〜フッキの治療〜
俺たちはサラに連れられ、路地裏へときていた。
発展している表の通りとは違い薄暗く、日が当たらない場所。
この国裏の部分であるとも言えた。
サラの案内に続いてそんな道を歩んでいくと、石畳の上に寝転がされている1人の人物が見えた。
大柄だが、両腕がなく、苦しんでいるのか呼吸も荒い。彼がそうか。その思いを肯定するようにサラがその人物を紹介する。
「この人がフッキのおじさんです。どうか助けてあげてください、お願いします!」
「ああ、彼女に任せておいてくれ」
俺はそういうと、先頭に立っていた俺と入れ替わりにユーリが前に出てくる。
『心魂来臨、刻を戻せーー不死鳥』
彼女が言葉を発すると、彼女を聖なる光が包む。
彼女を真っ白なオーラが取り囲んでいる。
「いきますよ、『不死の舞』」
その言葉と同時に彼女の手から湧き出た無数の白い泡のようなものが、フッキの体に纏わりつく。その一つ一つが輝きを放ち、優しげなオーラを醸し出す。
危険な感じは一切感じられず、その光景はまさに神業といえる。
やがて眩いほどに輝いていた光が消えていくと、そこには両腕が生え、血色も良くなったフッキの姿があった。
見るのは2回目だが圧倒的な光景だな。
周りを見渡すと、路地裏の住人であろう見物客がチラホラと遠目に見にきていた。
自分たちの家の周りでこんなことがあれば・・・そりゃあ気になるよなあ。
俺は彼らに手招きをして、近くに来るように促した。
そして治ったと思うが彼を頼む、と言い残して家族三人での会話に移った。
「それにしても襲撃者というのはいったい何なんだろうな。
彼が裏路地のボスとは言え狙う理由があるんだろうか?」
「彼が起きるまで何とも言えませんわね。何か特別な背景があるかもしれませんし・・・
また来るかもしれない襲撃者のことも気にかかります」
「とりあえずは治ったはずだけど、起きるまではそばにいてあげたい・・・なのです」
そうだよな。サラのことも気にかかる。しばらくはここの様子見をしてみようか。どうせ乗りかかった船だしな。
「分かった、それなら二手に別れよう。俺は今から目撃情報があった『巌砂山』」へ向かってみる。
エメリアとユーリはここに残ってサラとフッキの様子をみてくれ。
何かあればすぐ対応できるようにここから一番近くの宿を取ろう」
「別行動ですね、わかりました」
「僕はエメリア姉がいれば心強いのです!!」
よし、そうと決まれば。
「俺は今からすぐに、飛んで現地に向かう。
できる限りは早く戻るが・・・いない間のことは2人に任せるぞ」
「「はい!!」」
2人の元気な返事を聞いて、俺は心置き無く龍の元へと向かうのだった。
本日2話目です。




