〜決着〜
『塗り潰せーー黒龍神』
この感覚は久しぶりだ。自分の力が圧倒的に底上げされるこの感覚。
黒炎を纏い、右手に黒刀、左手に黒の籠手を装備したこの姿はとてつもなくプレッシャーを放っている事であろう。
「あれ・・・ここは・・・あなたは・・・?」
そんな中、青色の髪の女が目を覚ました。
俺はそいつの方は見ず、エメリアがいる箇所を指をさした。もぞもぞと動いているのでちゃんと生きているのは分かっている。
「お前を助けようと飛び込んだ俺の仲間が、やられてそこにいる。この回復薬を使ってやってくれ」
そう言って瓶に入った高級な回復薬を渡す。
この女の顔を見ないのはエメリアがやられたのはこの女のせいもあると思ってしまっているからだ。
今のイライラをぶつけてしいそうだった。
「早く行け」
「・・・は、はいっ」
小走りでエメリアに駆け寄っていった。
さあこれで邪魔者はいなくなった。
殺してやる。全力をぶつけて。
この姿になってから牛馬獣が怯えているように見える。
が、そんな相手の心情を考慮してやる必要はない。
目の前にいるのは俺の獲物なのだから。
俺は歩みを止め、黒刀を地面に突き刺した。
『龍の心臓』
体の中から力が溢れ出す。今全身を纏っている黒炎が何十倍も濃密なモノに変わった。
俺の魂がすり減っていくようなこの力。そんなに長時間は使えないが、俺の力を何十倍にも高める。
元の俺の力ではない。心魂の力を発動した状態の俺の力を、だ。
俺はゆっくりと歩いて、彼我の距離を縮めていく。
ガクガクと震えているように見えるぞ。
安心しろ。いたぶる趣味はない。
体から力を絞り出す。滲み出てやがて溢れ出した力を両手に集める。そして敵に掌を向け力を放つ。
この技の名は、
『黒焔砲』
手から放たれる前触れのような、キュイイインという音から一転、小さな掌から出されたとは思えない程の大きさの「黒炎のビーム」、というべきものがゴオォォという音とともに、前方にある全てのものに、襲いかかる。
龍のブレスを模した、今の俺の最大の一撃。
その一撃は牛馬獣を消しとばし、湖も飲み込んで、軌道上にあった奥の森を消しとばした。
軌道上に残ったのは牛馬獣の魔石と灰色の世界のみだった。
また明日上げます。




