〜終結〜
グレンは飛び、主都へと向かう。途中にかなりの大きさの土壁が見えたが一旦無視してきた。
そうして到着した主都・・・いやもうこれは黄金都市の残骸と呼ぶべきものだろう。建物は悉く壊れており、都市としての機能を失っている。
これはひどい。エメリアとユーリはどうしただろうか。エメリアは強いし、ユーリには転移がある。心配はしていないが・・・。
こういうとき、転移にも問題があると思わざるをえないな。どこへでもいけるが故に、どこにいるかわからなければ合流が難しい。
空から人間が全く見えないあたり、街の民はベルーガの街へ避難したか。
そしてその避難中にあの土壁が姿を現し、邪魔をされたといったところか。
おそらくあの土壁を作り出したのは俺が戦った『悪魔公ヴェルダ』だろう。奴の土魔法はかなり高度なレベルだった。
奴ならこの規模の壁を作り出せても不思議ではないだろう。
人々の動きをそう判断した俺は、ベルタを飛び立ち、一つ前の街ベルーガへと向かったのだった。
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ベルーガの街に降り立ってすぐ、エメリアとユーリが俺の元へやってきた。
「エメリア!ユーリ!無事だったか。よかったよ。」
「グレン!お帰りなさい。龍の方はうまくいったのですか?」
「ああ、それは問題なかった。その後悪魔公ヴェルダとかいうやつとは戦ったけどな」
それを聞いたユーリが心配してくる。
「怪我はないなのです!?」
「ああ、この通り元気だよ。悪魔公は倒した。
・・・悪いが、こっちで何があったか教えてもらえるか?」
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そういって事の顛末を聞いた俺は考えた。
「・・・エメリアと俺のところにきた悪魔は避難する民の所へ行かせないための足止め。
そしてこの計画の本命は魔物に人間を殺させること、か?」
「ええ、そう思いますわ。あのラスティという悪魔は私を殺す実力がありました。
・・・ですが殺そうとする気がなかったように思いました。おそらく足止めと考えて間違いないでしょう」
「・・・僕の方は結局、あの土壁のせいでうまく守りきれずに、民の半数が殺される結果になったのです・・・
明らかに魔物は目的があるように動いていて、避難する人間を狙っていたと思うのです。」
2体の悪魔が都合よく、それぞれこちらの戦える戦力に割り当てられたこと、魔物の進行を手助けするタイミングで現れたこと。
3人の意見を出した結果、やはり魔物の暴走というこの騒動は悪魔が主導で描いたものではないか、という結論に達した。
だが気になるのはなぜ俺たちがここにいるタイミングで騒動を起こしたのか。
龍と無事に会い、俺たちがこの国を後にした後ならば、民の損害はもっと大きなものになっていたはずだ。
わざわざ俺たちがいる時に騒動を起こしたのは何か意味があるのか。
色々と考えなければならないことが多い。今俺たちが得ることができている情報が全てとは限らない。
とりあえずは街の復興を手伝いながら、情報集めをするとしよう。




