〜これから〜
「連れていくがいい。負けた以上もう私には何も言えない。
その代わり・・・エメリアを頼む。娘だけは幸せになって欲しいのだ・・・」
悔しいのか、情けないのか。
ラストアおじさんが涙を滲ませながら俺に言う。
・・・いやこれは違うな。自分の娘を心の底から心配しているのだ。
「ラストアおじさん。俺に出来る全力で、彼女を守ります。
彼女の助けも借りて、俺たちは最高のパーティになります。
俺の力を知っても、彼女はついてきてくれました。
孤独になりそうな俺を救ってくれたのは彼女なんです。
彼女に恥じない男になります。」
そう宣言した。
おじさんは黙って頷いた。
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シルフィーデン家と別れた俺たちは一旦宿屋に戻った。
今後の話し合いだ。
俺の中ではもうこの宿屋にはいられないと思っている。
この宿屋の人たちはとてもいい人たちだ。
それなのに、シルフィーデン家の面々が押しかけてきたことによって騒ぎを起こしてしまった。
2度目の迷惑はかけたくないというものだ。
こういうことが一度起こると、不安になるものだ。今居場所がばれているのが危ないんじゃないかと思えてくる。
俺を嫌う人間がどこにいるかわからない以上、こうなってしまっては宿も定期的に変える必要があると考えた。
この宿はみんな気に入っていたので残念ではあるが。
話し合った結論、もう山へ挑戦してみていいんじゃないか、という話になった。
が、そこで一つ問題が生じる。
山への挑戦が一発勝負になるかもしれないということだ。
なぜなら山に挑戦する上で一番近い街はカルバンシア帝国領、最東端の街、シルドニア。
そこ以外は拠点にするには遠すぎるのだ。
だがそこは「国から出て行け」と言われた俺にとってはとても危険な場所。仲間も皆危険に晒されるかもしれない。
そこは拠点にできない可能性が高い、ということだ。
拠点にできたとしても、俺の扱いによっては、バレた瞬間に追っ手が・・・という可能性も十分ありえる。
難しい話だ。
が、難しく考えていたのは俺だけのようだ。
「今の私たちなら山へもいけると思うけど・・・?」
「僕も最低限自分のことは自分でやれます!」
「そうよね!あとは事情を知っている人間に見つからないように山へ行くだけね!」
「そう思うなのです!!」
・・・楽観的だ。一発勝負か。大丈夫だといいが。
背中を預けること自体は不安はない。巨大な何かに巻き込まれた時守り切れるか心配な俺だった。
結局彼女達の意見を採用し、出発することにした。
お世話になった人たちに挨拶をし、宿屋を出たのだった。
こんばんは、もう1話上げます




