村に到着
村に到着しました。
何気ない会話って難しいですねー(汗)
朝早くにテントをたたんで出発した一同が村に着いたのはちょうど昼だった。
放し飼いにされた鶏を子供たちが追い掛け回し、大人たちは羊を草が茂っていく場所に連れて行く。
また、街に出荷する野菜と家畜を積んだ馬車が2台出発するところだった。
先頭の馬車に乗っていた村人はエルサスの姿を見つけると、親しげに笑って手を振る。
「よぅ、また来たのかい?」
「ああ、大奥様は元気かい?」
「うーん、最近は寝てることが多いな。こじらせた風が悪質みたいだ」
村人は心配そうに首を振って遠くに見える家を振り返る。
エルサスもため息をついて首を左右に振る。
「持ってきた薬が利けばいいんだがな……」
「それじゃ、俺は行くよ」
「おう、邪魔したな」
村人はうしろの馬車に声をかけると、自分も馬に鞭を当てて出発した。
「それじゃ、薬を渡してこよう」
ティオたちは馬車から降りて、村の奥にある他よりも大きめな家を目指す。
家の前を掃除していた子供がエルサスたちに気づいて元気良く挨拶する。
「あ、こんにちわー!」
「よう、坊主。ベルトナさまはいるかな?」
「うん、いるよ。あ、でも……」
子供は困ったように頭を掻く。
「いまお客さんが来てるんだ。たぶん冒険者だと思う。そっちの兄さんたちと同じ格好してたもん」
「そうか、ならちょっとまってるか」
それならしょうがないとティオたちに肩をすくめて見せる。
「よし、酒場に行こう。あそこは小汚いけど飯はうまいぜ」
「アノの店を悪く言うのはおよし。御馳走してもらっている相手に感謝できないんなら食べるんじゃないよ」
出直そうとしたるベルトナの背に厳しい声がかけられる。
ぎくりと身をこわばらせたエルサスが振り返れば、50を過ぎた老婆が立っていた。
小柄で歳のために髪は白く顔の皺が目立つけれど、置いた面影が見えるのはそれだけだ。
背筋を伸ばした彼女の眼光は鋭く、凛とした強さが感じられる。
「あ、ああっと大奥様、お久しぶりでございます」
まさか家から出てくると思っていなかったエルサスは慌てながらも頭を何度も下げる。
ベルトナは小さく頷くと、後ろに控えているティオたちに視線を向ける。
「あなたたちはエルサスの護衛だね。彼をここまで無事につれて来て感謝するよ」
「あ、いえ、それが俺たちの仕事ですので……」
「つまらない謙遜はやめな。自分の果たした仕事には胸を張りな」
「は、はい」
「あーっと、大奥様、旦那様より薬を預かってきました……」
エルサスは鞄から薬を取り出してベルトナを指し出す。
が、彼女は首を振って受け取ろうとしなかった。
「ルィードはなんで来ない? 親が病気になったら子は裸足になってでも駆けつけてくるもんだろ」
「そ、それが、大きな取引がありまして、旦那様自身が立ち会わないとまとめられないと……」
なんとか宥めようとするが、ベルトナは両腕を組んで顔を顰める。
「まったく、親よりも商いを優先するってのはどういうことだい。今度、尻を叩いてたらないとね」
「そ、それだけはご容赦くださいよ……」
エルサスは勘弁してほしいと両手を上げて後ずさる。
エルサスの後ろに控えていたティオはそっとハーメルに耳打ちする。
「ね、寝たきりなんだよね、この人。すごい元気そうなんだけど……」
「うーん、こういう人なんだよ。きっと……」
「まぁ、いい。薬を持ってきてくれてありがとうね」
薬を受け取ったベルトナは家に入るように顎をしゃくる。
「さて、ちょうどご飯を作っていたところなのよ。あなたたちも食べていきなさい」
「いや、俺たちはすぐに帰りますよ!」
「なに言ってんだい。特にそこの坊やなんてがりがりじゃないか」
「え、僕?」
指を刺されたティオが驚いて声を上げる。
アトルミナはティオの体を上から下に眺めると、眉間にしわを寄せて鼻をふんと鳴らす。
「そうだよ、ちゃんとご飯を食べてないから貧弱な体してるんだ。ほら、さっさと入りな」
「ひ、貧弱って……」
「さっさと入りなさい」
「は、はい!」
なにか言い返そうと思ったけれど、ベルトナの鋭い一声に負けて家の中に入っていった
はい、全く話が進んでいません。どうもすいませんでした!