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『9話 魔導書を接着』

『9話 魔導書を接着』


 エテルナとの楽しいひと時は終わり。

 直ぐに引き離されたが、エテルナの体の柔らかさは手に残っている。

 いや、そんな考えは頭から消し去るべきだ。

 ファイア魔法での魔導書は成功したので、次はウォーター魔法でも実験してみたい。

 魔導書の研究と実験に意識を集中しよう。

 なぜならファイアでは成功してもウォーターでは失敗とかあり得るからで、ウォーターも二冊あるから同じ実験を試す。

 同じように一冊はそのままで、もう一冊を分解する。

 ウォーターの強化術式コードは



○○○○○○○○○○○○○

 水の強さを強くします

○○○○○○○○○○○○○



 であった。

 予想通りではあったが読んでみると思わず笑ってしまう。

 こんな単純なコードでいいのかとね。

 そしたらまたもホットメルトの出番で、同じように接着してみて完成となる。

 少し時間をおいてホットメルトが乾燥して乾くと一冊となり、期待して中身の術式文を読んでみる。



○○○○○○○○○○○○○

 水の強さを強くします

 水の強さを強くします

○○○○○○○○○○○○○



 またも成功して笑顔がこぼれそうになります。

 さらに魔導書の表題は、



○○○○○○○○○○○○○

 ウォーター魔導書レベル2です

○○○○○○○○○○○○○



 やはり成功し、レベル2は完成していて、ウォーターでも結果は出る。

 同じやり方で作業し同じ物が完成するとなれば、どの魔導書でも通用すると考えていいだろう。

 

「どう?」

「うん、成功だよ。ウォーターでも成功したから、他の魔導書でも全部使えるだろうね」

「やったね!!!!!」

「おおおおおおおっ!」


 またも抱きつきありに、俺は顔が真っ赤になっている自信がある。

 これって成功する度にあるオマケですかね。

 そしたら何冊でも作りますけど。


「離れろ、貴族に対して侮辱だ!!!!!!!」

「俺は何もしてないです!!!!!!!」


 バカなことを考えているまもなく、実験は終わりにした。

 

「今日はご苦労様でした、お風呂の用意が出来ているから、入っていいですよ」

「お風呂は大好きですから、助かります」


 日本と同じくお風呂文化があるようだ。

 これは嬉しい文化だ。

 外国だと日本と違いお風呂には入らない国もあると聞く。

 シャワーだけで済ませるのだが、俺は絶対に湯に浸かりたい派だ。

 魔導書の研究などで部屋を散らかしてしまったから、部屋の掃除をした。

 また使うことがあるかもだし綺麗にしておく。

 ホットメルトは机などに固まると、中々取れなくなるので、なるべく取っておく。

 仕事場にある製本機はホットメルトのノリの掃除は大変。

 ノリが機械に付着していて、掃除をして取らないといけないのは、製品にノリが付着したりするからだ。

 製品に付着してしまうと失敗。

 作り直しとなるから、ミスを減らすため掃除は必要であった。

 掃除は俺一人で担当して、エテルナは静かなので、もう寝ているようです。

 ある程度は片付いたから掃除はこの辺で切り上げておき、お風呂に入りたい気持ちだいっぱいだった。

 平原まで徒歩だ歩き魔物との一戦をし、かなり体中に汗をかいた。

 ベタつく汗を取りたいとし、お風呂場に向かった。

 お風呂の場所はエテルナから聞いてあるから問題ない。

 お風呂場へと行き、扉を開けようとした時だった。

 俺が扉を開く前に扉は開かれたので、変だなと……。

 お風呂場から湯気がたち、目の前にはエテルナが立っていた。

 それも衣服を脱いでいる状態です!


「……………………」

「あああっ!」

「…………やはり!!!! 本当の目的は貴族の体をのぞくのが目的だったのだな、のぞき魔だな!!!!!!!!!!!」


 エテルナは裸のまま俺を罵った。

 

「す、す、す、すみません!!!!!!!!」


 あまりの衝撃的な光景に言葉が詰まった。

 まさか先に入っていたとは知らないし、その事を言っておいて欲しい。

 エテルナはタオルを巻いてお風呂場から走って去ったが、完全に俺がのぞきしたと確定した。

 ちょっと残念なのか嬉しいのか、わからないままお風呂に入って汗を流した。


 お風呂から出るとエテルナは着替えていた。

 そして少しモジモジして俺を見ている。


「じゃあ今日は寝ましょう。ちなみにマツシマはこのベッドで寝ていいわよ」

「ええっと、エテルナはどこに寝るの。ベッドは一つしかないようだけども」


 どう見ても一つしかないようだが。

 

「うん、一つよ…………横に寝たらいいわ…………」

「ええ!! いいの!」

「まさか……寝てる間に由緒ある貴族の肌に触ろうとしている気か!!!!!!!!!」

「別のベッドで構いませんけど!!!!!!!!」


 お風呂の件もあるから、ここは別のベッドで寝たい。


「いいわよ…………一緒に寝て…………………」

「はい…………」


 どうやらこの世界の常識がわからない気がする。

 自作の魔導書を実際に売れるかどうかは、また明日にすることに。

 今日は異世界に転生してきて、魔物とは戦うし、ホットメルトで自作の魔導書は作るし、人生で経験したことのない一日でした。

 疲れた。

 エテルナとのベッドでの寝心地は最高でした。

 

 




 翌朝になり、起床しようとしたらなぜか体が起き上がらないので不思議に思う。

 どうした?

 その理由がすぐにわかってエテルナが俺の体に、上に被さっていたからだった。

 マジか!

 衣服は着ているが、半分ははだけており、胸が露出されてある。

 これはいいのか。

 エテルナは何事もなかったように起床していって、


「おはよう……………………マツシマ」

「ああ、おはようエテルナ」


 大丈夫か。

 何も言ってこないが。


「…………は、離れなさい!!!!! 朝から貴族に屈辱的行為をするとは、気の抜けない男だわ!!!!!!!!!」

「俺は何もしてないです!!!!!!!」


 いつもならスマホでアラームが設定されており、アラームで無理やり起こされるのが日常。

 スマホがないとゆっくり寝ていられる。

 製本の仕事がないから言えることであって、今頃俺はどう思われてるのか知りたくはなる。

 マツシマ、突然消えたなとか……。

 朝食はエテルナが作ってくれたのを食べされてもらい、簡単なパンと卵焼きでした。

 嬉しい。

 

「昨日買ったパンだね」

「そうね、よく買うのよ。食べたら今日はどうするの。確か魔導書を売るとか買うとか言ってたわね」

「魔導書を売りたい。俺の今の考えてるのは自作の魔導書を売れれば面白いなと。でも自分のお店はないから、売るにはどうしたら良いかなって」


 店を持つにはそれなりにマースである金が要るし、そんな大金は今はない。

 店を持つ以外だと売店的な安価な販売店があれば売るのはできる。

 商売に関しての知識が足りないのがネックだ。

 この世界の商売が日本と同じなのか違うのかも知りたい。

 

「店を自分で出店するには商業ギルドに登録をするのが一般的。出店料も取られるし、場所がいい人通りの人通りの多い通りだと高額な料金でしょう。マツシマには無理かな」

「店でなくてもいい。売店などはできる?」

「売店ていうのは、道で売る感じのかな……。あれなら出来るかも。出店料も安いでしょうから。ギルドは通さないとダメね。うるさいのよ。本来の私なら高貴な貴族でしたから、商店の一軒くらいなら差し上げたのですけれど」

「残念ですね」


 どうやら売店でも商業ギルドとやらに登録をするらしい。

 面倒な登録だが、いたしかたないかな。

 それよりも魔導書を売りたい気持ちの方が勝っていて、早くもウキウキ気分になっています。

 パンは食べ終わり町に出る。

 自作の魔導書を忘れずに持ち、エテルナと外出。

 魔導書の前にホットメルトを売るのも忘れていなくて、ノームさんのアイテム店へと向かうことに。


「最初はアイテム店へ行きたい」

「了解、ホットメルトを売るのね。袋に入れてる分」

「一回売ってるから持っていけば売れると思う。店主のノームさんて方は俺に好意的で本当に助かったんだ。あの人がいなければ、俺は今頃どうしてたか心配になるよ」


 ノームさんに会ってから俺の異世界生活が始まったと言えるし、これからもお世話になりたい人です。

 エテルナを連れて行き店内に入ると、


「おお、マツシマかい……誰だい彼女かい?」

「いや!! 違います違います! エテルナと言って知り合って冒険者クエストをしたのです」


 いきなり彼女って恥ずかしいですけど、ノームさんから見たら彼女に思えるのかもです。

 俺は良いとしてエテルナは怒るんじゃないかなとエテルナを見たら、


「彼女………貴族の娘を彼女にして財産を奪うきだな!!!!!!!!!」

「奪わない!!!!!!!!」

「……彼女でもいいけど……」

「いやいやそこは否定していいよ」


 エテルナは笑って俺の顔をのぞく。

 ノームさんの冗談に乗るなって!

 なんだか、からかわれているようですが、気にせず話を進めたい。

 大事なのはホットメルトを売ることですよね、さっそくホットメルトの入った袋を手渡したところノームさんはニコリとして。


「ホットメルトだね。この量なら1000マースで買い取るよ。いいだろ?」

「お願いします。買い取ってくれて助かります」


 助かります。

 商人気質のノームさんは、奥から1000マースを持ってきて、軽くポンと俺の前に。

 殆ど努力していないのに、手から出しただけで、パン屋でパンを買い込めるくらいのお金をもらった。

 日本にいた時とは大違いである。

 毎日のように重労働していたと比べて楽々だあるが、一日の排出量は限られており、一度出した後に時間を置いても、出なかった。

 一日一回出せる仕組みなのだろうなと思っていい。

 それでも嬉しい。

 

「へぇ〜凄いわね。1000マースもらえてさ! 冒険者クエストを苦労してやっとマースを報酬されるんだから」

「ご苦労様です」


 エテルナはマースを得るのにクエストしかないともらした。

 確かに働いている感はあるが、大変であろう。

 万が一死ぬ可能性があるから。

 俺は死ぬのは嫌だけど、冒険には憧れる気持ちがあり困ってます。


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