宇宙海賊やろう! さん
という事で、一番やりたかった日常の風景。普通の宇宙船は、どうやって食料の補給をしているんでしょうかね?
そういった些末なところを気にせずに、ヒーロー&ヒロインの素晴らしい活躍でスカッとすればいいのですが、和美はヘソ曲がりな物で
「肉肉肴肉肴」
「マサさん、何を唱えているの? おいしくなる呪文?」
道に止めた冷蔵コンテナを載せたトラックの横に、未使用の保存ボックスが山と積まれていた。
その雑然としたあたりに腰かけていた着流しの男が、ビジネススーツに身を固めたレディ・ユミルに問われて、視線を宙へと逃がした。
「いや、なんでもない」
マサと呼ばれた着流しの男は、天井のクリスタル越しに見える宇宙に見とれるふりをした。
ここはどこかと問われれば、中継ステーションの市街部にある卸業者の裏口である。
荒木提督との会談の後、司令部補給科にお勧めの業者をいくつか教えてもらったのだ。その内の精肉を扱う業者である。
中継ステーションの市街部に当たるココでは、表通りに面した側では小売りもしていた。裏に当たるこちら側では大きな取引の際に便利なように、巨大な冷凍庫や冷蔵庫が並んでいた。どの保存庫も扉が開けられて冷気が裏道へと流れ出していた。
頭が少々寂しい社長と激しい値引き交渉に勝利したレディ・ユミルは<メアリー・テラコッタ>名義のカードで決済し、待ちぼうけを食らわせていたマサの所へ戻ってきたところだ。
宇宙船の食料事情というのは特殊である。なにせ完全循環型システムが完成されてからは、事実上補給は必要無いはずだからだ。
ワープなんて夢の話しで化学ロケットしかなかった時代ですら、船内で消費された水は回収されて再利用される技術は実用化されていた。
ましてやワープ機関が実用化されたこの時代の宇宙船が搭載している循環システムは、もっと進んでいた。宇宙船に乗り組んだ生命体が、正常に活動するだけの必要な炭水化物やタンパク質、ビタミン類などは、完全に回収して再利用できるようになっていた。
一度ハッチを閉じた宇宙船が、一〇年だろうが二〇年だろうが、補給に困ることは無いのである。これまた「理論上は」という但し書きがつくが。
実情はこうだ。一年間も食料を循環システム任せにしていたら、正月に乗り込んだと仮定すると、大晦日を迎えるころに食卓へ上がるのは、味気の無いモチのような炭水化物の板と、缶詰スパムが高級肉に思えるほど食感すらないタンパク質の板、それと一日分のビタミンをまとめた酸っぱい飲み物だけとなる。ソースも何も無い、味付けは塩のみとなる。
もちろん遭難などの非常時ならば耐えなければならない食事ではあるが、戦闘艦として宇宙船を運用する時に、これではまずい。乗っている者が誰であろうと、粗末な食事ではやる気が出ない。いわゆる士気の低下というやつだ。
戦闘艦でなくとも、食事の質は重要だ。なにせ三大欲求の内のひとつである。惑星上の海洋を帆船で渡っていた大航海時代と、科学が進んで宇宙船で銀河の海を渡る時代だって、操っているのは同じ知的生命体である。そこのところは何ら変わる事は無い。最悪、乗組員の反乱に繋がる事案だ。
よって各宇宙船は寄港する度に、現地で生鮮食料品を調達する事になる。
銀河回廊の向こう側で荒木提督からの依頼を受信した海賊船<メアリー・テラコッタ>の食糧庫は、随分と寂しい物になっていた。ここで荒木提督の依頼を受けなくとも、補給は必要だったのである。
もちろん船全体の補給であるから、ここはその責任者である補給長レディ・ユミルの出番であった。
レディ・ユミルにとって幸いな事に、荒木提督からの依頼は受ける事になり、グンマ宇宙軍から契約の前金が振り込まれて、懐事情は温かかった。
よって日系宇宙人が多い<メアリー・テラコッタ>にしては珍しく、魚屋だけでなく肉屋にも買い出しと相成ったのである。
魚の卸業者で借りる事ができた冷凍コンテナを乗せたトラックで乗り付けたのは三〇分前。それからマサは一人トラック周辺で時間を潰すことになった。
魚、肉ときて、野菜の卸業者にもこれから回る予定だが、そこでもマサは暇をこくことは確実である。なにせ<メアリー・テラコッタ>の補給長は「やり手」なのである。
「これが積み込み予定の品ね」
レディ・ユミルが、自分の戦果を一覧表にして端末から送信した。ほぼ同時に、彼女の持っている端末から着信があったことを知らせるメロディが、マサの懐から流れた。
「積み込みが終わり次第、次は八百屋へ回って」
どうやら値引き交渉の時間をたっぷり設けたいレディ・ユミルは、積み込みを待っていられず、先にその野菜の卸業者へ向かうつもりのようだ。
本来ならば護衛役も兼ねているマサと別行動は禁止なのだが、ここまで順調に仕事が進んで機嫌が良いらしい。そしてマサには、レディ・ユミルの機嫌を損ねるのと、決められた警備基準を少し違反するのと、その二つを天秤にかける前に答えが決まっていた。
「うっす」
マサは懐から端末を取り出した。<メアリー・テラコッタ>に乗組んでいる海賊どもには支給品として配られる物だから、レディ・ユミルが使用している物とは本体の色が違うだけである。
画面から立体映像で浮かび上がったのは、積み込み予定の品だけでなく、次に向かう卸業者の住所と電話番号、それと現地までの略図もあった。
送信を終えたレディ・ユミルは、肩から提げたショルダーバッグに端末を放り込むように片付けた。
「じゃあ、後はお願い。それと、お金を払っただけ積み込まれたか、ちゃんと見張っていてよ」
「うっす」
ひょっこりと頭を下げたマサをしばらく信用できないように見つめていたレディ・ユミルだったが、サッと腕時計型の端末で時間を確認すると、せわしなく裏道へと足を踏み出した。
「本当にお願いするからね」
最後の最後に振り返りながら、まるで捨て台詞のように言ったレディ・ユミルは、表の道へと続く脇道へと曲がって行った。おそらくタクシーを拾うか、トラムの電停に向かうのであろう。金銭に神経質な彼女ならばおそらく後者だ。
やっとうるさいのが居なくなったとばかりに、マサは保存ボックスの上で尻の座りを直した。
左手には艦隊司令部を訪ねた時と同じく白鞘の長ドスがある。反対の右手には、長ドスにぶら下げていた源蔵徳利を持っていた。
その表面にはあまりにも達筆な行書体で「タムラ」と文字が入っていた。
マサは、もう戻ってこないだろうと道の向こうを確認してから、注ぎ口を塞いでいる杭のような木の栓を抜き、一煽り口にした。
「ふむ」
もちろん中身は「宇宙海賊と言えばピム酒」ということで、ピム酒が詰められていた。
ちなみに、この徳利に入っている分は、マサの財布から出したお金で購入したものであるから、何らやましい事は無いはずだ。仕事を放り出して酩酊しなければ、であるが。
チビチビとピム酒を煽りつつ冷蔵コンテナの見張りを続ける。扉が開けっ放しなので、組み込まれた温度管理システムはフル稼働したままだ。もちろんエネルギーの事だけを考えればもったいないが、建物から使用人が頻繁に出て来て、保存ボックスに収めた商品を運び込んでいるのだ。通るたびに開け閉めをしていたら煩わしくて仕事の効率が下がってしまうから、開けっ放しは理にかなっていた。
使用人たちは、扉の近くで暇そうにしているマサを、ある者は無視し、ある者はうらやましそうに見ていった。
と、長方形の保存ボックスを運び込んだ使用人の一人が、冷蔵コンテナから出てきてすぐに、マサに寄って来た。
「?」
サボりかと思ったが、どうも違うようだ。毎日の肉体労働で鍛えられた男は、少々慣れない様子でマサに話しかけた。
「社長がお呼びです」
「俺を?」
なにか問題が発生したのかもしれない。支払いに関してならば、レディ・ユミルを呼び戻さないといけなくなるかもしれない。呼び戻すだけなら簡単だ、自分の端末から彼女の端末へ連絡すればよい。宇宙港の中ならば、銀河電信電話公社と提携している星間国家グンマの通信会社が、要所に設けているはずの標準タイプの中継器が、電波を伝えてくれるはずだからだ。
だが連絡ができることと、呼び出すことは別次元だ。
おそらくその時は、順調に仕事が進んで晴れやかだったレディ・ユミルの機嫌が、ブラックホールの重力傾斜よりも激しく急降下する事は間違いなしだ。
厄介事は嫌だと眉を顰めていると、不愛想なまま使用人は手で店内を指し示した。
「社長は中に居ます」
どうやら逃げられない様子である。マサは右手の徳利を肩にかけ、左手に長ドスを提げたまま、その使用人の後についていった。
まさに肉屋といった店内では、大きな大福帳を片手に持った初老の男が、制服姿の男と何事か会話をしていた。男が警棒とビームガンで武装をしている事を、イの一番にチェックした。
「こういうガキなんだが」
マサには見覚えのない制服だが、横柄なくせに遜ったように見せかけようとする態度から、男が警官という事はすぐに分かった。警官は自分の端末に立体映像を立たせるように表示し、なにやら人探しの様子であった。
「見なかったね~。まあ気を付けておくよ」
「すまなかったね、忙しいところを」
ちょいと制帽の鍔に指を当てて頭を下げる振りだけをした警官は、ジロリとマサの方へと視線を寄越した。だが、まあこの異装である。妙な物を見る目で見られるのには慣れていた。
遠慮のない視線はマサの顔を確認し、それから左手の長ドスを見た。
若い警官は、何か言いたそうであったが、自分の取り掛かっている仕事が優先なのか、黙って表通りの方へと出て行った。
「社長。お連れしました」
警官との話しが終わったとみて、使用人が声をかけた。
「ああ、あの姉さんは、もういないのか。じゃあ兄さんでもいいかな?」
電子的な端末でなく、昔ながらの紙を綴じた台帳を、社長はベラベラっと捲ってみせた。
「時に、兄さんの船では、羊の肉は食べるかな?」
「羊?」
ふと周囲を見回す。大丈夫、犬の頭は飾られていない。いや、あれは逆かと思い直した。
「まあ、銀河中を飛び回っているから、羊も料理するが?」
星間国家グンマでは、そんなに消費されない羊肉であるが、もっと銀河も北の方へ跳んで、星間国家サッポロなど行くと、現地ではよく食されていた。
宇宙海賊船として銀河狭しと飛び回る<メアリー・テラコッタ>では、早い安い旨いの三拍子が揃っていれば、何でも食べる事になっていた。
もちろん文句を受け付けるのは、最終責任者のレディ・ユミルであるから、食べ物によるトラブルは起きようがなかった。
「じゃあ丁度いい。あそこの羊肉なんだが、発注ミスでなあ。無駄になるところだったんだが、あれも兄さんの船で引き取らないか?」
「いや…、でも…」
ここでうかつに頷いて法外な追加料金を請求されたら、レディ・ユミルに縊り殺されること間違いなしだ。
「ははは、そんなに構えなくても。サービス。サービスだから。タダで持って行ってくれ」
「いいのか?」
「腐らせちゃバチが当たる。で、その代わりと言っちゃなんだが」
社長の声色が変わったので、そら来たとマサ。古今東西タダより高い物はないと言われてきた。
「兄さんの船はしばらく<カゴハラ>にいるんだろ? その間は肉をウチから仕入れてくれよ」
「そんな事でいいのか?」
「いいさ。ウチでこんな大口は久しぶりなんだ。客を逃がしたくないのは、どんな店でも一緒さ」
一瞬だけレディ・ユミルに相談する事を考えたが、子供の使いじゃあるまいし、この程度は自分で考えて、後から報告すれば問題ないだろう。そう判断したマサは、申し訳なさそうに言った。
「それじゃあ、遠慮なく」
「そうこなくっちゃなあ。おーい、ユウユウ」
「なんすか?」
先ほどマサを案内した使用人が、棚の整理をしながら顔を出した。
「あそこの羊肉も、兄さんのコンテナに積めてやんな」
「へ?」
社長は台帳に書き込むために持っていた毛筆で羊肉を指し示した。社長の視線を追いかけるようにして、使用人の目も羊肉に辿り着いた。
「へーい」
どうやらソーセージかハムだかを保存ボックスに纏めていたユウユウなる使用人は、手早く片付けると、ほったらかしになっている羊肉が収まる大きさの保存ボックスを探し始めた。
一見、ダンボールにも見えるこの保存ボックスは、こう見えて科学の粋を集めた物である。高分子工学で作られた素材をふんだんに使われているが、その汎用性から量産され、個々の値段はそんなにしない。それなのに中に収めた食料品の鮮度は驚くぐらい保たれるのだ。
いちおう食料品を扱うので使い捨てという事になってはいるが<メアリー・テラコッタ>の海賊の中には空き箱を荷物整理に使う者もいた。
いまも新しい保存ボックスが組み立てられ、下処理をしただけの羊肉が収められるところだ。
それを見守っていると、表の道の方から、けたたましいホイッスルの音が聞こえて来た。
店内にいた全員が、何事だろうかと首をのばすと、ちょうど店の前で高校生ぐらいの少年が警官に首根っこを掴まれる所だった。
「はなせよう」
「待てと言っている。騒ぐな、暴れるな」
少年はバタバタと抵抗する。あまりの暴れっぷりに道をあっちに行ったりこっちに来たりと大騒ぎだ。通りかかった車もトラムも急停車して場所を空けている。が、そこは警官である。おそらく逮捕術を修めているのだろう、少年が手を振り払う事はできなかった。
「なんか物騒だな」
ワラワラと少年を取り囲むように、警官が集まって来るのを見ながら、マサは社長へ世間話のつもりで声をかけた。
「なんか、ひったくりのあくどい奴が出たとか。さっきのお巡りさんも、それで来たんですよ」
台帳に新たな書き込みをしながら社長はマサに付き合ってくれた。
「ひったくり?」
その程度の犯罪にしては大げさな人数が集まっていた。マサが警官と見抜いた制服と同じ姿をした男だけで一〇人弱。さらにグンマ宇宙軍の制服に似た物を着た男たちも三人ほどやってきた。
左腕の黒い腕章はよく見なくても分かる。憲兵だ。
憲兵隊まで大袈裟な、と思うが、よく考えて見ればここの宇宙港はグンマ宇宙軍も使用する軍港である。まあ市街部と軍用部では扱う権限はそれぞれ違うだろうが、隣の区画に逃げ込んだら無罪放免と言うわけにはいくまい。きっと俗にいう「風通しを良くする」ためにも、お互いがお互いを助けるようになっているのであろう。
とうとう一〇人ぐらいの警官に、地面へ抑え込まれた少年は、憲兵がよく顔を見られるように、後頭部を鷲掴みにされて強引に上を向かされていた。
「くっそー、いてーよ! はなせよ!」
手を出したら噛みついてやるぐらい勢いのある少年だが、彼の顔を見おろす憲兵の方は逆にのんびりとした様子であった。
「違うようだなア」
端末に呼び出した立体映像と、実際の少年の顔を見比べて、協議していたりする。
「たぶんウチで探しているヤツでは無いようだ」
一分間ぐらい三人で意見を交換して結論を出す。その頃には少年は強制的に立たされて、後ろ手に手錠をはめられていた。
「じゃあ、普通のスリということで、ウチが扱いますね」
先ほど店に来ていた若い警官が、憲兵と意見を交換する役のようだ。この宇宙を渡る時代にスリとは、こういった町中ですれ違いざまに被害者の端末からクレジット情報を抜き取る違法端末を扱う者のことである。
両手両足を合計四人がかりで掴まれた少年が引っ立てられていく。残りの警官は、集まっていたヤジ馬たちを追い払い始めた。
三人組の憲兵は、いまだ立体映像を覗き込んでいた。
店先で見ているものだから、マサにまでその手配されている方の姿がハッキリ見えた。
一言で言えば星間国家グンマによくいる日系人には見えない子供である。明るい茶色をした髪に、クリクリとした目をしていた。このまま順調に育てば、何人もの女を泣かせるのではないだろうかという兆しが、整った面差しのそこかしこにあった。端末の画面なので比較物が無いために身長は分からないが、あまり旨い物を食べていないのではないかというぐらいの痩せ具合は分かった。
「こんなショボイガキ。なんで緊急手配なんでしょうねえ」
「まあ悪質だったからって言うし、見せしめだろ」
「…」
無責任に感想を述べあう二人。口を開かない一番偉そうな憲兵が微妙な顔をしていた。
「さ、俺たちも。もう一度捜すぞ」
「はい」
景気いい返事だけは往来によく通った。
捕り物が済んだという事で、トラムは走りだし、車も歩行者に注意しながら動き出した。店内から見物していたマサと社長も、仕事を思い出した。
振り返ると社長がサービスとしてくれた羊肉は姿も形も無かった。代わりに裏の方からユウユウと呼ばれていた使用人が帰って来るところだった。
「言われた通り、積んどきましたよ」
「お、済まないねえ。次はアッチのアレを片付けといてくれ」
社長は次の指示を出し、それからマサに視線を寄越した。
「これで全部のはずだけど、いちおう確認しておくれ」
「はいよ」
マサは源蔵徳利の首にかかっている荒縄に長ドスの柄を差し込むと、それを肩に歩き出した。端末を懐から出すと、レディ・ユミルが送ってくれた一覧表を呼び出した。
けっこうな量である。ちゃんと積み込まれたかの検品は時間がかかりそうだ。
店内を抜けて裏道に出ると、相変わらず温度管理システムをフル稼働させたままの冷蔵コンテナを乗せたトラックが止まっていた。
「どっこいせ」
後部バンパーの足掛けを利用してコンテナに入ったマサは、魚屋から増えた荷物を前にして溜息をついた。
肉屋の使用人たちは、真面目に仕事をしたようである。保存ボックスの表面にもちゃんと収容物が何かを細かく書いておいてくれていた。これならば全体の量に比べて検品も短時間で終わりそうだ。
「おや?」
ふと床を見ると、凍結した床へ直に鶏肉の塊が複数置いてあった。不思議に思いながら周囲を見回すと、他はキチンと積まれているのに、その周辺だけ荷崩れをしたように保存ボックスの並びが乱れていた。
荷崩れして中身が飛び出したにしては、空の保存ボックスが見当たらない。
もしかしたら荷崩れしたのを使用人が直したが、床に落ちた肉には気がつかずに、空の保存ボックスを片付けてしまったのかもしれない。
「はあ」
面倒だなと思いつつコンテナから一旦降りる。未使用の保存ボックスならば、まだ周囲に置いてあった。
それこそ先ほどレディ・ユミルを見送った時に、マサ自身が座っていた保存ボックスもそのままだ。というか、その保存ボックスがサイズ的に丁度良さそうだ。
マサは片手で保存ボックスを拾い上げて、コンテナ内部へと戻った。肉を詰めて保存ボックスを直すのは、検品のついでにすることができた。
解説の続き
マサの呪文:本当なら「肉肉野菜肉野菜」
激しいバトル:超マサラ人じゃあるまいし
宇宙船の循環システム:おそらくこういう機械がないと星の海は渡っていけないのでは? 再生される食料が不味そうなのは、生鮮食料品を購入する口実に考えた設定です。あと炭水化物が再生できるなら「酒」の密造ができるはずとか、野暮なところを突っ込まないでください
源蔵徳利:信楽焼のタヌキが持っているアレ
銀河電信電話公社:この間、会話の中でウッカリ「でんでんこうしゃ」なんて単語を使ってしまった和美だよ。ちなみに「こくでん」と呼び間違えることもある
あれは逆か:羊頭狗肉
星間国家サッポロ:きっとラーメンが旨いのだろう
保存ボックス:普通のダンボールの後で出てくるので、ダンボールよりは高級品というつもり
スリ:現代日本でも似たような犯罪は既にあるので注意
床へ直に鶏肉:次の章の前振りです。マサがいい加減な検品をしたせいで、この次の事件が発生したことになる