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ママとビキニと、かわいい英雄  作者: 身から出た鯖
第1章 アイナママは、もと【聖女】
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007 なんて中二病っぽいんだ!

「ふむんっ 街にいくの、楽しみ~」


 ごろごろごろ~


 アイナママとのおはなしの後、ぼくはわくわくするキモチを押さえきれなくて、ベッドの上で何度もごろごろしちゃう。


「もちろん、初めての街もおもしろそうだけど~」


 今回は、とにかく初めてづくしのコトがいっぱいだ。


「まずは……馬車に乗れるでしょ?」


 すっごいイナカにあるうちの村に、定期便なんてあるはずないし?

 だから街に買い出しにいく荷馬車に、乗せてもらうことになったんだ~

 ちなみに馬車といっても、それほど速くはなくて、


「人があるくよりはちょっと速いっていうから……ジョギングくらい? それでも歩かなくてすむから、らくちんらくちん」


 勇者時代に乗った馬車は4頭建ての立派な箱馬車で、それこそ数時間走る毎にお馬さんを交換するという贅沢なものだった。

 速度もかなり速かったし、魔法アイテムのおかげで乗り心地もよかったけど?

 あの時はとにかく殺伐とした旅だったから、あまりいい印象ないなぁ。


「それに、アイナママと一緒☆ これってデートみたいだよね~」


 もちろんアイナママとはいつもおうちで一緒にいるけれど、家事やお仕事でいつも忙しそう。

 だけど今回は、馬車で移動する間はなにもすることがない。


「だからアイナママといっぱいお話しできるぞ~ んふふ♪ それにごはんも一緒に食べれるし? しかもお肉 すっごい楽しみ~」


 この異世界の暮らしでは、お肉はいわゆる贅沢品。

 というかぼくの村では、川や湖でとったお魚を食べるのが一般的だし?


「お肉はお祭りの時くらいしか、いっぱい食べられないもんね~」


 秋の終わりに収穫祭をするんだけど、その時に村でブタさんを何頭か買うんだ。

 そして解体して料理して、みんなでワイワイ食べて……残りは塩漬けにして、冬の間にちょっとづつ食べる。

 ふだん食べてるお魚も、ごくたまに捕れる獣肉も、基本的には塩漬けにして保存食にするのが普通。

 すぐに食べたりせずに保存して、少しづつ食べるモノなんだ。


「でも? 大きな街なら……むふっ」


 イナカの村とは違って、街ならいつでも食肉が手に入る。

 だからお店でお肉を食べることもできるんだ~


「あとは…ミヤビさまの【守りの加護】ああ、ほんとうによかった」


 もちろん加護をくださったミヤビさまがいちばんすごいけど?

 それを願ったぼくも、ちょっとはホメてもらいたい!


「というか、魔王はいなくなったけど」


 それでも魔物は相変わらずいて、人を襲う。

 それに魔族が、人族の砦とかにちょかいを出してくることもあるみたい。

 だから冒険者のお仕事はなくならないし、それで死んでしまう人だっていっぱいいる。

 けど、女性冒険者の死亡率は激減した──とミヤビさまは言ってくれた。


「冒険者ギルドのある街に行けば、それも見られるっていってたし? どんな防具だろな~ もしかして【お守り】っぽいアクセサリー系かな?」


 そしてなんといっても楽しみなのは~


「やっぱり、ぼくのスキルだよね!」


 アイナママも言ってたけど、ぼくの産みのママ、ステラママはすごい魔法使いだった。

 だからひょっとしたら? 男のコのぼくにも、魔法のスキルがあるかもしれない。


「魔法スキルがあれば、チカラに自信がないぼくでももっと強くなれるかも? あー 魔法剣士っていうのもロマンがあるなぁ」


 もちろん剣の練習もしてるけど、イマイチ筋力とか防御力とか、オトコらしいチカラが付いた実感がない。


「それに転生してからは、いちども魔物を討伐してないしなぁ」


 半人前だったぼくには許されてなかったし、そもそも村から出られなかったので、その機会もなかったワケで~


「でもひょっとして……スキルがあれば、それも許してもらえるかも?」


 筋力がなくても攻撃魔法が使えれば、それで魔物を討伐できる。

 そうすれば、ぼくも一気に強くなれるんだ!


「それにはまず、どんなスキルがあるか調べてもらわないとね~」


 面白いもので、そのスキルを【所持している】という自覚がないと、それは使えないことが多い。

 だからそれまでは使えなかった技術も、スキルの所持を知らされただけで、いきなり使えるようになった!

 な~んてハナシもあるっぽい。


「だから、ギルドで調べてもらうのか~ 勇者時代は自分で調べられたから、そんなの知らなかったなぁ」


 そう、ゲームや小説なんかでいう【ステータスオープン!】っていうアレです。

 ぼくも前世では、その魔法が使えたんだ。


「そう、魔法だったんだよね、ぼくの場合」


 この世界にはいろいろな魔法があって、アイナママが使うのは、神官の【神聖魔法】。

 祈りによる神の奇跡を発動させるもの──とされていて、その効果は回復系をはじめ、聖防壁や支援系魔法とかがある。


「ステラママが使ってたのは~」


 大気中の元素に、直接はたらきかけて発動させる【元素魔法】。

 【土】【水】【火】【風】の4つの元素を魔法で操って、なにもない所から火や風を生み出す魔法だ。

 基本的に『敵に叩き付ける』事でダメージを与えるのが原則です。


「あとは……」


 精霊のチカラを借りる【精霊魔法】なんかもあるし、魔族が使う魔法とかもあるらしいけど?


「そしてその中でもいちばんアレなのが、【勇者魔法】だよねぇ」


 勇者魔法。

 それは、魔族と魔物を憎む神々が、【対魔王】のスペシャリストである【召喚勇者】にのみ与えた魔法。

 とにかく【魔王を倒す者】の使命に特化しているので、それはもうメチャクチャ強力でチートっぽい魔法ばかり。


「そのひとつが、ステータスの魔法なんだけど」


 その魔法は──【万物真理(ステータス)

 ちなみに【四文字熟語に英語読み】が勇者魔法ネーミングの基本です。


「勇者魔法は他にもたくさんあるけど、この【万物真理(ステータス)】だけでも異世界転生&チート小説が1本書けちゃうよねぇ」


 ちなみに魔力の消費もないから、勇者時代はなにかと便利にサクサク使っていたけど、


「アイナママによると、普通はステータスを調べるのってホント最初の時だけみたいだしなぁ」


 普通の冒険者は、ギルドに行かないとステータスは調べられないし、しかも有料なので初めての時以外はまず調べることはないっぽい。

 だからHPやMPの残量とかは、その人の経験と感覚で掴むモノなんだって。


「やっぱり勇者って反則だよねぇ ええと【万物真理(ステータス)】! なーんて──」


 パッ!

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・名 前:クリス(人族)

・性 別:男

・レベル:LV63

・状 態:正常

・H P:102544/102569

・M P:29/29

・スキル:【剣術:LV87】【槍術:LV81】【弓術:LV72】【抜刀術:LV87】

     【盾術:LV83】【斧術:LV80】【鞭術:LV71】【格闘術:LV77】

     【体術:LV82】【暗殺術:LV85】【隠密:LV84】【投擲:LV82】

                            下画面があります▼

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「えっ! なんで使えるのぉっ?」

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