〜半年間の成長〜
「やっとか」
魂での鍛錬が始まってから約半年、毎日魔力切れまで潜った。本当に長かった。
現在引き出せるだけの力を引き出せるようになった、と思う。
一人に合体した三体の龍の力は、単純な足し算で3倍になるのではなく、実際には掛け算のように増えていた。
300%で収まりきらなかったのである。
そして力を使えるようになった俺に、『やっと』、な出来事があった。
・・・やっと俺に名前を教えてくれたな。
黒皇龍
それが三体の龍が俺の中で混ざり合った形の名だった。
現在はまだ、自分の魂以外で力を使ってはいないが、自分に力がみなぎっているのがわかる。
強くなった。
半年前の自分に比べれば、それはもう圧倒的に。
今なら胸を張ってそう言える。
だがそれに伴い、髪の毛の白く染まった部分の割合が多くなっている。今では3割ほどを白が占めている。なぜそうなるのか理由はわからない。
今のところ何も不都合はないのでほったらかしだ。
ユーリは定期的に家に戻ってきていて、色々話は聞いているし、たまに一緒に寝てもいる。この半年、俺の嫁2人にも色々変化があったらしい。
エメリアとはこの半年間一度も会っていない。
伝言もあれ以来、なんの音沙汰もなしだったが、
約一ヶ月前、グレンの準備ができたら迎えにきて、とユーリから伝言を受けとったのである。
エメリアの準備もできているようだ。
さぁ、半年振りに会う嫁を抱きしめにいこう。
せっかくなら、ユーリが帰ってきたタイミングで転移で向かおうか、とも思っていたのだが。
一度会えると思ってしまえば、自分が結局待ちきれなくなり、俺は翼を生やし会いに向かうことにした。
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翼を生やし、『龍霊峰』へと向かう。
黒い翼を生やし飛ぶこの姿を見られたら、きっと俺の方こそ悪魔扱いだな、なんて考えて飛んでいる。
徐々に周りは雲がかかってきていて、それを抜けるとやっと山頂が見えてきた。
あそこにエメリアがいるのか。そう考えているとうっすら音が聞こえてくる。
ドン、ドオォーーン・・・
地響きにも似た空間を震わすその音は、決して花火などではなく、
まるで龍同士の喧嘩の音のように聞こえた。
その音が絶えず何度も何度も鳴り響いている。
・・・山頂で何が起こっている??
急いで飛びながら、うっすら見えてきたその光景は、想像を絶するモノだった。
『二代目白狐龍』と激しく接近戦をしているエメリアが見えたのだ。久しぶりに見たその顔はとても楽しそうだ。
まさかこの爆音を出しているのが自分の嫁とは思わなかったがな。
空を飛んでこの光景を見ている人物に気づいたエメリアは破顔し、飛んで近づいてくる。
「グレン!!久しぶりですね!
この半年間・・・とても、とても会いたかったです」
「俺も会いたかったよ。
・・・随分と強くなったようだな」
「はい!バッチリですわ!」
そう言ってピースを向けた彼女の笑顔は、とても眩しいモノだった。
本日3話目です




