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『178話 金の臭い』

『178話 金の臭い』



 ランホーさんに指導されながらミツハさんとフライヤーさんは、作業を手伝っていた。

 

「マツシマ、魔導書が完成した〜〜〜 

「ありがとう」

「ミツハも頑張ったよ!」

「フライヤーは書くの上手くなった!」

「そうかい、2人ともありがとう」

「これが完成したゴールド(無属性)魔導書だよ」


 フライヤーさんから手渡された。

 ゴールド魔導書という名前らしい。

 ゴールドラットの特徴から付いた名前にピッタリか。

 

「ゴールド魔導書を見せてもらっていい?」

「どうぞ」


 ゴールド魔導書の名前を読んだところ、




○○○○○○○○○○○○


ゴールド(無属性)魔導書レベル1


○○○○○○○○○○○○



 フライヤーが言ったとおりの名前だった。

 そして術式を読んでみると、



基本術式

○○○○○○○○○○○○


財宝を臭います


○○○○○○○○○○○○



 男のロマンをかきたてるような術式だな。

 こんな魔導書を売ってもいいのか悩んでしまう。

 


強化術式

○○○○○○○○○○○○


もっと財宝を臭います


○○○○○○○○○○○○



 この時点ではまだ宝箱を発見したり、みつけたりする魔法ではない。

 現時点では金銀などの財宝を感じる程度でしょう。

 このゴールド魔導書と他の魔導書をホットメルトで合成製本して、便利な魔導書に仕上げるつもりだ。


「ゴールド魔導書は、依頼の魔導書になくてはならない魔導書でした」

「マツシマがゴールド魔導書を改良するわけだ」

「俺のイメージではダンジョンマップ魔導書とゴールド魔導書を合成製本したいと考えてる。ゴールド魔導書で宝箱のありそうな地点を探しておいて、ダンジョンマップ魔導書でマップ上にまだ未開封宝箱を表示できたら、とても便利だと思わない?」

「うん、いいと思う!」

「フライヤーも、面白いと思うよ!」

「へぇ〜〜面白い考えだな。しかし上手くマップ上に表示されるかは、製本して確認しないとわからないのだろ〜〜〜」

「もちろん賭けです。ホットメルト製本は、完成してみないと作った俺にもわからないのです」


 こればっかりは、試してみないことにはわからない。

 果たして、上手くいくかな……。


「やってみて!」

「ホットメルトを出してと……」


 ホットメルトを用意しておいて、ダンジョンマップ魔導書とゴールド魔導書を合成製本するのに着手した。

 


基本術式

○○○○○○○○○○○


マップにします


○○○○○○○○○○○



強化術式

○○○○○○○○○○○


詳しくします


○○○○○○○○○○○



 別の魔導書店でダンジョンマップ魔導書を必要な数だけ購入しておいた。

 ダンジョンをマップにする魔法なのがわかる。

 ここにゴールド魔導書である、財宝をみつけるのと、もっとみつけますを合成製本した結果は、



基本術式

○○○○○○○○○○○


宝箱をマップにします


○○○○○○○○○○○



強化術式

○○○○○○○○○○○


未開封をみつけます


○○○○○○○○○○○



 いい感じじゃない!

 ダンジョンでまだ未開封の宝箱があった場合に、冒険者がマップを見ながら探せるように表示となった。

 普通のダンジョンマップでは、表示されないから、自分で全ての通路を歩いて確認しないと無理だろう。

 しかしこの魔導書ならば、マップ上に表示されるから、そこへ回り道せずに最短で発見可能だ。

 



○○○○○○○○○○○


ゴールドラッシュ(無属性)魔導書レベル1


○○○○○○○○○○○



 名前はゴールドラッシュ魔導書となった。

 トレジャーハンターにも売れる魔導書になれば、魔導書の中でも売れる魔導書になりそうな予感がする。

 

「どうですか?」

「名前はゴールド魔導書となった。マップ上に未開封の宝箱が表示されるとある。きっと冒険者の役に立つと思う」

「やるなマツシマ!」

「また新しい魔導書が生まれた。ジェニア師匠も驚くな」

「褒めてもらえると嬉しいけどね」

「ジェニアどころか、魔導書の歴史を変える魔導書だ。世界にどこにもない、衝撃の魔導書になるな〜〜〜」


 ランホーさんは評価してくれたが、むしろ衝撃的だと言った。


「すべての冒険者に必須の魔法となり得るわね。そしたらみんなお店に買いにくるわ!」

「忙しくなるな」


 嬉しい評価に俺は笑みがこぼれた。

 魔導書の完成を店内にいる、みんなにもみせにいった。

 エテルナにみせると、


「ゴールドラッシュ魔導書! いかにも金の臭いなしそうな魔導書だわ!」

「金が好きな冒険者には、もってこいだにゃ〜」

「それ褒めてない!」


 どう考えても、けなしているでしょう。


「新しい商品の誕生。賢者が参考にしたい魔導書だ」

「ありがとうジェニアさん」


 ジェニアさんは逆に本文の術式を読んでいて、術式がどうしてこうなったのかとかを丹念に見ていた。


「わた〜しが知ってる冒険者にも、紹介しておこう。きっと喜ぶだろうな」

「プリモも欲しい!」

「ぜひとも紹介してあげてください」


 リスグラさんの紹介なら間違いなく信じてもらえて売上げに繋がるだろうな。

 プリモさんはお金に興味かるのか。

 

「すみません、依頼したサリオですが、魔導書は出来上がってます?」


 ゴールドラッシュ魔導書の評価を得て話していたところに、タイミング良く依頼人のサリオさんが来店。

 これから呼ぶところだったので、呼ぶ手間が省けた。

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