表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
心魂と魔法と剣の世界 〜やがて世界を守る龍騎士へ〜  作者: 澪
第1章 少年期〜青年期冒険編
11/82

〜アニマ〜


『思い出したか』

「うん・・・俺死んじゃったのか?」


恐る恐る檻の中にいる()()に尋ねる。


『死んではおらん。だが腕は飛び、死が近いのは確かだ』

「・・・そうか、くそ。俺まだ死にたくない。もうすぐ兄になるんだ。それに・・・負けたくない。強くなりたいんだ。俺が憧れた父は屈することのない剣士なんだ。俺もそうなりたい」


『・・・我が力を使えば、生き残ることはできる。が、人の身で我の力を使うのは代償もあるかもしれんぞ』

「どんな代償なんだ?」

『・・・・・・』


これには答えてくれない。でもこんなところで死にたくないのだけは確かだ。死ぬぐらいなら代償がなんであれ生きることのできる道を選ぶか・・・?


「・・・・・・・・」

『どのみち時間はないぞ、あの人獣狼(マーマンウルフ)は待ってはくれないからな』

「!!・・・・・・わかった力を貸してくれ。」


考えている時間はないようだ。


『よかろう、存分に力を振るえ』


その言葉と同時に俺の体に生命力が漲る、そして自分の体とは思えない圧倒的な力。魂が震えている。これが俺の心魂(アニマ)の力か。今ならなんでもできる気がする、全能感が心を満たした。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



目を覚ました。ちょうど()()がこちらに向かって歩いてきていた。それを確認したあと、自分の体を見る。やはり右腕はない。血がドバドバ出ている。が、不思議と痛みはない。


やることは決まっている。教えてもらってないのに頭に浮かんでくる。いくぞ。



心魂来臨(ここんらいりん)、塗り潰せーー黒龍神(ドラゴネグロ)



「ぐうぅぅ・・・」その苦悶の言葉と同時に、俺の()()()()()()()()、に黒い炎がまとわりつく。神経が一本ずつ引っ張られるような、形容し難い鋭く断続的な痛みを味わいながら、腕の感覚が戻っていくことにびっくりしていた。やがてそれも収まり、黒い炎は全身に巡ってくる。熱さはない。

その後、右手に握られるように真っ黒な黒刀が姿を現した。これが俺の『心魂(アニマ)』の力か。

力を身に纏うと同時に心臓が鷲掴みにされたような痛みが走る。



直感的に理解した。これは強すぎる力だ、と。そして今の俺ではそう長く使えない、と。



なら短期決戦だ。早く仕留めるしかない。俺は目の前にいる人獣狼(マーマンウルフ)に視線を向ける。そうすると不思議だ。相手が恐怖しているようにみえる。自分がこの力が扱えるようになったからか?とにかく油断は禁物だ。


身体強化を再度纏い、『心魂』の力を今できる最大限に引き出す。そして剣を腰に納刀するように構え、こう叫びながら横に振りきる。



黒焔一閃(ネグロマルス)



俺が放った斬撃は燃え上がりながら飛ぶ、燃える黒い斬撃となり、切り裂いた。

斬撃はあまりに鋭く、切られたことに気づくのを許さなかった。斬られた後、その切り口から発火し、燃やし尽くした。



・・・これが俺の力か・・・でも、もう限界だ・・・・・・・



その光景を見送ったあと俺はまた意識を手放した。



明日またあげます。よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ