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『4話 ホットメルトを使ってみる』

『4話 ホットメルトを使ってみる』


 ノームさんのアイテム店には徒歩でたどり着くと、店構えはこじんまりとした店に看板が出ていた。

 看板にはアイテム店と書かれてある。

 不思議なことに文字も日本語ではないのにスンナリと読めた。

 これも言語理解のおかげらしい。

 

「ホットメルトの特徴を知りたいのだが、本当にノリなら売って欲しい。今はノリが不足しており品薄なのだ。試せるかい?」


 ノームさんはいきなり俺にホットメルトを試せと言い出したが、あいにくホットメルトは暖めないと使い物にならない。

 なので固体のままではただのゴミと同じのをノームさんに伝えないとな。


「すみません、ホットメルトは高温に暖めないと使えません。このままでは役に立たないのです」

「そうかい、困ったな……、マツシマは火属性魔法は使えるかい。魔法で高温に熱したらどうかな」


 なるほどその手があったか……。

 確かに俺には初期のステータスでファイアとあった。

 ファイアなら熱したりできるだろう。

 まてよ、俺は魔法を使った経験はないがいきなり使えるものなのか?


「ファイアなら使えますが、使った経験がないです」

「唱えてみたらいい。ファイア!と」


 えっ、そんな簡単に使えるのか。

 嘘みたいだが、ノームさんの言うとおりにしてみよう。

 やってみてから考えればいい。


「ファイア!!」


 すると俺の手から小さいが炎が放出されて驚いた。

 嘘だろ!

 まさか俺の手から炎が出るなんて!

 ゲームみたいで凄い!

 

「出来るだろ。覚えている魔法なら使えるはずさ。そしたらこのホットメルトを熱してみてくれ」

「はい、わかりました。ファイア!!!」


 俺は今度はホットメルトに手を近づけてファイアを放出してみたところ、炎の熱でドロドロとホットメルトは溶けていった。

 いい感じに溶けていくようだ。

 これならホットメルトの能力を引き出せるな。

 ホットメルトは完全にドロドロの液体に変わった。

 

「おおっ! それじゃこの紙と紙がつけられるのかい!」

「接着してみましょう!」


 ドロドロの液体ホットメルトを紙に塗ったところ完全に接着されていて俺は嬉しくなった。

 大丈夫そうだな!


「おおっ! 紙はくっついているな。それではこの金属はどうかい?」

「金属はどうかな……」


 印刷用のノリですから無理だと思うけど、一応試してみよう。

 実際に試してみて金属は接着してはいるが不安定な感じする。


「うう〜〜ん、紙と比べたら弱いな。これでは取れてしまうかもな。しかし紙では使えるようだから、ノリとしては価値がある。このホットメルトを私が買い取ろう。どうだい?」

「ありがとうございます。俺は異世界転生してきてお金はなかったから助かりますよ。今後も継続的にホットメルトをお持ちしますけど」


 ありがたいですよね。

 異世界に来てお金は絶対に必要ですから。

 生活していくだけのお金があれば生きていける。

 ホットメルトは俺の手から出るわけで、毎日放出していきたいものだ。


「こちらこそお待ちしてますよ。アイテム店では色々と扱う物は多いのです。ノリだって立派な商品として販売しますよ。はい、こちらがマミーです。ああ、知らなかったかいこの世界の通貨はマミーというのだよ」

「マミーですね。じゃあまた来ます!」


 マミーか、果たしてこのマミーでどれだけ生活できるかな。

 まずはホットメルトがお金にするのに成功したので、次は食料と住む所だろう。

 俺はアイテム店から出ると町を歩いてみる。

 すると直ぐに良い匂いがして、店に吸い寄せられる。

 こ、これは日本でいうパンだよな。

 間違いなくパンの香ばしい香りです!

 美味そうだな、手にしたお金で買えるか訊いてみよう。

 

「いらっしゃいませ!!」


 店内にはとても可愛い子が販売していた。

 並べられたパンはどれも美味しそうなパンであるが、手にする前に可愛い子に値段を確認しておきたい。

 俺の姿は20代なので訊くのは変かな。

 全くこの世界を知らない感が丸出しですからね。

 それとも外国から来ました的な風に言えば良いのかな?

 購入しにいってみたらこのマミーでは足りませんでは恥ずかしいから。

 このマミーで逆に買えれば、異世界生活は安定することに繋がる。

 俺は思いきって、


「あの〜、このマミーでパンは買えますか?」


 いざ、話すと少女は不思議そうにしてから俺のマミーを確認してみて、


「もちろん、大丈夫です。このマミーならパンは余裕で買えますよ!!」

「本当に! じゃあ買います!」

「どうぞ好きなのを!」


 どうやらホットメルトを売った金額はパンを買える分の価値はあったようだ。

 俺はかなりホッとした。

 マジで足りなかったら一生この店には来れませんからね。

 笑い者になって町にも住めなくなるところであった。

 そこでパンは三つほど購入した。


「マミーを持ってるのは冒険者さんでしたから?」


 店員の子は俺を冒険者だと思ったらしい。

 マミーを持っているのは冒険者が資金を得たということなのだろう。


「いいえ、冒険者ではないですが、冒険者はよくこのお店に来るのですか」

「来ますよ。冒険者ギルドでクエストをして得たマミーで買い物に来ます。ほらっ、そう言ってる間に来ましたよ」


 店員さんが話しをしている最中に別の客が入店してきた。


「どうも〜、お腹空いたわ〜!」

「お疲れ様です、エテルナさん!」


 どうやらこの店の常連さんっぽいな。

 そしてエテルナというらしい。

 恐ろしく可愛いです。

 それにエロい服装も目立つ。

 先ほどの賢者も露出があったが、エテルナも負けていない。

 むしろ露出度は高いかな。

 日本なら猥褻で逮捕されても不思議はない。

 若い美少女が露出した服装をして親は何も言わない世界なのだろうか。

 日本ならワイドショーで問題となるのは確実な服装。

 本当に冒険者なのかな。

 防具は身につけてるし腰には剣を付けているから冒険者っぽいが。


「あの〜すみません。あなたは冒険者なのですか、女性なのに?」


 ちょっと訊いてみた。


「冒険者も冒険者だ! 今日はグリーンタイガーを倒してきたばかり。かなり手強かったな。そういうあなたはどんな魔物を倒したのかい?」


 防具をつけているが大きく胸が露出していて、どうしても目がいってしまう。


「いえいえ、俺は冒険者ではないです。でも俺にも冒険者って出来るのかな。興味はある」


 タイガーってヤバそうな魔物だ。

 かなり強い冒険者なのねこの子。

 それと俺って冒険者に見えるのかな。


「へぇ〜興味はあるなら教えてあげるわよ。私について来なさい、冒険者ギルドを紹介してあげるから!」


 ギルドを紹介してくれるとは親切な子です。

 この際だから紹介してもらうのは悪くない。

 知らないよりは知っておきたい。

 振り返ったらお尻が見えた。

 お尻はミニスカート的なのを履いていたから、パンツが丸見えでした。


「ギルドの紹介。ぜひともお願いします」

「よし、ついて来て!!! でもその前にパンを食べてからね!」

「あはははは……」


 意外と食いしんぼうな子のようです。

 パンを選んでいた。

 俺もパンを眺めていて、全部欲しくなる香りでした。

 エテルナがパンを選んで取ろうとした際に、慌てていたのかミスってしまいパンを落としてしまう。

 俺は落とす瞬間を見ていたから、手を伸ばしてパンを掴もうとした。

 

「あれ………………………」

「………………………ちょっと! どこを触ってるの!!!!!!」

「ご、ごめんなさい!」


 パンを掴もうとしたら誤ってエテルナの胸を掴んでいた。

 エテルナも下にかがんだから、ピッタリと胸にいったのだった。

 恐ろしく弾力性のある胸に感動するしたが、そんなことは絶対に言えない。

 直ぐに謝った。


「もしかして私の体を狙っているの!」

「ち、違います!!!!!!」


 パンを購入して店を出る。


「ありがとうございます!!」

「どうもね!」


 パンを食べてみると香りと同じく美味しい!

 美味いとしかいいようがない。

 このパンなら毎日でも食べられるレベルです。

 日本のパン屋と比べて遜しょくないどころかそれ以上ではないかな。

 この世界にも小麦に似た穀物があるようで助かった。

 食べ物が合わなかったら、生きていくのは難しい。

 やっぱり食べ物は美味しくいただきたいものです。

 

「美味しいでしょこの店のパンは。私のも食べる?」


 エテルナが食べかけのパンを俺に向けた。

 えっ、これって間接キスじゃないか。


「ええ、とても美味い!」


 パンは美味しいし、エテルナの口をつけたのもあり、より美味しく感じた。

 パンを食べながら冒険者ギルドに案内してもらうことに。

 危険な魔物を前に?なんだかパンなど食う余裕があるのも変だが、行ってみることにした。

 


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