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『5話 エテルナとギルドへ』

『5話 エテルナとギルドへ』


 エテルナに付き添われて冒険者ギルドって所に案内してもらった。

 とても新鮮な気持ちになる。

 これじゃ美少女と公然とデートしている感じだ。

 いいのかな。

 そこは俺にも馴染のない店。

 冒険者と関係しているのは、名前からして予想出来るけど、ばくぜんとしていてわからない。

 エテルナは何のちゅうちょなく店内に入るので、迷った。

 その時にエテルナが俺の腕を取った。

 腕を引っ張る感じで、腕が胸に当たっています。

 凄い大きいですし、柔らかな胸だな。

 引っ張られて俺も入った。


「マツシマ、ここが冒険者ギルドよ」

「そのギルドって意味がよくわからないのです。俺は今日このに世界きたばかりなんでね」


 正直に話してしまったが大丈夫だろう。


「ええっと?! つまりは異世界転生してきたってこと?!」


 エテルナは珍しいのか俺の顔をしきりに見て言った。


「異世界転生のようだな」

「そう〜、異世界転生者ってのは知ってはいたけど、見たのはマツシマが初めてだわ」


 珍しいらしい俺は。


「珍しいのかい」

「そうね、頻繁に転生して来るのではないようよ。それでギルドの説明をしなきゃね、ギルドは冒険者が集まる所で、主に魔物の討伐や素材の収集、貴族や民間人の護衛などある。どれも成功後には報酬としてお金がもらえるの。クエストとも呼ばれてる。難しいものほど高額な報酬が得れる仕組み」

「ちなみにエテルナはどの程度のものを受けるのかい?」


 俺ひとりでは無理だがエテルナが一緒なら報酬を得られるかもな。

 死にたくないから難易度の高いのは避けたいところ。


「私も冒険者なので日々ギルドにやって来てはクエストを受けてる。報酬が必要だし。職種は剣士だから、あと17才です、よろしく!!!!」


 エテルナは剣士らしい。

 そして17才だと言ったが、とても若い!

 俺が実は40才なのはわかるだろうか。

 見事な剣を腰に付けているが、それ以上に目がいくのは防具のすき間から見える胸の谷間ですが、あまり見ないようにします。


「一人で冒険者をしているの?」


 冒険者と言ったらゲーム世界では仲間とともに冒険するイメージだ。


「今のところ一人よ。元々は私の家はこの国でも有名な貴族なの」


 貴族と言われてエテルナがポーズを取った。

 

「貴族! 凄いですね。俺の居た国には貴族はいませんでした」


 自分のことを貴族だと言う人を見たのは初めて。

 さぞかし金持ちで裕福な生活をしているのだろう。

 しかし考えてみると変な気もするが、貴族ならわざわざ冒険者をしてまで苦労するものなのか。


「元々は貴族なの。でも今は貴族じゃないの」

「失業した?」

「失業じゃない!!!!!!!」


 貴族じゃないとは?

 辞められるものなのか。


「理由があって、繁栄した一族であったが、父がギャンブルで借金してしまい、生活苦に、母が若い騎士団と恋に落ちかけ落ち、兄は行方不明となる。簡単に言うと没落した貴族なの。そのせいもあって、家出をして王都で暮らし始めた。そしたら家で飼っていた犬が盗賊に捕られる。救出するために冒険者になる決意をしたのだ。17才で家を出るなんて凄いでしょ!!!」


 没落貴族とは酷い家族構成だ。

 家出をした少女らしい。

 犬を探す為に冒険者をしているとは、なんとも理由が切ない。


「かわいそうな過去をきいたな。苦労してるんだな……」


 俺はエテルナが、かわいそうになって肩にそっと手を置いた。

 その時だった、エテルナは急に顔を変えて、


「な、な、な、なにをする! 高貴な私の体を触って……さては、私の体が目当てだな!!!」

「いやいや、違います。勘違いです!」


 いきなり高貴な体って、でも顔を赤くしていて、恥ずかしがってるようで可愛いが。


「……すまん、つい、体を狙ってると思い。それでマツシマは冒険者する気は?」

「俺の職種は製本士です。魔法はファイアレベル1が使える程度。これで冒険者になれます?」

「ちょっと待って、職種が製本士てのは初めて聞いた。どんな職種なのかな。聞いた感じだと戦闘向きというよりも生産職種に近いのかも」

「そうですね、本を作るのに適した職種ですから、魔物を倒せる自信はない。でもエテルナと一緒なら行ってみたい気もする」


 クエストやらはランクがあるそうなので、俺にもこなせそうなクエストを紹介してもらえばいい。

 それで無理そうならクエストは止めて、生産職に徹しておこう。

 その方が無難だし、命は賭けたくないのもある。

 俺って臆病者だからね。

 エテルナをじっと見て言ったのだが、


「一緒に! やはり狙ってるわね貴族の体を!」

「狙ってません!!!!!!」


 俺を、からかっているのか。


「わかったわ。とりあえず最初はギルドに登録をしましょう。登録しないとクエストは受けれませんから」

「登録します。けど身分を保証する物は何もないよ」


 登録制なのね。

 日本なら何かと登録する時に必ず身分証の提出が求められるけど、今の俺は身分証的なの持ってません。

 はたして登録出来るかな。


「大丈夫です。なにせ私は家族がバカでも元貴族の令嬢。私がいれば問題なし、受付けの女性に申し込みましょう」

「むしろ不安!!!!!」


 むしろエテルナが居る方が不安になるだろ。

 冒険者ギルド店内は複数の人で溢れていた。

 イカつい筋肉バリバリな男。

 ローブを着こなした魔法使い的な女。

 まるで忍者みたいな軽装した男。

 色々な人がいるが、掲示版を見ているところを見ると、自分に合ったクエストでも探しているのだろう。

 慎重に選んでいる様子で、中には仲間同士で議論し合っている者も。

 きっとクエスト選びは重要なのだなとわかる。

 もし間違えて高ランクなクエストを受けてしまい仲間ともども全員死亡したらシャレにならないものな。

 相手は魔物なのだから、手加減なく攻撃して来るので、自分のレベルよりも高いクエストは怖い気がする。

 ちょっと不安な気もするけど、エテルナに任せておくとして受付けに。

 

「あらエテルナさんどうも。今日は仲間さんとご一緒ですか」

「彼はマツシマといいまして、登録させたいの、よろしくて」


 会話内容からエテルナは何度もギルドに来ているのは確かだ。

 受付けは大企業の受付けにいるタイプの顔をしていた。

 男の誰が見ても必ず見てしまう顔だった。

 つい俺もガン見していた。


「マツシマさんですね、ではこちらの紙にご記入ください」


 女性は俺に紙を差し出してきて記入をしろと。

 よくわからないが記入すればいいらしいが、この世界の文字は言語理解させてあるから、文書も読める。

 文字を記入しても女性に通じるのか不明だ。

 俺には通じるが他には通じないかもしれないけど、考えていても登録は出来ないから、記入してみよう。

 日本で記入していように記入してみた。

 内容は名前、職種、年齢、性別、種族、レベルとあった。

 名前はマツシマでいいだろう。

 年齢は20才で。

 性別は男。

 レベルは1なのはどうせわかるから嘘なく記入しておく。

 職種は製本士とちゃんと記入。

 しかし問題は種族だろう。

 種族ってなんだ?

 国籍の間違いでないのか……。

 わからないが、人と書いた。

 登録するのにこんなに迷ったのは初めてだな。

 それと、これってどう見ても日本語ですが、大丈夫かな?


「はい、記入しました」

「ありがとうございます。マツシマさんですね…………えっと製本士ですか?」

「はい、職種は製本士です」


 彼女の反応を見る限り製本士が珍しい職種らしいのは間違いないな。

 エテルナもそうだった。

 もしかして製本士では登録は無理かな。

 そうは言っても、嘘をついて登録したら不味いだろう。

 正直に話すしかない。


「かなりレアな職種ですね。町で生産向けの職種でしょう。いずれにしてもギルドは危険な人物でなければ歓迎します。エテルナさんはもうお馴染みですので、エテルナさんのご紹介があれば問題なく登録です。マツシマさん今後はよろしくお願いします」

「お願いします」


 やはり製本士はレアな職種らしい。

 そもそも冒険者向きというよりも、生産向けと言われたのが正しいのかもな。

 しかし生産職種なのに、魔法でファイアレベル1が使えるのは不思議だが。

 まるで系統が違うはず。

 なぜ生産職種なのにファイアが、どう考えても攻撃魔法だよね。

 それとも生産と冒険者のどちらも使える職種なのだろうか。

 俺的には生産もいいが、冒険者としても生きてみたい気もするので、登録はしておきたい。

 エテルナと一緒で正解だったよう。

 逆に言えばエテルナがいなかったら、登録は失敗だったのかな。

 そう考えてみたらエテルナは重要な仲間のようだ。

 今後も仲良くしていきたい。

 それにとても可愛いからね。

 今の俺の能力はまだ未知数。

 これからクエストをしたり生産していく上で能力の輪郭はハッキリと見えてくると信じよう。

 

「エテルナ、せっかく冒険者登録を済ませたのだから、一番受けやすい低レベルなクエストをしてみたいです。今の俺の能力に見合った感じのを」

「ずいぶんと気合い入ってるわね。それなら一番簡単なクエストを探します。とは言っても、相手は魔物ですから殺される可能性はあるので、決して気を緩めずにしてね」

「あっさり言う!!!!! もしかして冒険者の中には死んだ者も多少はいると……」


 アッサリと殺されるとか言うのね。

 しかしエテルナがそう言うのは理由があると思う。

 きっと冒険者が魔物に殺されたのを知っているからだろう。

 だから俺にも注意を言ってくれたと思いたい。


「多少ではなくて、大量に死んでますよ。特に初心者は要注意なの。なぜなら初心者はまだ自分の能力が把握できてないから、少し上手くいったからと調子に乗ってしまうの。そして強い魔物に遭遇して死亡するパターンね。中には強力な魔物の討伐も存在していて、これは危険。冒険者や騎士団が大量に出撃します」

「はぁ〜、大量に死ぬんですね。あはははは………」


 簡単に大量に死ぬとか、俺やっぱり冒険者止めようかな。

 ちょっとヤバい感じしますけど。


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