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〜親の気持ち〜

閑話


私の名はダルク=ラストリア。

カルバンシア帝国、主都のツバーナ、随一の剣の名家ラストリア家現当主であり、

強力な『心魂』の持ち主であったが故に、実兄2人を押しのけて当主になったという経歴を持つ。

また性格は穏やかではあるが豪胆と評され、自分の家の「魔法の力など不要」という決まりを、

「自分には必要だと思った」から学んだ男。

そういったこともあり両親とは軋轢があったが。


帝国では魔物の住む森に囲まれているため、騎士、冒険者の平均レベルが高い。

皆、『強い』と言うことが優先される国だとわかっているのだ。

強い者は評価されるこの国へくる。

この国にいるまだ弱いものは強くなろうと努力する。


そして冒険者、騎士含め、この国の武力におけるトップにいるのがラストリア家、シルフィーデン家だ。

彼らは常に努力を怠らず、強き者であろうとしてきた。

ダルクはその模範とも言える生き方をしてきたのだ。

街が危険なら先頭に立って戦うのがこの国の貴族の責だからである。


そして古い習慣に囚われないその考え方を王は評価していた。

彼の優秀さは実力にも、業績にも表れているとして、王の近衛騎士隊長の座につけてから、20年以上。登用された当時は、何かと忙しいが評価されるのは嬉しいことだ、と考えていた。


そして()()()()ももれなく優秀である。現在11歳だが、12歳での成人前の騎士登用もありえると噂される神童。

剣の腕はもうすでに一流。頭もよく、『心魂』もこの家にふさわしい炎系統のもの。しかもその潜在能力は全盛期の自分より上だろう。

彼がそのまま家を継げば、この家は安泰だ。



王が彼を評価をしてから、数十年。彼は段々と保守的な人間になっていった。

と言っても彼を責めることはできない。彼は常に実力を示してきたし、歳をとれば守るべき()()も増えていく。


彼にとっては、存在するはずのない()()の力のことなど、外に漏れるわけにはいかないのだ。


自分の地位、家の評判、残りの家族の生活、そういったモノのために()()()()()のだ。


切り捨てた側がいえることではないが、今でも思い出す。

次男に比べれば剣の才能はなかった。読みは良いが体の力をうまく剣に伝えられていない印象だった。

だが努力することは怠らなかった息子だった。

次男の方が後継にふさわしいと思い始めてからも、努力を評価していたし、一緒に汗を流した。



厄災とも呼べる『心魂』をみるまでは。



その力はこの国では忌み嫌われている力にそっくりなモノだった。

彼はそれを見た瞬間、全てを天秤にかけ、長男を切り捨てたのだ。

努力を怠らない息子だった。

魔法にも手を出して、強くあろうとしていた。

ほんとうに愛していたし、彼にとっては守るべきモノの一つだったのだ。



・・・もうこんなことを言える義理はない。だが。



どうかどこかで、元気でいてくれ。



本日2話目です。

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