〜龍王国ドラゴニア2〜
王との謁見。
それはある種予定調和だった。
万事滞り無く進んだと言っていいだろう。
姫と一軍が目撃していたこともあり、王を含め、話を疑うものはいなかった。
謁見から2日ほど時間をおいて、
公の場で、上位貴族位を授けられ、王授第一勲章というものを頂いた。
それに伴い、多額の報奨金と家を与えられた。その家はまさに貴族の家、と呼べる大きさのものだった。
自分たちだけでは到底持て余す。
家を与えるのに付随して、執事とメイドが募集され、すぐに募集は締め切ったらしい。あまりにも希望者が多かったということだ。
王から位を授けられ、勲章までもらう人間の従者はこの先安泰だと思われたらしい。
その中から上位貴族の家に使えるものとして間違いのない者を姫が直接選抜し、家に派遣してくれた。
家に住むのはもちろん俺、エメリア、ユーリの3名である。
もらった家を見たときは、3人とも驚きで開いた口が塞がらなかったな。
その後約1週間丸々かけて、王族、有力貴族との顔合わせも行った。
そして今に至る、というわけだ。
なかなかのハードスケジュールであった。
俺の目的は達成された。
誰に狙われることもない国へ移住できて、家も手に入り、信頼できる友人も一緒にいられる。
これほど完璧なことはない。しばらくは、ゆっくりしようか。
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ゆっくりするという時間の中で、この10日間ほどで、主都リュートを見て回った。
俺たちのいたカルバンシア帝国より明らかに栄えている。船での貿易が盛んな影響か、海沿いに商業関係の店が立ち並び、鮮魚店や八百屋等も多い。
全体的に背の高い建物が多く、多く取れる鉱石の影響か、鍛治屋が有名であるらしく、船を乗り継いでわざわざ買いに来る人間もいるらしい。
それから鉱石を使った装飾品の類も人気があるそうだ。
もちろん冒険者ギルドはあるが、魔物が住む森に囲まれているわけでは無いため、レベルの高い冒険者はあまりいないそうである。
「綺麗な街並みだな」
「そうね!3人でここまで来れて本当によかったわ」
「私も、今はついて回るだけですが、これからは足を引っ張らないようにがんばるであります!」
・・・この2人にはしっかりと恩を返さないといけないな。
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俺たちは一人一部屋を持ち、何不自由ない生活を送っている。
上位貴族といっても今の俺に特に決められた仕事はない。
何もしなくても、頂いた報奨金を使って、普通に生活しつつ、従者たちの給料も払い、3年ほどは暮らせる余裕がある。
ただ、いつまでもそんな怠惰な生活はしたくない。
ただ貴族となった今、偽名で登録した冒険者に戻るわけにもいかない。
というわけで、レイン姫にギルドを介さない冒険者のような仕事はないか、と聞いてみたところ、すぐに仕事を見繕ってくれた。
国が直接の雇用主となって、王宮御用達の物の材料を集めたり、冒険者ギルドで手に負えない魔物が出てきた場合などに対応したりする仕事だそうだ。
『国雇冒険騎士』
それが俺の新たな仕事になったのである。
みなさんこんにちは。今日1話目です。




