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【完結】いせてつ 〜TS転生令嬢レティシアの異世界鉄道開拓記〜  作者: O.T.I
レティシア12歳 飛躍

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決戦3


 廃坑の魔物との戦いは、いよいよ決着の時を迎えようとしていた。


 個々の能力もさることながら、魔物とは思えない程の的確な連携によって、冒険者たちは苦戦を強いられていたが、エリーシャとレティシアの参戦により形勢を逆転。

 ついには総大将たるオークエンペラー、ただ一体を残すのみとなった。



「最後まで油断するな!!一体だけでも強力な魔物に違いはないぞ!!」


「前衛三人で囲むぞ!!俺たちの攻撃の合間に魔法を叩き込んでくれ!!」


 前衛のフランツ、ジャン、そしてエリーシャが敵を取り囲む。

 エリーシャは、冒険者二人の息のあった連携を邪魔しないように立ち回りながら、自らも斬撃を叩き込む。

 そして、中衛後衛のメンバーも、前衛の攻撃が途切れるタイミングを補うように弓矢や魔法で牽制。


 如何にタフネスを誇る魔物といえど、こうなれば後は時間の問題だ。

 反撃に注意を払いながら、確実に追い詰めていく。



 そして……



「大きいの撃つよ!!」



 レテァシアの掛け声で前衛三人が散開する。


 それを見た彼女は、手を前に突き出して最後のトリガを引いた!



「[[虚空槍]]!!!」


 物体を消失させる虚無の光が槍となってオークエンペラーに襲いかかる!!



 ボッッ!!



『ぶがぁーーーーっっ!??』



 それは魔物の腹に大穴を開け、堪らず絶叫が上がった!!




「決まった!!」


「まだだっ!!止めを刺すぞ!!!」


「はいっ!!」



 一時後退していた前衛三人が再び間合いを詰め、渾身の斬撃を叩き込む!!



 ザンッ!!


 ザシュッ!!


 ドシュッッ!!



 フランツが首を切り裂き、エリーシャが背後から袈裟懸けに、ジャンの斧が胴を薙いだ。



『ブ、ギィ……』



 それぞれが致命の威力を持つ攻撃を同時に受け、さしものオークエンペラーも、ついには断末魔の声を上げて動きを止め……



 ズズン……



 地響きを立てて地面に倒れ伏すのであった。


















「ふぅ……どうにか倒したな」


「いやぁ、嬢ちゃんたちの加勢が無かったら……どうなってたか」


「本当ね……護衛対象に助けられるなんて、冒険者失格だわ」



 戦いが終わり一息ついたところで、冒険者たちが反省の弁を述べる。

 勝利の余韻に浸る余裕も無いようだ。



「そ、そんな事!どう考えてもアレはイレギュラーだったんじゃ……」


「それはそうかも知れんがな……まぁ、ギルドにはありのままを報告して査定は任せるさ」


「ともかく、これで魔物は一掃出来ただろ。さっさと街に帰ろうぜ」


 そう、ジャンが話を締めくくった。









 レテァシアの初めての冒険はこうして終わりを告げた。


(う〜ん……転生したからには冒険でしょ、なんて軽い気持ちでついて来たけど……現実は厳しいね。今回はたまたま何事もなかったけど。やっぱり私には向かないって事が良く分かったよ) 


 そう結論づける。

 そして、これ以後に彼女が冒険に出ることは無かった。


 ただ一度を除いては。


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