〜新興国ウルベスタン〜
俺たち家族3人は、半年の時間を空けて、ついに合流を果たした。
合流してすぐにはなるが、以前王家の暗部に調べてもらっていた、龍の目撃証言があった場所へ、明日にも向かうことにした。
以前に調べてもらった二箇所の内の一つだ。
悪魔との接敵から半年間、さらに追加で調べてもらってはいるが、他に有力な場所は浮かび上がってきていない。
有力ではない情報ならたくさんあるが、その真偽を確かめるだけでも、膨大な時間を要する。
そして多くの時間を使った場所ほど空振りで終わりやすい。
元々ないものを必死に見つけようとして時間がかかるのだ。
そうして色々調べてもらっても、見つかっていない状況だ。
こうなってくると、
はるかに遠くにいる、または西側にいる、と言うのが濃厚か。
協力者がいない状況で西側を調べるというのはとてつもなく苦労がいる。できればまだ東側にいてもらいたいものだ。
また龍王国ドラゴニアの王に、貿易のある国家全てに警戒を促してもらったところ、
了承する国多く、少数派は無視する国、何か裏があるんじゃないかと疑う国。反応は様々だったが、
現状はどこの国も悪魔には襲われていないらしい。『恨み』が鍵になるならいつ悪魔に襲われてもおかしくないと思ったのだが、なぜなのだろうか。
・・・もしかしたら悪魔への恨みでは、悪魔は生み出されないのか?
そうだとすれば警戒すべきは
「魔物を殺しすぎる」、「人間が魔物に殺される」「人間同士で殺し合う」
この3パターンか。
・・・いや、さすがに憶測を語るわけにはいかないか。警戒はしておくことに越したことはないのだしな。
警戒を受け入れた国はその国の街ごとに武人達を集め、冒険者ギルドにも要請し、襲撃に備えているらしい。
一方で何もしない国は何もしていないらしい。
まあ襲われていないならそれでいい、それぞれの国の対応にケチをつける気はないからな。
俺たちが次に向かうのは、新興国ウルべスタン。
約2年前、クーデターによって、成立したばかりの新しい国である。
そうなった元の国王は税を課し、民の生活を圧迫していた。
といってもその税はこの世界の平均的な金額よりも低い者ではあったのだが。
ウルベスタンの約8割の土地は砂漠であり、基本的には内陸国である。海に面している港町バスタだけが、
この世界の平均的な生活の水準を保っていたらしい。
そこ以外の砂漠の中の街はオアシスの周りに作られており、そこにはお世辞でも裕福とは呼べない者達が暮らしていた。
なぜそんな街に留まるかといえば、街を出る時の出街税が高額に設定されていたからである。
普段の税を払い、なんとか暮らしている人間達がこの出街税を払える訳が無い。
だがクーデターでそれは変わった。
『黄金都市ベルタ』
それが今のこの国の主都の名前である。
黄金の発掘によって全てが変わったのだ。
港町バスタ以外の住民は続々とベルタに移住している。
ベルタの街も働き手を必要としているため、どんどん街は拡がった。
そうして段々と大きな国へとなっていったのだ。
その立役者となったのが新王、ラ=ジャジャ。
『神の声』を聞いた
そう言った彼は、クーデターを成功させた後、黄金の採れる採掘場の場所を言い当てたのだった。
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今日の1話目です。




