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アーサー王100本の剣伝説

10本目の剣

作者: 中村翔
掲載日:2021/12/31

冬。寒くて人恋しい季節。

雪。ちらつく白い妖精。

霜。空気の水が凍る。

星。掴めそうな暗い空。

冬雪霜星。彼の生命の物語。


彼女がここに来てひと月がたった。

彼女は、そうだな。弟子になりたいと。

それだけ告げて居座ってしまった。

自分は先生だ。

だがたまに師匠と呼ばれるのも悪くはない。


彼女の1日は忙しい。

朝食を用意し、師匠と呼ぶ者をおこし。

師匠がご飯を食べる間に掃除をする。

師匠が昼食を食べてる間に朝食を食べる。

師匠に剣を教わり筆をとる。

汎用紙3枚ほどに勉にはげみ。

風呂を沸かして歯磨きをして寝る。

こんな感じだ。あたまが上がらない。

今も壊れた戸棚を直して四苦八苦している。

そもそもなぜ彼女はこんなことをするのか?


話は遡る。一月前。

雪の降る中鎧姿の彼女がいた。

なぜ一人でこんなところへ来たのだろうか。

ここには珍しい物なんてないはずだ。


道場として機能している寺。

そして寺に寄り添うように古い枯れ木。

枯れ木には剣が刺さっている。

毎朝剣に花を供える老婆がいる。

そのくらいしかないようなところ。


実際どこまでこの銀世界が広がっているのか?

まわりから人が来るのも初めてだった。

そもそもこの世界に老婆以外に人がいる。


それすら驚くべき事実だったのだ。

彼女はわたしを見て少し驚いた。

が、それすら眼中になく一点を見ていた。

枯れ木の剣にひざまづき祈るように。


彼女は彼のことを師匠と呼んだ。

彼は受け入れた。

そして師匠と呼ばれている。

最初の3、4日はぎこちないものだった。

けれどもやはり師弟というものは。

かくもこういうものなのだと。


彼女を見ているだけで幸福になる。

成長を見守るのはいいものだ。


半月前彼女は言った。

一月の命なのだと。

最後はこの世の全てを貰っていくと。


大それたことをいうものだ。

しかし笑い飛ばしてやった。

この世の全てを背負うには

彼女はちと華奢すぎると。


乾いた笑いが辺りに響いていた。

彼女はそれからも毎日同じようにすごした。


今日で彼女も一月たった。

彼女の言った一月だった。


彼女は枯れ木に寄り剣に手をかけた。

ーーーーー!ーーーーー!!

初めて彼女の声を聞いた気がした。


彼女の手には鋭い刃物があった。

それを師匠と呼ばれた彼に向けた。

そして彼女はーーー彼を刺した。


師匠と呼ばれたものは泡となって消えた。

ふと瞬きをした。

そして二度と視界が明るくなることはなかった。


ーーーそう彼女の名はアーサー。

この世の全てを背負った女の子。


10本目の剣読了。

Thi ・11本目の剣を始めますよろしいですか?

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