〜魔法の練習〜
魔法ーーそれは体内の魔力を消費して攻撃、防御、身体強化、治癒等の事象を発生させるものである。体内の魔力量には個人差があり、その魔力量次第で使える魔法の種類や、回数が決まる。そして魔法には5大元素というものがあり、その5つとは、『火、水、土、風、雷』。俺も身体強化の魔法だけは父に教わって使うことができる。が、それ以外は皆無だ。剣ももちろんかっこいいが、やはり男としてはかっこいい攻撃魔法を覚えたいと思うものだ。
「何から教えてくれるんだ?やっぱり火の攻撃魔法かな?火はかっこいいもんな、やっぱり」
「・・・じゃあ最初は火で。最初に覚えるなら他の用途にも使える火、水、土のどれかにしようと思ってたしね!」
ちょっと微妙な顔をされたが火でいいらしい。
「大体の魔力量も調べたいから魔法ができたら回数を数えながらやろうね!」
「わかった」
「じゃあ使い方ね。初級の火魔法の詠唱は知ってる?」
「・・・知らない」
「じゃあ教えるね。見てて。『我が魔力よ、炎塊となりて敵を穿てーー爆炎』」
詠唱を唱えると、腕を前に伸ばし、開いた掌から炎の塊が発射された。それはどんどんと飛んでいき、遠く見えた海へと着弾し、消えた。
「おおぉー!!すごいな!」
「えへへ〜、でしょ!」
直で見るとやはりすごいなと思う。あれが自分に飛んできたらと思うと結構びっくりするな。
そしてその笑顔は凶器だな。さっきはプロポーズ云々言っていたが、将来的にそれもいいなと思ってしまった。・・・・・・まだ4歳だけど。
「じゃあやってみて!」
「よし、じゃあやってみるぞ。確か・・・『我が魔力よ、炎塊となりて敵を穿てーー爆炎』」
俺の伸ばした腕からさっきのように炎の塊が飛び出し、飛んでいった。
「おおぉ!できた!!」
「できたできた!すごいすごーい!」
自分が魔法をできた感動と、天然おだて上手のエメリアの声も相まって、調子に乗った俺はその後何発も撃つことになった。
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その後何発も何発も撃ち、更に撃ち、また撃ち・・・・・、いつまで撃とうかと迷っていると、夕日がさしてくる時間帯になってきた。流石にそろそろ帰らないとな、帰るのにも少し時間もかかるだろうし。
「そろそろ暗くなるから帰ろうか」
「わかった!また一緒に来ようね!」
「おう、行こうか」
そう返事をして先導しようとした俺だったが、こりゃ参ったな。
「ごめん、帰り道忘れた」
「うふふ、私が先に行くよ!」
俺たちは仲良く2人手を繋ぎ、来た道で家へ帰ることになった。
こんにちは、また夜投稿します。