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1回目 柊奈那子の独白

~柊奈那子の独白~


伊藤ルキは私の救世主だ。ある日学校から帰宅中、同じ制服を着た上級生らしき2人声をかけられた。


「こいつを知らないか?」


そうして見せてきたのは、学園でも有名な(悪い意味で)上級生2人だった。確か名前は…なんだっけ?でも顔は知っていたので、2人に「知っています」と言った。


そしたらなんということか。その2人は突然私を人影のない路地裏に連れ込んでいきなり殴りかかってきた。突然の暴力になすすべなく、いくつも出血もしてもうどうしようもできないと思った時、私の前に現れたのは学校でも有名な不良の子だった。


いつも一人で飴を舐めていて何か難しそうなことを考えているような顔をしている…。名前は確か「伊藤ルキ」だ。伊藤さんは私をかばうように前に立っていて上級生2人と対面している。


2人は伊藤さんの姿を見ても大して大きな反応もせず、何かを話している。伊藤さんが話し終えると2人はそのままどこかに去ってしまった。伊藤さんが私に何かを言っていたような気がするが、そこで私の意識は失ってしまった。


目が覚めると、そこは私の部屋だ。痛む場所を手でさすりながら近くに置いてあったスマートフォンを手に取る。良く見るとそれは私のスマートフォンではなかった。もしかしたら私をここまで運んでくれた人がいてその人のスマートフォンかなと思い画面を見ると、中にはチャットアプリが入っていた。


アプリを開くとそこには12人の名前が書きこまれており、その一つの名前に自分の名前がある。他の人の名前を見てみると、「伊藤ルキ」の名前があった。さっそくこのスマートフォンで伊藤さんに連絡しようと思ったが、自分のではないスマートフォンでやり取りするのも良くないなと思い、チャットを打たなかった。とりあえずもう一度伊藤さんに会ったらこのスマートフォンについて相談しよう。そう思いその日は就寝した。


目が覚めて制服に着替え学校に向かう。クラスメイトは私の怪我を心配してくれた。普段特にこれといってクラスに貢献していない人がこんな大けがを負っていたら話しかけてくれるのも当然と言えば当然だが…。


昼休みになり、伊藤さんのクラスに向かう。教室に伊藤さんの姿はなかった。他の場所にいれるのかなと思ってあちこち歩いていると、伊藤さんが階段を下りるのが見えた。


「見つけた」


伊藤さんの後を追う。自分も階段を降りようとすると急に視界が真っ白に染まった。


眩しかったので目を閉じて、落ち着いた時を見計らって目を開けると、そこは白い部屋だった。伊藤さんと私の二人だった。伊藤さんは私に気にせずスマートフォンをピコピコと動かしていると相談しようとしていたスマートフォンに通知が来ていた。


「なんだこれは?」


状況が分からず、何もしないでいると急に吐き気と睡魔が襲ってきた。伊藤さんは何も言わずただこちらを見ている。そうしてまた昨日のように意識を失った。


意識を取り戻すと、私は自分の部屋で3か月以上意識を失っていたと両親からそう言われた。病院に連れて行ったらしいが原因は全くの不明。私自身も何がなんだか分からない。最後に覚えていた光景は学校で伊藤さんが階段を下りたところだった。あの時に持っていたスマートフォンもなくなっている。


簡単な検査を受けたのちに学校に通う。クラスメイトには何があったのか聞かれたが、私にもさっぱり分からないので答えようがない。とりあえず勉強の遅れを取り戻そう。


いつも以上に授業を聞いて予習復習をしているとある日、私のスマートフォンに知らないアドレスからメールが来ていた。「異能力鬼ごっこ」の招待状だ。


どうみても胡散臭いので無視したが、無視していても同じメールがずっと来た。設定で受信拒否にしていたのにどういうわけかメールボックスに同じメールが定点で来る。恐怖を覚え、両親にこのメールで相談するも、そんなメールがないぞと言ってきた。そんなわけないと言って画面を両親に見せるも、そんなメールどこにもないじゃないかの一点張り。


「良く見てよこの馬鹿!」


となじってしまった。両親からしたら何もないメール画面を見せられてかと思えば今度はボケたかと言われ自分のことを信用しなくなるのも当然だった。その日は晩御飯抜きになってしまった。


もう嫌だと思い布団に身を包めるも、ずっとあのメールを受信し続ける。電源を切っても、通知音を切っても、あのメールにはそんなこと関係ないらしい。怖いのに耐えきれなくて、ついにメールを開いて参加する旨をしてしまった。そしたらもう通知音が聞こえなかった。何かの証拠になると思い、メール受信履歴を写真で撮っておこうと思ったが、どういうわけか履歴すべてにあったあのメールが消えていた。


また怖くなってしまい、恐怖のあまり気絶してしまった。


そして目が覚めると、いつの間にか体育館のような場所にいて気付いた。


「あぁ。鬼ごっこが始まるのか…」


こんなにも力のない声で話したのは初めてな気がした。聞けば、勝者になればなんでも願いが叶うらしい。それなら私の願いはたった一つだ。


「この悪夢から私を解放して」


絶対勝者になってやる。


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