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VSガラガ大蜘蛛

最近、文章が短くても、早めに投稿しようと思います。

「その子から離れろ!」

怒りに駆られたアゾルがガラガ大蜘蛛に槍を突き出す。

ガラガ大蜘蛛は突然の襲撃に驚いて、掠れた鳴き声を上げて少年を縛り付けていた糸を切り離した。

ガラガ大蜘蛛は体が動物の毛並みぐらいに毛深い。

それが天然の鎧になっていて、アゾルの突き出した槍の威力を削いだ。

浅く切られて緑色の体液が流れる。

ガラガ大蜘蛛は爪の生えた前足を振り上げて反撃する。

「このっ!」

アゾルは槍で受け止めるが、足を狙ったために不安定な姿勢になってしまう。

力が入らず、爪が皮鎧に食い込む。


そこへティオがガラガ大蜘蛛の蹴り飛ばす。

ダメージにはならなかったが、ガラガ大蜘蛛は驚いてアゾルに押す力を弱めた。

さらにレビが飛びかかってガラガ大蜘蛛の足に噛みつく。

自分への圧力が弱まったスキをついて両腕に力を入れて足を押しのける。

「この野郎!」

アゾルは槍を掲げて槍を振り下ろす。

穂先は真っ直ぐにガラガ大蜘蛛の目を貫いた。

毛皮を傷つけられた時より体液が派手に飛び散り、引き抜かれた槍に目玉の破片がくっついてきた。

ガラガ大蜘蛛はひときわ大きな鳴き声を上げると、鋭い爪を振り回してティオたちを牽制すると同時に尻から糸を吐き出す。

そして自身を木に引き上げて移ると、また別の木に糸を飛ばして移っていった。

「待てよ!」

「ま、待って! あの子を残しちゃいけないよ!」

ガラガ大蜘蛛が逃げたあとを追いかけようとしたアゾルをティオが引き止める。


ティオは急いで少年の体に巻きついた糸をナイフで裂こうとしたが、意外に糸が固く、粘ついて切れ味も発揮できない。

「ティオ、薬っす! 薬!」

「あ、そうだった!」

ティオはアゾルのアドバイスからポーチから薬品の瓶を取り出して糸に振りかける。

すると液体が降りかかった所から煙を出して溶けていく。

「おい、おーい! 大丈夫!?」

顔に水をふりかけ、頬を叩いてみると少年は唸りながらうっすらと目を開く。

「こ、ここは……?」

ティオは少年が起き上がったことに安心して息を吐いた。

「よかった、目を覚ました……」

少年は体に違和感を感じるらしく、顔を顰めて腕をさすりながら辺りを見渡す。

ティオがしゃがんで少年の顔を覗きこむ。

「ねぇ、大丈夫かい? 怪我とか、してない?」

「――さん」

「え?」

少年が何を呟いたのか聞き取れなくて耳を近づけようとしたが、その前に胸ぐらを掴まれて引っ張られた。

「お父さんは!? お母さんは!? キノ! キノはどこにいるの!?」

少年はティオを激しく揺さぶる。

「ちょっと待った! 家族も一緒だったんすか!?」

「みんなで山菜を取りに来たんだ。そしたら、大きな蜘蛛に襲われて……。

お父さんに言われて逃げたんだけど、捕まったんだ」

少年は泣きそうになりながらも、何かあったのかを話す。

彼の家族は薬草を取りに森に入ったところで襲われた。

父が護身用に斧を持っていたが、数匹に囲まれて録な抵抗は出来なかった。

だが、なんとか少年と妹を逃がせたが、遠くまで逃げることが出来なかった。


アゾルはティオを振り返る。

「ティオ、急がないとまずいっす!」

「う、うん、ガラガ蜘蛛の巣に連れてかれてるかもしれない! 行こう!」

ティオが先に立ってガラガ蜘蛛の巣を目指そうとしたが、足を止めた。

「アゾル、この子を頼む!」

「なに言ってんすか! 1人で行くなんて無茶っすよ!」

「それじゃあ、その子はどうするの?

一緒に連れて行くなんて、それこそ無茶だよ」

ティオがちらりと少年を見やりながら言えば、アゾルは言い返す言葉が見つからず黙り込む。

当の本人である少年は自分が置いてかれることに賛成できるわけがなく、必死にティオの服を引っ張って抗議する。

「待ってるなんて出来ないよ。

僕も、僕も連れてって! 」

「出来ない!」

ティオは少年の手を掴んではっきりと言った。

「僕は君を守りながら戦う強さを持っていない。

だから君が来たら、お父さんもお母さんも、妹を救うことなんて出来ないんだよ!」

ティオは悔しげに歯を食いしばって自分の弱さを告白する。

「正直、君の家族を助けられるのかわからない。

だから、君は安全な場所で祈っててくれ……。」

少年の表情が見る見る絶望に染まっていき、服を掴む力が弱まる。

ティオはそっと少年の手を剥がした。

「アゾル、この子をお願い……」

「わかった」

アゾルは少年の肩に手を置いて、ティオから離す。

「絶対に帰ってくるっすよ。この子の家族も連れて……」

「うん、頑張るよ」

ティオは頷いて、ガラガ大蜘蛛が活動する場所を目指す。


やっと話が終わったと、空気を読まずに離れた場所で遊んでいたレビがティオの隣に並ぶ。

「……あの子の家族、助けられるかな?」

前に顔を向けたまま、ティオは弱音を吐いた。


自分でもいけないとはわかっているけれど、つい漏らしてしまった。

ティオは口を噤んで、地面を蹴る足に力を入れる。


友を元気づけようとレビが大きく吠える。

驚いてレビの顔を見たが、やがて弱々しく笑った。

「そうだね、そんなこと考えちゃいけないよね……」

出来るかどうか、わからないんだったら全力で挑むしかない。

ティオは弱気な自分を励ますようにそっと剣の柄に触れた。


ガラガ大蜘蛛が活動する場所に着いた。

木々の間が広くなり、しゅういの木は背が高くなっている。

ティオは鞘から剣を引き抜いて周囲を警戒する。

「レビ、なにか匂う?」

ティオが訪ねる前にレビは鼻を鳴らして周囲の匂いを嗅いでいた。

そして友が望む情報に関係ありそうな匂いの元を辿ってみる。

さっきの毛むくじゃらな虫の臭い匂いと人間の匂い。

前者の匂いは濃くて嫌な臭いがするからすぐにわかる。

レビはティオについて来いと吠えて走り出した。


ティオはレビの後を追いかけながら、木と木の間に糸が張ってあるのに気づいた。

罠用じゃない。

ガラガ大蜘蛛が木から木へと移動した跡だが、その数が多い。

たぶんガラガ大蜘蛛の巣が近いんだろう。

ティオは改めて気を引き締めた。


が、襲われる事に心構えは出来ていなかった。

「あっ!?」

頭上から木が揺れる音に驚いて見上げれば、ガラガ大蜘蛛が木の上からティオめがけてジャンプしていた。

ティオは反応することが出来ず、ガラガ大蜘蛛の突進をまともに食らって吹き飛んだ。

次は新作を投稿します。

たぶん、アバターとHALOを足して2で割った作品になると思います。

マスターチーフかっこいいよ、うへへぇ(^p^)

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