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【完結】いせてつ 〜TS転生令嬢レティシアの異世界鉄道開拓記〜  作者: O.T.I
レティシア8歳 転機

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革新技術

 レティシアの興味を惹いた魔法学の論文。

 著者は『リディー』とある。

 共著ではない所を見ると単独での研究成果のようだ。


 その論文のタイトルは『異属性魔力間における物理的相互作用に関する考察』だ。


 自然界における魔素、及びそれらが変換された魔力は、何らかの属性を帯びている。

 無属性魔法と呼ばれるものも存在するが、厳密に完全な無属性と言うのは存在しないと言われている。


 そして、異なる属性の魔法の間に働く魔法的な相互作用と言うのは割と知られている。

 例えば、水属性と火属性の魔法は互いに打ち消し合うし、風と火であれば効果が増大する。

 これらは自然界の事象とも類似しているが、魔法学独自のプロセスとして説明されるものだ。


 一方、この論文では魔法的な観点ではなく…物理的に発生する相互作用に着目して研究を行ったと言う点が目新しいのである。



 魔力を帯びやすい物質同士…実験ではミスリル等を使ったらしい…を近づけると、属性の組み合わせによって引力や斥力が働くらしい。

 その力の強さは込められた魔力量に比例し、その数値データも掲載されている。




「つまり…水属性の魔力を帯びた物質と火属性の魔力を帯びた物質を近づけると反発する力が発生したり…風と火だったら引き合ったりするんだって」


「はぁ、なる…ほど?」


 レティシアの掻い摘んだ説明に、エリーシャが分かったような分からないような返事を返す。



(これってつまり…電磁石みたいなものだよね!電流の変わりに魔力を使って……モーターが作れるかもしれない!!)


 つまりはそう言うことだった。

 もしこの研究成果を応用して、実用的なモーターが開発できれば…最大の課題だった列車を走らせるための動力として使えるかも知れないのだ。



「とにかく…この論文の著者に会って話がしたいところなんだけど」


「それでしたら、マティス先生にお願いしてみたらいかがですか?アスティカントであれば伝手があるのではないでしょうか?」


「うん、そうだね!父さんも寄附してる関係でコネがあるかもだし…当たってみるよ!」


 ちょうど今日の午後は魔法学の講義があるので、レティシアはそこで聞いてみることにした。















「先生、アスティカントの伝手って今でもあります?」


「ん?どう言う事かね?」


 魔法学の講義の後、レティシアは早速マティスに確認する。


「え〜と…気になる論文を見つけまして、その著者の方にお会いできないかな…と思いまして」


「ああ、なるほど。ふむ……魔法学の教師なら、幾人かは知り合いがまだ残っておるはずだから、その伝手は使えると思うが」


「本当ですか!?」


「ああ。私の方から手紙を出しておこう」


「お願いします!…あ、もしお会いできるなら私の方からお伺いします、とも」


「分かった。(まあ、公爵令嬢に足を運ばせるという判断はしにくいかもしれないが)」



 停滞していた鉄道開発が一気に進展するかもしれない…

 そんな光明を見出し、希望に満ち溢れたレティシアの表情はとても明るかった。












 そして、マティスに手紙を出してもらってから数日後、その返信が来た。


 何でも、論文の著者であるリディーは既に『学院』を卒業し、引き続きアスティカントで研究職に就くとのことなのだが……


「今は実家に帰省中らしい」


「あ、そうなんですね。じゃあ、会えるとしてももう少し先になりますか…」


「いや。明日にでも会えると思うぞ」


「…へ?」


 予想外のマティスの言葉に、レティシアはおもわず間の抜けた声を漏らしてしまう。


「何でも、その帰省先というのが…ここイスパルナとのことだ。手紙には住所も書かれていたから、約束を取り付けられれば直ぐにでも会えるのではないか」


「おお…!これこそ正に運命に違いない!!早速調整を…」


「でしたら私の方で確認しておきます。お嬢様のスケジュールの空きを見て…」


「ありがとう、エリーシャ!お願いね!」


「はい、お任せください。ご希望の日時はございますか?」


「私は空いてる時間なら何時でも良いよ」


「畏まりました」


 こうして、トントン拍子に話が進んでいく。




 そして、これから訪れるであろう出会いこそ…正に運命的なものだったのである。

 レティシア自身がそう言ったように。



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