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【完結】いせてつ 〜TS転生令嬢レティシアの異世界鉄道開拓記〜  作者: O.T.I
レティシア15歳 輝く未来へ

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対抗戦三日目〜サバイバル(4)



 予想外の展開に大講堂はざわつく。


 カティアとガエルの戦い……それはほぼ互角の激しいものとなったが、最終的にはカティアの経験値が上回りガエルの結界を打ち破った。



 しかし。



「油断……しましたわね」


「まぁ、流石にあの状況じゃ……ねぇ」


「カティアも人の子だった……って事かな」


「これで2組もやり返せたよ」


 ルシェーラ、シフィル、レティシア、メリエルが口々に言う。



 そう。

 ガエルとの戦いを征したカティアだったが……彼女も結界を破られて敗退してしまったのである。

 だが、それを成したのはガエルではない。



 モニターに映る彼女は頭を振りながら苦笑いして、ある方向へと目を向ける。

 その視線の先には……魔法の杖をカティアに向けたまま、驚きで固まっている一人の女生徒の姿があった。



「フローラさん……伏兵で潜んでいたのですわね」


「あの二人の作戦にまんまとハマったってわけか」


 レティシアの言う通り、それはガエルと女生徒……フローラが事前に示し合わせていたのだろう。


 つまり、カティアがガエルに勝利した瞬間……その時わずかに集中が途切れるであろう隙を突いて、建物の陰に潜んでいたフローラが飛び出して狙い撃ってきたのだ。



「でも、言葉にすれば単純な作戦だけど、それをカティア相手に決めたのは……あの娘の実力ね」


 シフィルが感心したように言う。

 実際にカティアに隙ができたのは、ほんの刹那のタイミングだったはずだ。

 それを逃さなかった事は、フローラの実力の高さを証明している。


 1年2組とは合同で武術の授業などを受けたりするので、レティシアたちは彼女の事も知っていた。

 そして、学生レベルとしては実力があるものの少し気弱なところがある彼女が、重要な局面で大仕事を成し遂げた事に、シフィルだけでなくレティシアたちも……いや、他の多くの生徒たちも感心していた。




 そんなふうにその実力を評されていたフローラではあるが、カティア撃破という大金星を上げたことが信じられない様子。

 当の本人が一番驚いていた。



 そしてカティアは自分を破ったフローラと何事かやりとりしたあと、同じく敗北したガエルのとともに近くの建物の中に消えていった。





 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆




「結局、ガエル君のあの強さは何だったの?」


「それは……カティアさんが戻ってこられたら聞いてみるしかありませんわね」


「そっか……じゃあ、今はステラたちの応援に集中しよっか。ちょうど合流できたみたいだし」


 カティアがガエルと激闘を繰り広げている間、スタート地点が近かったステラ、ユーグ、フリードの三人は合流することができた。

 ユーグが少しピンチに陥っていたが、ふたりのフォローが間に合って事なきを得たようだ。




 そして、カティアを欠きながらも、ステラたちはチームワークを十分に発揮して順調に敵を撃破していく。


 やがて全選手の位置情報が開示されると、最後の生き残りをかけた壮絶な戦いが学園内の各地で繰り広げられる。




 そして……


「ステラたち頑張ってるよ!三人とも残ってる!」


2組(うち)も一人だけ……フローラ!もう無理しないで逃げ回って!」


「3年1組……お兄様のチームは全員が健在ですわね」



 残りは八人。

 あと三人脱落すれば終了となる。



 あるいは時間切れまで逃げ回るという手もあるが……



「あっ!!ステラたち、先輩のチームに戦いを挑みにいくみたいだよ!」


「やるわね!そうこなくっちゃ!」


「当然ですわ!」



 最後の戦いが始まるのを受けて、大講堂は大きな盛り上がりを見せる。


 しかし、四人全員が残る3年生チームに対して、1年生チームは三人。

 それは無謀な挑戦だ……と、多くの観客たちは思っていた。


 だが。


「お兄様……ステラさんたちは、強いですわよ?」


 受けて立つ構えの兄のチームを見て、ルシェーラはそう呟く。

 そしてその言葉通りに学年差、人数差をものともせずに互角の戦いが始まった。



 その戦いは熾烈を極めたが、勢いに乗ったステラたちが少しずつ3年生チームを押しはじめる。

 やがて一人、二人と三年生側の選手が撃破されると、ついには均衡が崩れ……ルシェーラの兄、アルフレドを残すのみとなった時点で、サバイバル戦の終了が告げられたのであった。



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