〜4歳、父を目指して〜
少年期、始まり
ここは、剣と魔法の世界
だがこれらよりもさらに世界の根底に根付いているのは、「心魂」
この世界で「心魂」とは、あるいは「神」であり、あるいは「自分自身」なのである。
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コンコン
「失礼致します。」
ノック音と共にそう言いながら俺の部屋に入ってきた彼女は、綺麗な碧色の髪をきっちり整え、メイド服に身を包んだ、名前はアメリスだ。
「ああ、おはよう」
「おはようございますグレン様。」
そんな毎日の日常ともいえる会話をする俺は、「グレン」こと、グレン=ラストリア、
一般的に珍しいとされる黒髪と真紅の瞳が特徴の家系である、ラストリア家の長男として生まれ、我ながら健康ですくすくと育ち、現在4歳になった。
ちなみにアメリアは俺が産まれた時からの専属メイドだ。
現在時刻は朝の5時半、どうしてこんなに早い時間に起きているかといえば・・・
「グレン、時間だぞー!」
この大きい声の主と朝の鍛錬をする時間だからだ。
「今行きます、父上!」
この時間をとても楽しみにしていた俺は、準備に怠りが無いか確認し、父の元へ向かう。
俺が家の庭までいくと、木剣を持ち軽く素振りをする男の姿が見えた。俺と同じ黒髪、服の上からでもわかる程よく鍛えられた肉体を持つ彼がこちらを向き、その真紅の瞳が俺を捉える。俺の父であるダルク=ラストリアだ。
「時間通りだな」
「はい!」
「元気にしていたか?」
「はい!」
「そうか、それはよかった」
こうして話すと、どれだけ自分が久しぶりの父との時間を楽しみにしていたのかわかる。父は忙しく、特段遊んでもらったという記憶はない。記憶にある限り、父と過ごす時間は鍛錬の時間ばかりだ。
しかし父の強い部分に憧れる俺にとっては、その時間は最も幸せな時間だ。
「では鍛錬を始める」
「はい、お願いします!」
そうして素振りから始まり、剣の型の練習をし始めた。一緒になって汗を流し、一旦落ち着くと、父が言ってきた。
「1人でやる鍛錬はどうだ?うまくできているか?」
「素振りや、型の練習には問題なく励んでいます」
一拍置いて、
「では、あちらの方は?」
「そちらも集中して入れるようにはなってきています」
そう答えると父は微笑んだ。
「そうか!さすが私の息子だ。お前には才能がある。鍛錬を怠らず、これからも励め」
「はい!」
こうして幸せな時間は過ぎていった
書き始めました、まったりやります。よろしくお願いします。