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幸せな夢

作者: ジョウジ

僕は1ヶ月くらい連続で同じような夢を見ている。

同い年ぐらいの女の子と一緒に無邪気に遊んでいる夢だ。7月の土曜日、今まではそこまで気にして来なかったけどさすがに何回も見てると気になって来るので、僕はその夢の話を母親に話した。すると母親は何やら迷ったような素振りを見せた後に変なものでも食べたんじゃない?と言って誤魔化した。もちろん変なものを食べることで同じ夢が続くなんてことがあるはずもないがその質問をした後あまりにも母親が悲しそうな目をしたのでそれ以上聞くことはやめた。なにか手がかりはないかと自分の部屋を探して見ようと思い、あまりにも散らかっていて物を出す気にもなれなかったクローゼットを開けてみる。いざ開けてみるとやはり探す気が無くなってくる。それでも僕は探し始めた。夢に出てきた女の子の手がかりを探すなんて馬鹿な真似をいつもの自分ならしようとは思わないが、なぜかそこになにかがあるという確証があった。そして探していると1枚の写真が出てきた。そこには僕とその女の子が映っていた。もう一度この写真を見せた上で母親に彼女は誰かを尋ねてみる。すると母親が重い口を開いて話し始めた。母親が言うにはこの子と僕は相当仲が良くいつも遊んでいたらしい。言われてみればそんな気がしてきた。なんで忘れていたんだろう?と自分で疑問に思えてくる。そこで母親に彼女に会いたいことを伝えどこにいるのかを聞こうとした。しかし母親は話すかどうかは明日決めると言ってどこかに出かけてしまった。その日の夜僕は写真を眺めていた。夢で遊んでいたことは本当だったのか!と思い早く彼女に会いたいという気持ちが溢れてくる。翌日の朝母親に彼女の事を尋ねてみるとスラスラと話し始めた。僕と彼女は中学生時代の同級生で、恋人というよりかは仲のよすぎる友達という感じだったらしい。よく2人で色んな所に遊びに行っていたらしく親同士もその間に仲良くなっていったらしい。しかし、2人で海に行った帰りに彼女は・・・


僕はあの写真を片手に海に来ていた。ただ波を眺めていた。涙がこぼれる。止めようと思っても止まらない。彼女の楽しく遊んだ日々を思い出す度に涙が溢れてくる。奇跡的に今日は彼女の命日からちょうど3年がたった日だった。あの日僕と彼女が海で遊んで帰る時に乗ったバスが車と交通事故にあった。そのバスは混んでいて僕と彼女は離れた席に座っていた。バスが信号待ちをしている時にちょうど彼女がいる所に車が突っ込んできた。その車の運転手は飲酒運転をしていて事故を起こした記憶すらないという。バスは混んでいたため彼女を含んだ6人が死亡その他大勢の人が重軽傷を負った。僕はその時精神的に大きなショックを受けたため脳が自分を守ろうと思考を停止し、その記憶を隠したのだ。だけど僕は夢の中で、頭のどこかで君をずっと探していた。まるで忘れちゃダメだ!と言っているみたいに。その後僕は全てを思い出したことを母親にいい、彼女の親を訪ねた。彼女のお墓にお線香をあげたあと彼女の親が僕の事を心配してくれていたことと、僕が母親に彼女の事を尋ねた時に相談にのった事も話してくれた。帰る前に僕は、まだ残っていた遺灰を分けてもらい、その後僕と彼女が遊んだ場所に撒いていった。その場所に行く度に涙が溢れてきて目が真っ赤になる。

最後に遺灰を海に撒きおわった。

一瞬彼女のありがとう、さよならという声が聞こえた気がした。

その後、僕が彼女の夢を見ることは二度となかった。


見ていただいてありがとうございます。ある小説のようなボカロ曲を聞いてこの物語が思いつきました。良かったら星5、悪かったら星1でいいので何らかの評価やコメントよろしくお願いします。

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