〜龍の器〜
白狐龍ーーそれは氷を司る龍。世界に7体しかいないと言われている最強の王龍の内、『白』の色を冠する龍。
この山を住処にし始めたのは20年ほど前。ずっとここを住処にしていた『黒龍王』からの頼みでここの住処を引き継ぐことになった。「この山より東の国は友好関係にある。守ってやれ」、と。
龍の中でも一つ飛び抜けた力を持っていた、『黒龍王』の頼みは断れず、引き受けた、と言うことらしい。
白狐龍がどこにいくのか、と尋ねると、こう答えたらしい。
「『龍王の器』がもうすぐ生まれる。我はそこに宿る準備をする。」と言ったそうだ。
山より東のアザフ=カバス王国改め、龍王国ドラゴニアの姫君、レイン=ドラゴニアは俺にそう教えてくれた。
約400年前、戦争になる前に黒龍に助けられたことを知ったその時の王国民は、とてつもなく感激し、
王自ら改めて感謝を述べに向かった。
自分たちの国を助けてもらってありがとうございます、
日頃から我が国が不自由のない生活を送っていけるのはあなた様とこの山のおかげです。我が民は皆感謝しております。これからも忠誠を誓わせてください、と。
その態度を見た黒龍は感心した。嘘を孕んでいない、と王を見て気付いたからである。
さらに自らやってきて感謝を述べた。
忠誠はいらないが、協力ぐらいはしてやろう、と思ったのだ。
それを聞いた王はさらに感激し、国名を改めた。
アザフ=カバス王国改め、龍王国ドラゴニアと。
そして自分たち王族の名前も変え、
さらに全国民にこの伝説は広まることになる。
この国の民である以上
『龍王様に限りない忠誠を』、と。
ドラゴニア王国はその誓いを400年に渡って守り続けている。
その対象から『黒龍王』から後を託された『白狐龍』に変わったとしてもそれは変わらなかった。
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「それで、貴方様は・・・?」
姫であるレイン=ドラゴニアが俺に尋ねた。
美しい金髪を綺麗に結いあげている。女性にしては長身の部類だ。
俺よりも何歳か年上だろう。
「俺はグレン。西のカルバンシア帝国の出身だ。
だが今は国から追い出された身で、冒険者をしている。」
「その辺り詳しくお聞きしてもよろしいでしょうか・・・?」
俺はここに至るまでにあった身の上話をした。
「・・・なるほど。そうであったのですね。
西の国とは愚かなのですね、このような英雄様を追い出すとは。
貴方様のその黒炎の力は白狐龍様の前身、黒龍王様の力。
黒龍王様の言われた『龍王の器』は間違い無く貴方なのでしょう。」
『その通りだ、この者の中には黒龍王がいる』
白狐龍が肯定すると、姫が引き連れてきた一軍がおおぉ、という声をあげると共に、俺を見る目に尊敬の色が混じった。
『そして我もその器に入ることになる』
「「「えっ?」」」
ここにいる全員の声が一致した。
「どういうことですか?」
俺が聞いた。
『我ら7体の龍王達は遥か昔、ある一人の人物によって世界を平定するため、生み出されたのだ。
彼和く、
「この世界を滅ぼす者が現れる時、
人の形をとった龍の器が現れ、
彼の者が龍王を束ね、それに対抗するであろう」
この言葉が現実になった以上、我は奴の中に入る
近く忍び寄る、滅びに対抗するためにな
・・・我の代わりのここの守護として、我が生み出す子を置いていこう』
レイン姫はこの言葉を聞き跪き、お礼を述べた。
「我らが忠誠の対象を残して頂き、誠にありがとうございます。」
「「「「「「ありがとうございます」」」」」」
一軍もそれに続いたのだった。
・・・俺そこそこ大事なポジションなはずなのに置いてけぼりな気がするんだが。
本日2話目です




