【番外編】レティの鉄道講座 そのじゅういち!
「はい!今回もやってまいりました!鉄道講座の第11回です!」
「ちょっ……!!?このタイミングでっ!?」
「ちょっと鉄道のお話から反れてきたから、ここいらで一つぶっこんでおこうかと……」
「ぶっこむって……あの緊迫した場面で……めっちゃ話をぶった切ってるよ」
「いいのいいの。だいたいさ〜、このお話に『ほのぼの』タグがつけられないのは、カティアのせいだと思うんだよね〜」
「理不尽な……」
「ということで今回のテーマは、『列車の愛称』だよ!」
「愛称……『のぞみ』とか『はやぶさ』とかの列車名のこと?」
「そうそう。新幹線とか特急列車には必ず『名前』が付いてるよね。その歴史は古くて、最初に特別な名前がつけられたのは戦前の特急列車『富士』『櫻』が最初だって」
「『さくら』は、今は新幹線の名前だね」
「そう。『さくら』もそうなんだけど、『富士』は長らく東京から九州方面の寝台特急……いわゆるブルートレインの愛称に使われてたんだ。だけど、残念ながら新幹線に引き継がれることもなく廃止になったゃった」
「由緒ある名前なのに、残念だね」
「そうだねぇ……『みずほ』『はやぶさ』なんかもブルトレから受け継いだ新幹線の名前なんだけど、はやぶさは方面が反対方向になったね。『つばめ』『かもめ』なんかも歴史のある愛称だね」
「こうしてみると……なんか鳥の名前が多い気がする」
「そうなんだ。国鉄時代の列車愛称って、多くは動物の名前や山、川、海なんかの自然地形に由来するんだ。寝台列車は天体に関する名前だね。動物のなかでも特に鳥の名前が多いのは、やっぱスピード感があるからかな?」
「なるほど」
「『雷鳥』『とき』『ひばり』『はくたか』『はつかり』『白鳥』『ゆうづる』『はくつる』『しらさぎ』……ほんと多いね」
「地形は……山が多い気がする」
「そうだね。日本は山がちだし、向かう地域のシンボルとして分かりやすいからかな?」
「レティも列車名なにか考えてるの?」
「開業当初はまだ普通列車だけの予定だけど、しばらくしてから急行や特急も走らせる予定だから、その時には列車名をつけるつもり。特急『ディザール』とかね」
「神様の名前か〜。なんか格が高そうで良い感じかも」
「でしょ」
「で、列車愛称の決め方なんだけど……大体は鉄道会社内部で決めるんだろうけど、公募することもあるよね。先に出てきた最古の愛称である『富士』『櫻』のときも公募したらしいよ」
「へえ……公募って得票数が多いやつに決まるってわけでもないんだよね?」
「そう。アイディア募集、みたいな感じだからね。集まった名前から、会議でその列車に相応しいものを選ぶんだね」
「でも、あんまり得票が少ないやつが選ばれると非難されたりするよね……」
「それは駅名とかでもあったね……いろいろ裏事情もあるんだろうねぇ……」
「その他、面白い話としては……列車愛称って普通は旅客列車に付けられるものなんだけど、例外もあるんだ」
「例外?」
「うん。昔の貨物列車とかには『たから』『とびうお』『ぎんりん』なんて名前がついてたこともあるんだ。顧客に向けたイメージ戦略だったみたい」
「へぇ……」
「あとは車両そのものに愛称が付いてる場合も。機関車では『ブルーサンダー』とか『桃太郎』『金太郎』『レッドベア』なんて愛称が付けられてたりするし、検測車の『East i』とかもあるね。あとは鉄道ファンが付けた愛称なんかもあって、有名なのは『ドクターイエロー』。昔の蒸気機関車は形式名から『デゴイチ』『デコマル』『シロクナ』『キューロク』……とかね」
「ドクターイエローは鉄道ファン以外にも有名だよね〜」
「だね。そんなふうに、列車に愛着を持ってもらうのに一役買ってるってことだね。もちろん実用的な意義もあって、おおよその行き先やルートがイメージしやすいというのも愛称を付けるメリットなんだ」
「やっぱり名前は大事だね」
「ということで本日はここまで!引き続き緊迫の本編をお楽しみに〜」
「……そ、それではまた!!!」




