体つき。

武器も石斧や石槍で、数に任せただけの戦いしかできない。

しかし、承久のゴブリンになると武器が充実し、組織立った動きができるようになる。

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