表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/56

VSガラガ大蜘蛛 2

遅くなってすいませんでした。

2作目のグリーン・ランドと並行して頑張って行きますので宜しくお願いします。

ガラガ大蜘蛛の不意打ちをまともに食らったティオは地面にを転がって木にぶつかる。

「ガフッ!」

血を吐きながらもなんとか起き上がろうとしたが、正面の敵だけを見ていたティオはまた後ろからの攻撃をまともに受けて吹き飛んだ。

2匹目の攻撃を受けたティオの体はまた吹き飛ばされて地面を転がる。

2匹のガラガ大蜘蛛は獲物が増えたからか、自分たちの奇襲が決まったからか、前足を上げて喜びの鳴き声を上げる。

そして、ティオの目の前に3匹目、体に新しい傷が出来ているガラガ大蜘蛛が降りてきた。

先程、ティオたちと戦闘した奴で、自分に傷をつけた憎き相手を前に興奮してしきりに鳴き声を上げている。

「クソ……」

ティオは小さな声で毒づきながら、体を引きずりながらガラガ大蜘蛛から離れようとするけれど、頭を強く打ったために動きが緩慢になっている。

そこへレビがティオとガラガ大蜘蛛の間に割って入る。


レビは低く唸りながら友を護るために、ガラガ大蜘蛛の前に立ちはだかる。


ガラガ大蜘蛛が邪魔だと前足を上げて威嚇する。

他の2匹も同じようにレビを威嚇して追い払おうとする。

3対1だけど、レビは怯えず、負けじと力強く吠える。


なんとか立ち上がったティオはふらつく体を叱咤してレビの横に並んだ。

額から流れる血を拭う。

「ありがとう、レビ」

礼を言えば、レビは元気よく吠えて尾を元気よく振る。


「よし、ここから挽回していこう!」

そう言って剣を手に、ガラガ大蜘蛛へ斬りかかった。

まず、狙うのは正面の傷ついたガラガ大蜘蛛。

踏み込んで剣を突き出す。

ガラガ大蜘蛛は前足を交差させて受け止める。

初撃が防御されても、すぐに足を振り上げて顎を蹴った。

横から別のガラガ大蜘蛛が噛みつこうとしてきた。

ティオは横にステップを踏んで避ける。


3匹目もティオに襲い掛かろうとしたが、レビが背後から飛び掛かる。

毛むくじゃらな背中に牙をたて、爪で何回も皮を引き裂いでいく。

ガラガ大蜘蛛は痛みに悲鳴を上げて、レビを離そうと転がるように暴れる。

レビは不安定な立ち位置でもガラガ大蜘蛛の背中から落ちないで攻撃し続ける。


レビが1匹を足止めしているけれど、ティオは2匹を相手に苦戦していた。

「このぉ!」

魔法を唱えようとするが、魔力を集めようと集中しようにも、2匹がティオを挟み込もうと動くために足を止めることは出来ない。


しょうがないので剣でやるしかない。

近づいてきた1匹の足を切りつける。

ガラガ大蜘蛛は痛みに怯んで動きを止める。

その隙に距離を取る。


もう1匹が噛みつこうと突っ込もうとしたが、その時にはティオは充分な距離を取っていた。

ティオは手を突きだして魔法を唱える。

「ファイア・スロアー!」掌から生まれた炎が噛みつこうとした1匹を呑み込んだ。


ガラガ大蜘蛛の毛深い皮が焼けて煙が昇る。

上半身を焼かれたガラガ大蜘蛛はすぐに絶命して、ベタリと崩れる。

「まずは1匹!」

もう1匹のガラガ大蜘蛛が怒りにかられてティオに体当たりしてきた。


一直線でわかりやすい攻撃だから楽に避けられたが、ガラガ大蜘蛛ががむしゃらに腕を振り回すから近寄れない。


さらに少し離れた瞬間に糸を吐いてきた。

「うわっ!」

予想外の行動にティオは反応できず、糸が腕に絡まる。


絡まった糸が張り付いて左腕が動かない。

「くそ!」

なんとか剥がそうと引っ張るけれど、糸は見た目に反して強靭で切れない。

ガラガ大蜘蛛が耳障りな鳴き声を上げてまた突進してきた。

相変わらず単調な動きで避けられるが、左腕が動かないために動きに切れが悪い。

ティオは内心焦りながら、糸を千切ろうと引っ張り続ける。

「くそ、千切れろ! 千切れろよ!」

ティオの動きが鈍いことをいいことに、ガラガ大蜘蛛が前足を右、左と振り回す。

「いい加減にしろ!」

いい加減に苛立ったティオは右足を避けると同時に剣を突き出す。


ガラガ大蜘蛛の爪がティオの左腕を引っ掻き、糸ごと彼の皮膚を傷つける。

そしてティオの剣もガラガ大蜘蛛の前足を断ち切った。

ガラガ大蜘蛛は痛みに悲鳴を上げて後ずさり、ティオは歯を食いしばって腕の痛みを耐え、前に踏み出す。

互いに腕を傷つけられたが、その痛みに耐えたティオに勝利が傾いた。

ティオは剣を逆手に持ち替えてガラガ大蜘蛛の頭に突き刺した。

「このぉ――!」

分厚い毛皮に阻まれて1撃で致命傷を与えられない。

だから剣を引き抜いて、ガラガ大蜘蛛が死ぬまで何回も突き刺していく。

だが、ガラガ大蜘蛛も死にたくはない。

振るえる体を懸命に動かして、残っていた前足でティオの脇腹に爪を立てた。

力は入っていないけれど、ティオの皮鎧を裂いて肉体を傷つける。

ティオの口から血が毀れる。

「それが、どうしたぁ!」

一瞬、身体がぐらついたが、すぐに振り上げた剣を脳天に突き刺した。

ついに頭を貫かれたガラガ大蜘蛛は大きく体を震わすと、足を広げて倒れ絶命した。


「や、やった……」

剣を引き抜いたティオは息を荒げながらもポーチから傷薬を取り出す。

傷が浅くてもモンスターの爪や牙は雑菌だらけで、治療を怠れば化膿する危険がある。

傷に染みる痛みに顔を顰めながら、傷薬を丁寧に刷り込んでおく。


最後の1匹となったガラガ大蜘蛛とレビの戦いはあっけなかった。

いい加減に自分の上に乗っているレビを振り落とそうとガラガ大蜘蛛が体を転がして振り切ると、素早い動きを封じようと尻尾から糸を吐き出す。

地面に着地したレビはすぐに横に飛んで糸を避け、再び飛び掛かろうとしたが、ガラガ大蜘蛛がめったやたらに糸を吐き出すために近づくことができない。

さらには木と木の間に張った糸がレビの動きを妨げる罠となって残る。

ガラガ大蜘蛛はレビを近づかせないようにしながら、動けなくしてやろうと糸を吐き続ける。


が、レビの前では糸なんて意味はなかった。

レビは力強く吠えると体の回りに電撃が走り、首元に電気が集まる。

そして大きく開けた口から青白い球体が出来上がり、レビが吠えると同時に風切り音を立てて撃ちだされた。

電気の球体は糸を燃やしながらガラガ大蜘蛛に命中、一瞬でガラガ大蜘蛛を黒焦げにしてしまった。

何が起きたのかわからず、ティオは傷薬を塗った姿勢で固まっていたが、レビが褒めてーと尻尾を大きく振りながら飛びついてきた。

「れ、レビ、いつの間に雷出せるようになったの……?」

ティオは頬を引きつかせながら、頭や首回りを撫でて褒めてやる。

「よし、ここは片づけたから、早くあの子の家族を探さないと……」

ティオは地図を取り出して、ガラガ大蜘蛛が餌を蓄えそうな場所を探す。

地図に寄れば、ガラガ大蜘蛛は一ヶ所に餌を蓄えておくらしい。

そしてその場所はここからそう遠くない。

「どうか無事でいてくれよ……」

ティオは少年の家族が無事であることを祈って森の奥へ向かった。

 

さて、ティオは家族を救うことは出来るんでしょうか!

次はグリーン・ランドを更新します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ