〜目的の地〜
「んで、どうやって俺の中に入るんだ?」
『無理やり入る』
「・・・え?」
そんなこと言われても俺はどうしたらいいの?
『何もしなくていい、立ってろ』
「・・・・・・え?」
急に眼前にいた白狐龍の姿が眩い光を放ち、次にブレる。
そして、どんどん存在自体が希薄になっているようにみえる。
『では魂を借りるぞグレン。
・・・レインよ、我が子と共に国を繁栄させよ。
20年ばかりの付き合いではあったが楽しかったぞ。
さらばだ』
光が収束し、俺の中に入り込んでくる。
眩いほどの光はやがて薄まっていき、そして
ドクンッと魂が震えた。
同時に急にやれることが倍増したような優越感が包み込む。
力がみなぎっている。
何ができるのか色々と試す必要がありそうだ。
話を聞く限り、この世界を襲う何かと戦う必要があるらしい。
少しずつ力を蓄えていこう。
そう思っていると、レイン姫とその一軍が俺に向かって平伏していた。
「龍を統べるものよ、我々の国に居を構えてはいただけませんでしょうか?
必ずや貴方様の国のようなことにはならないことを約束します」
話の内容はともかく、国のお姫様に頭を下げられたまま話されるのはむず痒い。
「頭を上げてください。
俺自体は大した人間じゃありませんから、普通にしてもらえると助かります。
それから居を構える、という提案ですが、受けたいと思います。
元々俺たちが山を越えようと思ったのも、こっちの国に移住しようと思ったからですからね。
なのでぜひ、よろしくお願いします。」
レイン姫は、ぱあぁっと笑顔を咲かせた。
提案を受けていただいてありがとうございます、と。
「エメリア、ユーリもう大丈夫だよ、こっちへおいで」
後ろへ下がるように言った2人が、遥か後ろの岩陰からひょこっと顔を出した。
呆気に取られた2人に朧げながら理由を説明した。
「やっと辿り着くのですね!わかりました!」
「わかりましたなのです!!」
2人の同意が得られたところで、俺たちは未知の国、龍王国ドラゴニアへ足を踏み入れるのであった。
本日3話目です。
また夜更新できればします。




