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ママとビキニと、かわいい英雄  作者: 身から出た鯖
第1章 アイナママは、もと【聖女】
14/92

014 ぼくのおちん○んが…ない?

(あ、ぼくクリスです)

(前世では魔王と相打ちになって死んじゃったので? おちんぎん、もらってませんでした! てへっ)


 ……まぁ、死んじゃったしね?

 衣食住と必要経費はもらってたしね?


(そういえば召喚勇者のおちんぎんって、どんなんだろ? アイナママに聞けばわかるかなぁ って、聞けないけどね)


 前世だったら、スマホで何でも調べられたんだけど、さすがに勇者のおちんぎんはわからないだろうなぁ

 ちなみに前世のぼくが召喚されたとき、持っていたスマホ。

 実はぼくの【異空収納(インベントリ)】にまだ、入ってたりする。


(もちろん電池切れで使えないけどね)


 そう考えるとスマホってホント、べんりだったんだなぁ

 ぼくのステータスさんでも調べられたらいいのにー


(【万物真理(ステータス)】、召喚勇者のおちんぎんってどんななの? なーんて──)


 パッ!

-------------------------------------

【召喚勇者の報酬】

 出典:万物真理事典『ステペディア(stapedia)』


 この世界における召喚勇者の報酬は、以下の2通りに分類される。


・この世界に残留し、相応の立場と財産を与る。

・金塊や宝石などを与えられ、元の世界(現代日本)に戻る。


 残留した場合はおおむね領地なしの貴族【勇爵】となるが、その爵位は一代のみ。

 ※相応の屋敷と、子爵相当の貴族年金が支給される。


 帰還する場合、転送の都合上、財宝は【己で持てるだけ】が条件となる。

 ※ただし、大量の金塊・財宝を得ても、現代日本では換金が難しいと思われる。

  また人物や生物なども連れて帰る事は出来ない。

  マジックアイテム類も、マナの少ない地球では使用が難しいと考えられる。

-------------------------------------


「調べられるの!?」

「はい? クリスくん、なにを調べるのでしょうか?」

「あ、いえっ なんでもないですぅ」


(いけない、思わず声にだしちゃった。でもぼくのステータスさん、すごすぎない?)


 ◇◆◆◇


「こほん、続きを説明してもよろしいですか?」

「あ、お願いしますぅ」

「では──そうしたギルドによる業務のあっせんですが、基本的にはすべて【自己責任】となるのが現状です」

「じこせきにん」

「つまりギルドから受けたお仕事で、その冒険者がケガや病気・もしくは死亡したとしても、ギルドは責任を負わない── という事です」

「あー」


 そりゃそーだよねぇ。

 そんなのを保証していたら、あっという間にギルドの金庫が空になっちゃう。

 そうでなくても冒険者は、ハイリスク・ハイリターンだし?


「もちろんギルドといたしましては、その過去の経験と実績から業務内容の難易度を想定し、その方の【レベル】に応じた、比較的安全に達成できるであろう業務、そうしたものをご紹介しているのが現状です」

「なるほどー」


 つまり『あなたのレベルなら、これくらいのお仕事ならいけそうですよー』

 って、教えてくれるわけだ。


「そして現在当ギルドでは、その方の持つレベルに応じて、こちらの【等級】に寄る分類を採用しております」

「ええと?」


-------------------------------------

 等 級  レベル  通 称

・7等級:LV.01~04 入門者

・6等級:LV.05~09 初心者

・5等級:LV.10~19 中級者

・4等級:LV.20~29 一人前

・3等級:LV.30~39 上級者

・2等級:LV.40~49 達人級

・1等級:LV.50~   英雄級

-------------------------------------


「この7つの等級に分類されていますが、実際には右の【通称】で呼ばれる事が一般的ですね」

「ほうほう?」

「今まで魔物、もしくは魔族を討伐した事のない方は、もれなくレベル1からのスタートです」

「ですよねー」

「そしてこちらのアイナさんこそ【1等級】、【英雄級】のお方なんですよ?」

「アイナママ、すごいや」

「うふふ、恥ずかしいわ」


 って、もちろん知ってたけどね~

 でもいまこの大陸に、レベル50以上の英雄級の人は、アイナママを含めて2人しかいない。

 それだけ英雄級ってすごいことなんだ


「そしてこちらの等級を目安として、依頼業務を斡旋させて頂く事になりますが、その方の等級の【ひとつ上】の業務まで、お受け頂ける事になっております」

「ひとつうえ?」

「ええ、しかし先程申し上げたとおり、あくまで自己責任となりますが……」

「な、なるほど」


 やっぱり、そんなハイリクス・ハイリターンのお仕事を、『やりたい!』って人が多いんだろうなぁ


「えー、ただし本来はその等級に満たない場合でも、結果的に依頼達成してしまった場合は、その限りではありません」

「ええと?」

「本来、その方の等級では勝てない、と設定している高レベルの魔物と遭遇したとします」

「あ、はい」

「これはギルドとしては、討伐行為を推奨いたしかねます」

「ですよね?」

「ですが、これをなんらかの理由で倒してしまった、とします」

「すごい」

「この場合、ギルドとしては推奨しておりませんので、本来はその方に厳重注意──お説教しなくてはいけません」

「あぶないですしね」

「そして依頼を通していない上に、等級以上の討伐になりますので、原則【報酬半減】です」

「きびしい」

「ですが? 実績は実績です。実際は、担当者の采配により見逃される場合が多いですね」

「やさしい」

「もちろん、きちんとお説教はしますよ?」

「はぁい」


 そんなやさしいことをいってくれるアマーリエさん。

 ホントは、いっちゃいけないかもだけど?

 アイナママもニコニコしてるから、みんな知ってることなのかも?


「そして当ギルドに所属する冒険者の方には、社会貢献として依頼業務を定期的にこなすノルマがございます」

「ノルマ?」

「魔物や戦いと関係のない、一般の方々への配慮と奉仕・貢献、ですね」

「あー(察し)」


 なるほど。

 さすがに【英雄級】までいけは、話は別だろうけど?

 そうでない人たちにしてみれば、冒険者はやっぱり怖く見える。

 じっさい、チンピラと変わりない冒険者もいるし?

 そのあたり、身近なところで役に立つところを見せとこう。

 そんなかんじかなぁ。


「もちろんこれはギルドからの【お願い】でありますので、お断り頂いても構わないのですが」

「え? いいんですか?」

「ですが、それを否定し続けますと、ペナルティが発生します」

「ですよねー」

「そしてあまりにもあからさまな場合は、ギルド追放も有り得るのでご注意を」

「きびしい」

「もちろん自らお受け頂ける場合に関しましては、先程の等級の問題に触れない限り、なにも問題はございません(ニコっ)」

「な、なるほど」


 つまり、【あんましお願いをサボるとクビだよ?】ってことだね?


「そして最後に、ギルドが取り締まるべき犯罪行為についてご説明します」

「あ、はい」

「本来、当ギルドには犯罪に関する捜査権や逮捕権はないのですが……その対象が当ギルドに所属する冒険者にのみ、それを有する事になります」

「ええと?」

「ギルドに参加するなら、悪い事をするとギルドがおしおきしますよ? という事ですね」

「わかりやすい」

「うふふ、クリスくんも理解が早いですね。さすがです」

「えへへ」


 ほめられちゃった♪


「もちろんその犯罪行為の重さにより、罰則は変化しますが……原則的に相手を傷害した場合は、罰金及び強制労働となります」

「きびしい」

「そして殺人や強盗、放火などの重犯罪の場合、死罪か鉱山送りとなりますね」

「もっときびしい」

「そしてその場合、当ギルドがその冒険者を庇護することはまずあり得ず、むしろ積極的に取り締まることになりますね(ニコっ)」

「は、はひぃ」


 うーん、きびしい。


「そして当ギルドといたしましては、冒険者同士の【私闘】を原則的に禁止しております」

「ケンカはダメですね」

「はい。ですが、実際には【見て見ぬふり】をする事が多いですね」

「あー」


 冒険者、ケンカ多いですからね。


「しかしその場合でも、【抜刀】または【攻撃魔法の発動準備】などの【殺傷可能な武器】を使用した場合は、その限りではありません」

「ですよね?」

「はい。相手を傷害、もしくは殺害の意志があるとみなし、処罰の対象となります」

「おー」

「そして、それを返り討ちにすることは、自衛の為に認められています」

「かえりうち……」


 これはぼくも前世で知ってたけど?

 この世界では【武器を抜いたら殺し合い】なので、抜かれた方には、自衛のために【返り討ち】にする権利がある。

 つまり、


(剣を抜いてきたら、相手を殺しちゃっても罪にならないんだ)


 そしてぼくは、勇者時代にもうそれを経験してる。

 【同じ人族同士、話し合えばわかりあえる】

 そんな甘い世界じゃないんだ、異世界は。


 ◇◆◆◇


「さて、簡単ではありますが、以上が当ギルド加入に関するご説明となります。なにかご質問はありますでしょうか?」

「いえ、とってもわかりやすかったです。ありがとうございました、アマーリエさん」

「うふふ、どういたしまして。クリスくん」

「えへへ」」

「では、こちらに触れて頂けますでしょうか?」

「あ、はい」


 でた、ステータスの検査マジックアイテム!

 そこには、さっきの入会書類と同じくらいの大きさの板があった。

 周囲には複雑な模様がいっぱい描いてあって、これにふれるとステータスやスキルが浮かび上がる……って感じかな?


(ええと、【万物真理(ステータス)】、これ【偽装】できる?)


 今までこんな聞きかたをしたことはなかったけど?

 さっきの件もあるし? なんだかいけると思って聞いてみた。

 そうしたら、


 パッ!

-------------------------------------

【ステータス検査ボード(人族用)】

種 別:マジックアイテム

制 限:無制限

価 値:金貨2枚

性 能:人族が触れることで、対象の人物の【名前】【性別】【レベル】【状態】

    【HP】(ヒットポイント)【MP】(マジックポイント)【スキル】などを調査・表示することが可能。

    ただし一定の時間(およそ一昼夜)の経過で、記録は消えてしまう。

    また別の人物が触れることで、その記録は上書きされてしまう。


    対象は【人族】のみ(亜人に関しては別の検査用具が存在する)。

    その対象者の状態に関わらず調査は可能。

    ただし死者には使用出来ない。


特 記:【万物真理(ステータス)】にて任意の状態に偽装可能。

    現在設定中の偽装状況を、このアイテムに適用しますか?

    【はい/いいえ】

-------------------------------------


(おーう、さすがはぼくのステータスさん。ええと、【はい】でおねがい)


 その有能すぎる結果に満足しつつ、ぼくは検査アイテムに手を乗せる。

 すると──


「はい、ありがとうございます。こちらにクリスくんのステータスが表示され──えっ!?」


 浮かび上がる文字を見て、アマーリエさんが驚いた声を上げる。

 でもそこに表示されてるのは、ぼくが偽装した数字やスキルで間違いないんだけど?


(えっ ぼくなにか、やっちゃいました?)

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