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『62話 新しいお店を開店』

『62話 新しいお店を開店』


 新店舗に置くためのテーブルなどを購入しに近くの家具店を物色している。

 新店舗は広いスペースがあるので、最初の売店みたいに路上で売るのとは違う。

 よく今まで路上と魔導書を売っていたものです。

 日本で考えたら路上売店で本を売ってる感覚ですが、誰も買わないだろう。

 その酷い条件であれだけの数の魔導書が売れたのは奇跡と言えます。

 むしろ商業ギルドもあんな変な場所を紹介したもので、俺の魔導書以外に売れるのかよと訴えたいくらいです。

 過去の話はクヨクヨ考えないようにして、これからの新店舗の発展に期待していきたい。

 後ろ向きよりも前向きでいいでしょう。

 近くの家具店でのこと。

 俺たちは、開店準備に取り掛かった。


「こんにちは」

「テーブルを探してます」

「どうぞご自由にご覧下さい」


 家具店は色々な家具が並んでいます。

 俺はインテリアや家具は好きです。

 さすがに和風な家具はないだろうが、古い年代を感じる家具が多くて、面白いです。

 ファンタジーに出てくる感じの家具です。

 店主からは好きに見ていいと言われる。


「マツシマさん、このテーブル欲しい。好きな家具ですにゃ〜」

「魔導書が並べられる大きさとか考えてくれよ!」

「十分に置けるわね。それに色も茶色で良いわね。猫人にしては、いいセンスしてるわ!」

「猫人にもセンスはあるにゃ〜!」

「センスよりも魔導書を考えてくれ!」

「いいえ、デザインよ!」

「私の好きにしていいのでしょにゃ〜!」

「どうぞ、お任せします…………」


 このまま話していても俺には理解できない会話になったので任せることにした。

 日本にいたならアマゾンでネット通販ていう手があるが、異世界にアマゾンはないだろう。

 その点は日本の方が便利な面もある。

 インターネットがある世界とない世界では、便利さの意味が違います。

 魔法は便利な面もあるなと感じますが、それ以上に魔物がいるからマイナス面の方が遥かに大きいです。

 デザートドラゴンを見た時には度肝を抜かれました。

 あんなの魔法で倒せるとしても、もう二度と会いたくない魔物です。

 店内を物色していた時に店主が俺のことをきにしていて、


「あの〜〜〜まさかマツシマさんでしょうか?」

「はい、そうですが」

「やっぱりあのマツシマさんですよね。王都に最近になって現れた魔導書店主。賢者をも恐れぬ魔導書を販売しているというのは耳にしてました。お会い出来て大変に嬉しいです!」


 賢者をも恐れぬって誰がそんなデタラメを言っているのか勘弁して欲しい。

 そのうち賢者にボコボコにされそうですし、王都に居られなくなってしまいます。

 お願いしますから変な噂は勘弁です。


「マツシマは自分で魔導書を作れるスキル持ちよ。どんな魔導書もマツシマなら作れるの。私がその素質を見抜いて開花させたのよ!」

「誰が見抜いていたのだ!」

「マツシマは今日から新たにお店を開店するの。そこでお店に置くためのテーブルなどを買いに来たの」

「えええええ! 売店から初めたら普通は長い間は売店生活が当たり前。お店を持つようになるには早くても5年10年はかかる。それがもう自分のお店を持つと! 早すぎます!」


 店主の話だと俺は異常に早いペースで出世してるよう。

 5年10年どころかまだ売店を出して1年経ってませんから、早すぎるのも目立つらしい。

 この先どこまで出世してるか自分でも楽しみで、開店したら王都での有名店にしてやる野望もあります。

 なにせ俺にはにホットメルトがある。

 

「このテーブルとイスも気に入った。店内は広いからお客さんが座れるイスもあったらいいにゃ〜」

「イスだって!」


 イスってどういう意味だザラスさん。

 俺には意味がわからないですが。


「そうね、お客さんが座って飲み物なんか出したら面白いかもだわ。ゆっくりと魔導書を探して購入する感じで」

「飲食店じゃない!」

「いいじゃん飲食もあって魔導書もあるの。体力回復系のドリンクとか飲ませたら冒険者に人気出るかもよ!」

「冒険者は人が集まる所が好き。飲み物をメニューにしておくのは面白いにゃ〜」

「考えておこう………」


 ザラスさんに任せたのが間違いだったか。

 なぜかイスまで置いて飲み物をメニューにしろとか話が決まった。

 絶対にダメとは言わないが、流行るかは自信はないです。

 日本でも喫茶店やカフェでゆったりと本を読みながら読者するのはある。

 1杯のコーヒーで時間を過ごす楽しみはわかります。

 しかし俺のお店は魔導書を売るのがメイン。

 長くお店に居られるのをコンセプトにしてはいないが、もうイスを買う気満々ですので、買うことにしました。

 まぁ1つくらいなら店内にイスがあっても不便はないだろう。

 スペース的にも無理はないのだから好きにしたらいい。

 

「それじゃあ店主さん、この大きなテーブルを有るだけ全部。本棚を全部。それとテーブルとイスのセットを10セット買いますにゃ〜」


 ちょっと待てイスのセットを10セットとか言わなかったか、俺には聞こえました。

 そんなに要るかい!


「ちょっと待て、テーブルはわかる、必要だからな。しかしだ、イスのセットは10セットも要らない、1つで十分だよ!」


 俺はザラスさんを止めようとした。


「凄くいいと思う。猫人にしてはいいセンスしてるわ!」

「だからセンスは要らない!」

「マツシマさん、私の好きにして良いと言った。だから好きにさせてもらう。店主さんお会計お願いしますにゃ〜」

「はい、会計します。こんなにたくさん買っていただいて、ご購入ありがとうございます、さすが注目されるマツシマさん!」

「わかった、支払います……」


 結局は全部の金額を支払いました。

 買ったテーブルなどは店側で運んでくれるとのことで、その点は助かった。

 自分で運ぶとなると重すぎて腰や手を痛めてしまいそう。

 




 自分のお店に買ったテーブルなどが運ばれて来て店内に置いてみた。

 意外にも全部置けたので安心する。

 イスも最初はどうかと思われたが、テーブルと一緒に置けました。

 壁側にはズラリと本棚が置かれ大量の魔導書が置けそうです。

 

「本棚は正解ね。側面を利用した方が効率よく魔導書が置ける。テーブルにも並べたらかなり冊数が置ける。売店の時と比べたら何倍もの量が置けるわよ。お客さんも買いたい魔導書が迷うくらいにね」

「それには俺がもっと魔導書の種類を増やしたりしないとな。やりがいはあるお店にしたい」

「さっそく魔導書を並べてみよう。いっぱいあるから大変だにゃ〜」

「俺も手伝うよ」


 家具類が配置されたので、次は魔導書を並べていく番です。

 持ってきた魔導書を種類ごとにレベルごとに分かりやすく陳列します。

 全ての魔導書が世界のどこにもないオリジナルな魔導書です。

 通常の魔導書店は王都には何店も存在するが、俺のお店にしかない魔導書があるので、特色がある。

 レベル1しか存在しない魔導書だが、俺のお店だけレベルごとにレベル1からレベル5、またはそれ以上の魔導書も販売する。

 王都中に世界中に衝撃を与えるショップに育てていきたいものです。

 

「クエイクトラップとクエイクトルネードも並べておいたよ。新しい商品だからお客さんも戸惑うわね」

「ありがとうよ、きっとびっくりするよ。エテルナ」

「猫人族の種類の本も置きたいにゃ〜」

「要らないよ!」

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