表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】いせてつ 〜TS転生令嬢レティシアの異世界鉄道開拓記〜  作者: O.T.I
レティシア12歳 飛躍

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

67/190

決戦2


 オークキングとの決戦。

 苦戦を強いられている冒険者たち。


 その状況を見たレティシアは、自らも戦いに参加することを決意する。


 ……しかし。

 彼女は、魔法の才能は桁違いだが……戦闘の経験など全く無い完全な素人だ。

 下手に手を出せば冒険者たちの連携を乱し、むしろ足を引っ張りかねない。

 それはレティシア自身にも良く分かっている事だ。


 それでも……この状況で手を拱いているだけなのは我慢ならなかった。




「エリーシャ……皆に加勢出来ない?私も魔法で支援する」


「お嬢様……ですけど……!」


 レティシアの護衛に徹してるエリーシャも、冒険者たちが苦戦する様子を見て焦っていた。

 しかし彼女はあくまでもレティシアを護るのが役目。

 不用意に主の元を離れる選択は取れないでいるのだった。




 彼女たちがこうして悩んでいる間にも、戦いは続いている。


 少なくないダメージを負った前衛二人は、どうにか体勢を立て直して戦線に復帰している。

 しかし、やはり先程までと比べれば動きの精彩を欠いているようだ。

 中衛後衛のサポートによってどうにか抑えている状態。



 一方のオークキング達といえば……開戦当初こそ早々と駒を失ったものの、今は互角以上に冒険者たちと渡り合っている。



「あの強さ、指揮能力……もしかしたら、キングじゃなくてエンペラーかも……」


「オーク……エンペラー?」


「はい。キングをも遥かに凌駕する能力と、他種族さえ従える支配力を持った……脅威度Sランクの魔物です。放っておけばどんどん配下を増やして……軍団(レギオン)となる事も」


 それを聞いたレティシアは、ついに決断を下す。



「戦おう。私達も……!今ならまだ、巻き返せるよ!」


「お嬢様……分かりました!!私は前衛に加わります!!」


「うん!お願いね、エリーシャ!!」


 レティシアの願いを聞き入れ、エリーシャも覚悟を決める。


 そして、一気に飛び出して……



「加勢します!!はぁーーーっっ!!!」



 前衛二人の間に飛び込んで、渾身の一撃をハイオークに叩き込んだ!!



『プギャッッ!!!?』


 突然割り込んできたエリーシャに反応が遅れたハイオークは、まともに唐竹の斬撃をまともに頭に食らう。


 それは致命の一撃(クリティカル)となり、ハイオークは絶命して地に沈む。



「エリーシャか!!助かったぞ!!」


「嬢ちゃんの護りは!?」


「攻撃こそ最大の防御ですっ!!一気に畳み掛けましょう!!」


 男たちを鼓舞するエリーシャ。


 彼女の参戦によって……更にはハイオークを一体撃破したことにより、敵味方の前衛の数的優位が逆転する。







(……何気に後ろのオークメイジの支援が鬱陶しいね。私はあいつらを……!)


 それほど強力な魔法は使ってこないようだが、こちらの連携を寸断するような嫌らしいタイミングで攻撃してくる。

 メイジを何とかすれば、勢いに乗れる……そう考えたレティシアは素早く魔力を制御して……


「[[雷龍]]!!」


 雷撃の上級魔法を放った!!



「ら、雷龍!?二体同時に!?しかも無詠唱って!?」


 思いがけず高度な魔法……しかもそれが無詠唱で放たれた事に驚愕の声を上げるロミナ。

 レティシアが優れた魔法の才能を持っていることは分かっていたが、それはロミナの想像を遥かに超えたものだった。



 レティシアの魔法によって生み出された雷撃の龍は、左右に分かれて戦いの場を迂回し……後衛のオークメイジに襲いかかる!!


(これなら皆の連携を乱すこともないでしょ!!)



 そして狙い違わず、雷龍たちはオークメイジ2匹に食らいつく!!



 バリバリバリッッッ!!!!



『『グギャアーーーーッッ!!??』』



 オークメイジの全身を強烈な電撃が駆け巡り、瞬時に絶命させる!

 そして尚も健在な二体の雷龍は、残るもう一体のオークメイジにも襲いかかりこれを撃破!


 三体いたオークメイジは瞬く間に全滅するのであった。






 そして、オークメイジの魔法による支援が無くなった事で、前衛三人の連携が機能し始める。

 そうなると一気に戦況は冒険者たちに傾き、程なくハイオーク二体を撃破する。







 エリーシャとレティシアの参戦によって形成が逆転した冒険者たち。


 あとはオークキング……いや、オークエンペラーただ一体を残すのみとなった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ