〜子どもたちの冒険〜
冒険とはまた唆られる響きだ。ワクワクする。
「わかった、すぐ準備してくるから待ってて」
「うん!!」
今は詳しくは聞かず、準備しに部屋へと向かう。動きやすい格好に着替え、腰に木剣をさし、母さんが作ってくれたお守りのペンダントをつけ、玄関へ向かった。
「母さん、エメリアと出かけてきます。暗くなる前には戻ります。」
「ええ、気をつけていってらっしゃい」
いつも通り、母さんに伝え俺は家を出た。
「で、冒険ってどこにいくの?」
「ふふん!内緒!」
そう言いながら俺の家の庭をるんるんと進んでいき、自分の家の庭へとつながる抜け道へと連れていかれる俺。そのままエメリアの家の庭をさらに進んでいき、徐々に森のような場所を抜け、石造りの壁に辿り着いた。よく見ると子供でないと通れないような穴が空いているのがわかる。
「冒険ってここに入るの?」
「そうだよー!」
「ふぅん、じゃあ行ってみよっか」
平静を保っているが、自分がウキウキしているのがわかる。冒険とか探検とかって大好きなんだ。
狭い穴を這いずって進んでいくと、また森の中に出た。拓けたところに出るのかと思ったら、また変わらないような森でちょっと拍子抜けしたのは内緒だ。
「これからどこにいくの?」
「こっちだよ!」
また彼女に手を引かれ、10分ほど進んでいく。そうしていくうちに潮の香りが鼻に飛び込んできた。それとほぼ同時に、ザザァーという音も聞こえるようになってきた。これはもしかして海か?そう思っていると、目に飛び込んできたのは、色とりどりの美しい花が咲き乱れ、その先に澄んだ海が見渡せる、まさに絶景と呼べるものだった。
「おお!すごい!綺麗だ・・・!」
「でしょーー!!!」
エメリアはこれを見せに連れてきてくれたのか。これはとても感動した。父さんや母さんも連れてきたいと思えるほどの景色だった。
「ここに連れてきたのにはもう一個理由があってね・・・・」
「ん?何?」
「プロポーズはここでして欲しいなと思って!」
「・・・・・・」
・・・ん?なんだいきなり、びっくりしたぞ。聞き間違いか?
「・・・まあそれは冗談として」
「なんだ冗談か」
盛大にびっくりした。俺たちはまだ4歳だからな。
「グレン、魔法の練習しない?その代わり剣を教えて欲しいんだけどね?」
本日2話目です。3話目ももしかしたら今日上げます。よろしくお願いします。