〜民の避難後〜
結果から言うとユーリ達は勝った。
Sランクの人間が4人いたことで、攻撃力は申し分ない。魔物の数を少しずつ減らしていった。
しかし圧倒的に魔物の数が多かった。完全に民をこちら側のラインへ引き込むまでには相当な苦労をさせられたといえる。
その間フッキも身を粉にして民のために体をぶつけにいった。
その後護衛も完全にフッキの指揮下に入ったことによって、連携力が増した。
また、作戦として、フッキが土の『心魂』で地形を変えれたのも大きい。向こうの入り口を広く、こちら側の出口を狭くした壁を形成したことで、出てきた魔物をSランク4人でどんどん叩く、ということができるようになった。
また稀にいる飛行型の魔物は残った護衛だけでなんとでもなった。
かなりの時間はかかったが、魔物を完全に討伐できたのだった。
逃げてきた民たちも護衛も、フッキの活躍を目の当たりにしていた。彼がいなければ助からなかったと誰しもが思っただろう。
今は戦いが終わり、それぞれが床に座り込み、疲労を癒している。
ユーリは大怪我の人を優先して治癒魔術を使って回っている。戦闘におけるユーリの活躍もめざましかった。ユーリが通れば感謝を述べる民も多い。
が、表情が晴れないものも多い。家族を亡くしたものもいるのだろう。
主都側の壁伝いには人間の死体と魔物の死体、魔石が山のように転がっている。
この被害を出した原因の一つは間違いなく現国王。そしてこの壁を作った何者かだ。
フッキの『心魂』が得意な属性であるため、その辺りを聞いてみると、やはりこの壁を作った何者かの力は桁外れなようだ。フッキが何十人いてできるかどうかのレベルの壁だそうだ。
そんなことをできる人間はいない。間違いなく悪魔の仕業だ。ユーリはそう思った。
「皆さんお疲れ様です。もう歩けない人はいませんか?
いなければ僕は大切な人が戦っている場所に移動します」
こっちは大丈夫だ、とか、本当にありがとう、と言う声が聞こえる。
もう大丈夫ならエメリア姉が心配だ。すぐに移動しよう。
「では僕は行きます。皆さん街まで無事で行ってくださいね」
そう言ってまだエメリアがいるであろう黄金都市ベルタへ『転移』していったのだった。




