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転生しました

僕は17歳で死んだ。

そして、僕は、自分が生まれ変わったことを知った。

おそらくここは日本ではない。

周りに居る彼らの話す言葉も分からない。

僕はおそらく転生したのだ。


母親だと思われる人物に抱かれることは心地よかった。

しかし、それ以外の全ては僕にとって針のように痛く不快に感じられた。


僕は生まれたばかりの赤ん坊で、視力は日に日に良くなっているが、まだ光や炎を眺めると目が痛くなった。

体は満足に動かせない。

空気を吸い込むと喉と肺が焼けるように痛くなる。

そして、すぐに眠たくなるし、すぐに腹が減る。

寝ているときと、母親の母乳を飲むときだけが、一瞬の幸福だった。


光、音、空気に漂う塵、炎に群がる虫、僕を包む粗い布、すべてが不快だった。

目や耳の中、喉、肺、皮膚、外界に接する僕の全ては、すぐに痛くなる。

しかしその痛みは、少し寝ると消えてしまう。

そして起きると再び体が痛くなる。

しかし、再び寝るとまた痛みは消えてしまう。


この繰り返しが、成長なのだろうか。


生まれ変わったことは、まったく嬉しくなかった。

世界は不快に満ちていた。

ただそれだけを思いながら、僕は日々を過ごした。

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