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心魂と魔法と剣の世界 〜やがて世界を守る龍騎士へ〜  作者: 澪
第1章 少年期〜青年期冒険編
13/82

〜6年間〜

青年期始まります



俺はグレン=ラストリア、この国の貴族であるラストリア家長男で、父の名はダルク、母の名はエレンだ。今年で12歳になった。成長するにあたって少し頻度が減ったが、隣家のシルフィーデン家ーー主にエメリアーーとは良好な関係が続いている。


ちなみに余談だが、シルフィーデン家の庭から森へ抜けて通っているあの花畑の場所は、この国の領地ではあるが、整備されていない城壁の外に位置していることがわかった。「子供でやっと通れるあの場所」が城壁の綻びなんだとそのうち気づいた。つまりそれより外は魔物と遭遇する可能性がある場所、ということだ。実際に遭遇したしな。今は通るたびに土魔法を使って埋めるということを繰り返している。


そして俺には今弟がいる。彼の名はグラド=ラストリア。今はまだ6歳であるが、この国でトップに位置する剣の使い手である、父も認める剣の天才。俺と違い魔法は練習してはいないと思うが、剣の腕ではもう俺と互角ぐらいまできている。12歳と6歳という歳の差にもかかわらず、だ。


そんな彼を父はとても気に入っている。剣の才能がずば抜けていることがわかった時からそうだったが、彼は4歳にして『心魂来臨』を使いこなしてしまった。そこからは目に見えてグラドを可愛がるようになった。後継にふさわしいと思ったのかもしれない。さらにいうと6歳という年齢なのにも関わらず、もう縁談話もきているらしい。すごいことだ。


そういう背景には少なからず、俺への見限りもあったかもしれない。俺は6歳前に『心魂来臨』を初めて使ってから、使えるようになったことを、()()()()()()()()()。対外的には12歳になってもまだ『心魂(アニマ)』の力が使えない人間だと思われている。だが別に父も俺のことを嫌っているわけではないとは思う。最近も剣の稽古はいつも3人ーー俺、父、弟ーーでやるようになっているしな。



少しの間黙っていようと思っていたら、6年も経ってしまったのは俺のミスだ。そのうち言わなければならないとは思っていたが、結局言えずじまいでズルズルきてしまった。心魂の力が使えない長男と、6歳下で剣の才能があり、心魂来臨まで使えるようになった次男。俺も父の立場なら次男を後継として育てようと思うだろう。客観的に見たらそうなるのはわかる。だからそこに文句はない。貴族の地位を継ぐのが俺でなくてもいいし、こだわりがないからだ。



この6年で色々と変化したことの1つにエメリアへの気持ちがある。俺は今、エメリアをはっきりと異性として認識しているのだ。この6年も変わらずずっと一緒にいたし、向こうもなんとなく俺を好いていてくれている感じがする。・・・俺の勘違いでなければいいが。

そんなこともあり、少しずつ自分の強さにはこだわるようになっていった。父のように、と言う気持ちももちろんあるし、彼女を守れるようになりたいと思ったからだ。



俺としての最大の問題はこの力を見せて、家から追い出されないかという心配だ。この家に生まれる男児は皆、1人も例に漏れず、炎系統の心魂を宿して生まれてきている。それがこの家の()()なのだ。



『剣と炎の心魂来臨』それが「ラストリア家」である証なのである。名家であればあるほど、その印象は大事なものなのである。




このまま何も明かせないままいると、どんどん自分の首を絞めていくような気がしていた。

俺は10歳を超えたあたりから父に明かそうと決意し、そのタイミングは12歳になってから、と決めていたのだ。



なぜ12歳か、それは12歳という年齢から冒険者と言う職業に登録できるからである。主に魔物と戦うのが仕事であり、国に認められている立派な職業である。仮に追い出されるような結果になったとしても、なんとかやっていけると考えたからだ。


俺はついにその時が来た、と身を引き締め、ある場所へ向かった。



遅くなりました、本日1話目です。

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