〜拒絶〜
「・・・・・・・・・・・・」
父が見たこともないほど驚いた顔をしている。
「・・・父上、これが俺の心魂の力です。実は前から使えるようにはなっていたのですが、父上やグラド達、そして一族のものと違うので、中々言い出せませんでした。黙っていて申し訳ありませんでした。」
父上は固まっている。何も言ってはくれない。
「・・・父上?」
「・・・すまん。家から出ていってほしい」
・・・父上が絞り出すように出した言葉は、俺が想定していた中で最も最悪の言葉だった。
「聞き間違いではないのですよね・・・すみません。一応理由を聞いてもいいでしょうか?・・・確かに一族とは違う力ではありますが、俺のも炎ではありますし、剣も弟ほど才能はありませんが努力してきました。ある程度はできるつもりですし、足りないならさらに努力もします・・・」
「違う!!その忌々しい力は私たちとは似ても似つかぬものだ!!
・・・すまないが我が家はもうお前を息子とは認識できない」
・・・完全な拒絶だった。何がそんなにいけなかったのか。この力がなんなのか。聞きたいことは山ほどある。何から言えばいいか迷っていると、父は後ろを向いて歩き始めてしまった。
「・・・父上!!」
「・・・お前、髪の一部が白く染まり始めているぞ。自分で気づいているか」
「・・・それがどうかしたんですか?」
「もういい。このことに関しては口にも出したくない。明日には出ていってくれ。
もう今日からお前はラストリア家の人間ではない」
拒絶され、もう何も口にできなかった。
3話目です。また明日更新します。