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別の世界ではただの日常です

睡眠応援団

作者: 茅野榛人
掲載日:2023/11/04

「睡眠! 睡眠! 頑張って! 頑張って! 君なら寝れる! 君なら寝れる! 頑張って! 頑張って!」

 今、僕の寝室には、何十人もの人達がいる。

 その人達は、僕の睡眠を全力で応援している。

 僕はこの人達の事を勝手に、『睡眠応援団』と呼んでいる。

 この睡眠応援団が現れ始めたのは、今から一ヵ月前の事である。

 今のように寝室のベッドで寝ようとした時だった。

「グッドナイト! グッドナイト! 頑張って! 頑張って! 寝れるさ君なら! 寝れるさ君なら! 頑張って! 頑張って!」

 突然僕の周りから大勢の人達の大声が聞こえて来た。

 目が慣れて来て見えた光景は、大勢の人達が寝室の壁に沿うように並んでいた。

 あまりに唐突な事に最初は何をしたら良いのかが分からなかった。

 警察を呼ぼうとしたのだが、僕は寝室にスマートフォンを持ち込まない為、呼ぶ術が無かった。

 兎に角恐怖しか無かった為、ベッドの中に潜り、目と耳を塞いでいた。

 不思議な事に、大勢の人達の叫び声は、耳を塞いでもはっきりと聞こえた。

 全くもって眠れないまま朝になった。

 あの大勢の人達も居なくなっていた。

 しかしまた、あの大勢の人達は現れた。

 そう、あの日以降、僕は寝る時に必ず大勢の人達が現れ、睡眠を応援されるようになってしまったのである。

 更に恐ろしい事に、あの大勢の人達が現れるタイミングに限って、電話や撮影が不可能になり、警察を呼ぶ事も、証拠を手に入れる事も出来なかった。

 ならば外で寝たらどうなるのかと思い、昼間、広い公園でレジャーシートを敷き、そこで横になり、寝ようとしてみた。

 やはり大勢の人達が現れた。

 しかし、周りは一切気が付いていないようだった。

 それに僕は、大勢の人達に完全に囲まれてしまい、四面楚歌になってしまったのである。

 しかしスマートフォンは使い物にならない、僕は強行突破をする事にした。

 大勢の人達の隙間を無理矢理すり抜け、ようやく輪の外に出れたと思ったその瞬間、突然大声がやんだ。

 振り向くと、あの大勢の人達は忽然と姿を消していた。

 全くもって謎な存在だ。

 その後僕は、睡眠をやたら応援しているあの大勢の人達に、睡眠応援団と名前をつけ、段々とうるさい環境でも寝れるようになって行った。

 そして今に至る。

 今の僕なら、例えどんなうるさい音がする環境でも寝れる。

 まあ、その所為で遅刻が絶えなくなってしまったのだが。

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