『49話 魔物トレント』
『49話 魔物トレント』
馬車での移動中にザラスさんから声があった。
突然のことだった。
「あっ!!!!」
「どうしたの?」
「前方に魔物です。ストップしたにゃ〜」
「魔物!!!!!!!」
外は綺麗な平原が続いていて、とても魔物がいる風には思えなかったが、魔物とあれば俺も無視はできない。
窓から外をのぞくと前方にかなりの数の魔物だった。
「マツシマ、魔物だよ。囲まれている!」
「エテルナは馬車の周りを防御してくれ。近寄って来た魔物を、カデナさんとザラスさんを守るのを頼む。俺はファイアで数を減らす!!!」
「わかったわ!」
「大丈夫ですか! だってマツシマさんは生産職だと言っていたから心配」
「彼は冒険者よ。ただ魔法がなければ、戦えないけど!」
「それ言うか!!!!!!!!」
「マツシマさんが戦うのは私も興味ある。賢者をも超えるスキルを持つ。楽しみだにゃ〜」
「いや〜賢者をも超えるなんて嬉しいなあ」
「真に受けるな!!!!!!!」
カデナさんは俺の手を握り心配する。
生産職だから魔物は戦えないと思ったようです。
防具もないし武器すら持っていない現状からしたら当然に思うだろう。
馬車から降りて魔物に立ち向かう。
ザラスさんは馬車に入ってもらう。
馬車なら外よりは安全は確保されてる。
それにエテルナも馬車を防御する。
「あの魔物はトレントですにゃ〜」
「トレントはランク的には私よりも上だわ!」
トレントはエテルナよりも上の魔物らしい。
外見は木が張って向かって来ている感じだ。
数は20匹は超えてる。
一対一では不利なのは、わかりきってるので、魔法が使える俺が向いているだろう。
トレントは接近する前に遠目から魔法を打ってきた。
「ウインドだわ!!」
エテルナからウインドという魔法の情報。
確か風の属性だった。
風の渦が俺に向かって飛んできます。
防御力はほとんどない俺は魔法で応戦。
「ファイア!!!」
ファイアをトレントの放ったウインドに当たるように打つ。
ファイアとウインドが激突してウインドを消滅させた。
ファイアなら問題なく風魔法にも通じます。
それに余裕もありそうです。
「ファイア凄いにゃ〜!!!!!!」
「気をつけて、大量にウインドが来るわよ!!!!!!!」
「大量!!!!!」
トレントは今度はいっせいに大量のウインドを打つ。
1発がダメなら大量攻撃ですか。
こうなったらこちらもファイアを大量に打つべきでしょう。
「ファイア!!!!!」
ファイアとウインドの数は圧倒的にウインドが多いです。
トレントの絶対数が多いのだから、当たり前か。
数では多いウインドもファイアが打ち破り、逆にウインドを全滅させました。
魔法のレベルが違うのでしょう。
しかもそのままトレントに向かって進むとトレントの群れに落下。
トレントに的中し、半数のトレントは燃えてしまう。
「凄いです。生産職て嘘みたい!!!」
「魔法だけよ!」
続けてファイアを連発します。
トレントの残りの数にも的中した。
全匹のトレントに命中して燃やしました。
忘れないようにトレントから素材を回収しておきます。
魔物ですから冒険者ギルドに持ち帰れば金になるでしょ。
素材の部位はわからないからエテルナに手伝ってもらう。
数が多いから素材も多くの部位を回収できそう。
「私の出番はなかったわ。私も同じくらい楽に倒せたのに!」
「だったら倒してよ!!!!!!!!!」
「素材の回収はしておきます。しかしだいたいの部位は燃えてるから、限られた部位しかないわね」
「素材まで考えてファイア使ってないから」
「考えて!!!!!!!!!」
トレントは全滅させて俺は馬車に戻ります。
カデナさんはビックリした様子で俺を見ています。
「ビックリしました。これほどの魔法が使えるなんて……マツシマさんが私の村に居てくれたら助かるのにな……………」
カデナさんが俺の横に座っていて甘えるようにして体を寄せてきました。
凄いエロさです。
まるで俺を村に住まわせる気ですが、村に住む気はないけど。
「村に住むわけにはいかないんだカデナさん」
「村に住めないなら私の馬車に住みなさいにゃ〜」
今度はザラスさんまで寄ってきた。
猫人なのでモフモフしています。
しっぽまで生えているのは驚き。
「なんでザラスさんまで!!!!!!!」
「だってマツシマがいたら魔物に襲われても安全だにゃ〜」
「魔物対策ですか!!!!!!!!」
「残念でした。マツシマは貴族である私のもの。差し上げるわせにはいきません」
エテルナがカデナさんとザラスさんに忠告する風に言った。
スミマセンが、いつから俺はエテルナのものなの?
「勝手に決めるな!!!!!!!!!」
「エテルナさんのもの……仕方ないあきらめるにゃ〜」
「村のためと思っていたのに……」
「エテルナの信じないでください!!!!!!!」
馬車は再び出発。
魔物に出会いビックリしたであろう馬は、走り出した。
まだ村には到着しないので、魔物と遭遇するかもしれない。
警戒はしておく。
それにしてもザラスさんの耳はモフモフしていて触っていて気持ち良かった。
まるで動物を触ってるみたいな感触だった。
これが獣人なのかと。
「いつまで触っているのよ!!!!!!」
「いや〜、ごめんごめん」
「マツシマさんが私の耳をずっと触りたいみたいにゃ〜」
「触らせるな!!!!!!!!!」
エテルナから説教されました。
あまりにも長くザラスさんの耳を触っていたからでした。
その間は馬はエテルナが綱を握っている。
「エテルナさん、馬の扱いは素晴らしいですにゃ〜」
「猫人に馬の扱いとか言われたくない!!!!!!!!」
「あはははははは、3人とも仲が良いのね」
それから長いこと、エテルナが馬を操縦していた。
交代で俺も綱を握ったが、難しくはなかった。
馬はスムーズに前に進んでくれました。
途中で夜を迎えた。
周囲は暗くなり視界も悪くなる。
馬が走るのに限界がありそうだ。
「もう夜だわ。ここらで馬車を止めてみたら」
「そうましょう。馬は暗くて走れませんにゃ〜」
「宿泊にする。みんな馬車の中で宿泊としよう」
馬車の中で宿泊する。
見張り役を置けば魔物が来ても早く気づけるが、見張り役となると俺とエテルナくらいしかできない。
「宿泊とか言って、またザラスさんの毛を触る気じゃないだろうね!」
「違います!!!!!!!!」
エテルナが疑わしい目で俺を目てきた。
「気をつけるべきは魔物よりもマツシマさんだにゃ〜」
「魔物と一緒か!!!!!!!!!」
魔物より嫌がられる気持ちいいになって欲しいです。
「簡単だわ! 作ってくれた魔導書を使えばいいです!」
「なるほど、その手があったか。魔物が馬車に来たら罠に落とすようにしたらいいわね。もっともマツシマの方が魔物だけど」
「誰がじゃ!!!!!!!!!!」
「でも誰が覚えるの。カデナさんは魔法使えるのかにゃ〜」
カデナさんが覚えるのが1番いいが、村に帰っても使えるから。
「残念ですが私は魔法を使う魔力はありません」
残念ながらカデナさんは魔法の適正なしのようです。
そうなると俺が1番の候補になりそうだ。
自分の作った魔導書なので自分で覚えるのは悪くはないです。




