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『41話 ゴブリンに襲われる』

『41話 ゴブリンに襲われる』


 商業ギルドと俺の店との間に疑惑が生まれた。

 疑いをかけられた俺の店を救うためか、お客さんが俺の顔を見て、


「マツシマ店主、あんたの魔導書レベル4を試させてもらうぜ!」

「よろしくお願いします!」


 お客さんは買ったばかりの土属性魔導書を使用した。

 ギルドさんに証明してやるぜとばかりに魔導書を開いた。

 使うには魔導書の名前を唱えればよい。

 いつものように使った後に消えていった。


「それでは再び鑑定します。土属性レベル1のままなら不正、偽物となる。誇大広告商品で売店の許可を取り下げる」

「取り下げ!」


 かなり強気です。

 俺が嫌いなのか。

 消えたのを確認するとギルドさんは再びお客さんに鑑定を行う。

 ギルドさんの表情は無表情だが、レベル1のままだろうと信じている風に感じた。

 ギルドさんの予想に反して、最初は土属性レベル1だったが、現在は土属性レベル4になっているはずだ。

 結果が出るまで俺は黙っていることにした。

 エテルナはずっと黙っていた。

 今のギルドさんには言っても無駄だと言う感じで。

 鑑定した結果が出たらしい。

 ギルドさんの無表情な顔が一瞬で揺らいでいった。


「な、な、な、に、これは、どうして土属性レベル4になってます……。いったいなぜかしら?」


 パニック状態になっている。

 世界の常識が当然に崩れたのだから、無理もないです。

 日本にいた時に、突然に魔物が現れたら俺だってパニックになるだろう。

 それまで信じている常識が変わると人はこうなる。

 ギルドさんは完全に取り乱していた。


「やった〜わ〜〜〜!! 俺は土属性レベル4だぜよ〜〜」

「おめでとうございます、お客さん!」

「ありがとよ店主!! また買いに来るぜ!」


 お礼を言いたいのは俺の方です。

 お客さんのおかげで俺の疑いは晴れたのだから、代金は無料にしても良かったくらいでしよう。

 

「ギルド、ギルドに報告します!!!! こんな店があっていいのか。商業ギルドはこの店を議論したい」


 何を信じたらいいのかできなく感じになってしまったギルドさん。

 これ以上説明しても混乱するだけだろうから、俺はギルドの措置を待つことにした。

 ギルドさんは慌てた様子をみせて去って行った。

 これで良かったのか。

 商業ギルドを敵にまわしかねないが、俺は何も不正はしてないわけで、ギルドとは仲良くしたい。

 商業ギルドは国家が運営しているらしいので、国家を敵にするのは損するだけだろう。

 日本でも国の役所とケンカして得することはない。

 役所の人は決まった法律に忠実に行動するのが仕事だから、ギルドの人も法律に逆らうことはないと考えられる。

 不安になる俺にエテルナが、


「大丈夫よ、ギルドも受け入れてくれるわよ」

「言う通りならいいけどな」

「賢者ギルドはもう知っているのだから。商業ギルドだって、そのうち理解してくれるわよ」


 エテルナは俺と違いポジティブなのでいい。

 売り上げは、いい感じでアップしていて申し分はないのだが、トラブルは付き物なのか。

 順調に行ってるようで、俺の店を快く思わないとなり、立ち止まる危険もあるわけだ。

 はっきりしたのは、ホットメルトが規格外なスキルだったこと。

 




 エテルナからの応援もあり、数日経った。

 魔導書店は順調にお客さんが来ていて売り上げは絶好調だった。

 心配した商業ギルドからは特に注意はなく、考え過ぎであったよう。

 

「ここかしら…………」

「いらっしゃいませ!」


 エテルナが元気よくお客さんをむかえる。

 そのお客さんは女性であった。

 年齢はまだ若い20代くらいだろうか。

 気のせいか元気があるエテルナとは逆に暗い顔をしいるように見えた。

 女性の冒険者も珍しくないので歓迎します。


「あの〜、こちらはマツシマ魔導書店でしょうか?」

「はい! ファイアなどあります!」

「遠い村から来たのですが。マツシマ魔導書店は見たこともない魔導書があり、作り出せる技を持つと聞きました」

「それならここの店主のマツシマに間違いないです。マツシマは天才と言われていて、少しばかりうぬぼれてますけど」

「うぬぼれてない!!!!!!!!」


 遠い村から来たようだが、そこまで俺の店の評判は伝わっているらしく嬉しい。


「それでどんな魔導書が欲しいの?」

「私の村は王都からは離れた所にある村なのです。村の人口は少なく1000人くらいでしょう。小さいのもあって大きな町のように強い冒険者も居ません。騎士団も居ません。そのため魔物に襲われた時に大変に大きな被害が出てしまう。王都なら魔導書店はありますから立ち寄ったのですが、どこも私の欲しい魔導書はありませんでした。希望的には弱い冒険者でも村を守れるような魔導書が欲しいのです。最後の魔導書で、マツシマ魔導書には世界のどこにもないままが作れると聞き来たのです」

「あなたの町には魔法を使える冒険者はいますか」

「少ないですが冒険者をしている者もいます。しかしレベルは低い。とても歯が立たないのです。魔導書を売ってる店はあるのですが、品数も少ない。だからといって強い冒険者を呼ぶ程お金もないのです」


 エテルナの質問に丁寧に答える女性であって話の内容は、

 

 ①村を魔物に襲われている。

 ②村には冒険者が居るが少ないし弱い。

 ③強い冒険者を雇う程にお金はない。

 ④村を守れる魔導書を作って欲しい。



 こんな感じだろうか。

 今の段階で店にはそのような魔導書は残念ながら商品にはない。

 普通なら帰ってもらうところだが、俺の店は違う。

 商品にないのなら、新たに作ればいい。

 ホットメルトならそれが可能だ。

 問題は具体的にどの様な魔導書を作るかと言うイメージだった。

 魔導書をいくつかまわってきて無いのだから困った。

 基本魔法でもあるファイアやウォーターでは防げないのだろうか。


「俺はマツシマです。失礼ですが村の冒険者さんでファイアやウォーターは使えませんか。魔物を倒せると思ったのです」

「使える者もいますが、相手の魔物は厄介なゴブリン。それもかなりの数を揃えたゴブリンの群です。最近になり繁殖が成功しているのか数が増大していて、攻撃しても間に合わないのです」


 ゴブリンか。

 来た時から暗い顔をしている原因にも納得だ。

 俺だって会いたくない魔物。


「なるほど、敵の数が多いですか。ゴブリンて強さはどれくらいでしょう」

「1匹は弱いですが、繁殖能力に優れていて、直ぐに数を増やす性質があります。村の近くで繁殖しているので困ってます」


 ゴブリンて言えばファンタジーでは名は知れた魔物だ。

 背は小さい力は非力で1匹だけなら怖くはない。

 しかし群れて襲撃する習性を持つため、倒しても倒しても消えない魔物と言うのが俺のゴブリンに対する知識だ。

 話の内容からすると知識に近い魔物らしい。

 困っている女性を村をこのまま無視するのはわけには行かないです。

 こうなったら新たな魔導書を開発するしかない。

 

「わかりました。王都の魔導書店にもない魔導書が欲しいと言うなら、俺が作りましょう。依頼は必ず達成してみせますが、新たに作るので時間をください」

「はい、王都の宿に居ます。ご連絡ください!」


 女性のお客さんは暗い顔から少しだが元気な顔を見せた。

 その顔を見たのなら裏切るわけには行かない。

 何としても完成させたいところ。


「マツシマったら、女性のお客さんだと優しくなる。さては魔導書を作ったら結婚できるとか考えてるな!」

「考えてません!!!!!!!!!!!」

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