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『172話 ノンコダンジョンへ』

『172話　ノンコダンジョンへ』

　王都から離れたダンジョンが目的となった。

「ノンコダンジョンが目的のダンジョンだ」

　ランホーさんからはノンコダンジョンと伝えられる。

「魔物がいるの？」

「ゴールドラットという魔物が生息しているらしい。俺もはっきりとはわからないが、ゴールドラットは金銀財宝の宝箱を探り当てるスキルを持っているらしいとの情報だ。そこでゴールドラットが生息しているらしいノンコダンジョンへと決めた〜〜〜」

「ゴールドラットか。聞いたことないけど、ダンジョンにいる魔物なら行ってみましょう」

「財宝を探り当てる魔物。ペットにしようかしら」

「するな！」

　ノンコダンジョンへは馬車で移動した。

　ダンジョンへと到着した。

　他にも冒険者が多くいて、ダンジョンを探索しているようだ。

　話ではまだ完全に宝箱が発見されていないダンジョン。

　必死に探しあてたい気持ちもわかる。

　発見したのが、大金ならば俺だって飛び跳ねるだろうな。

「さぁ入りましょう」

　ダンジョンの一階層。

　薄暗いフロアーだった。

　ダンジョンの経験はあまり無い方だ。

　一、二回程度の経験しかないから、ダンジョンの構造とか、ダンジョンのマップとか、宝箱とかまるで素人だった。

　知識はロールプレイングゲームでの知識だけ。

　それで通じるのか。

　まずはダンジョンの基本のマップ魔法があるらしいが、そこの点を知りたい。

「ダンジョンのマップ魔法を知りたい。知ってるだけでいい」

「私がダンジョンマップ魔法を覚えて習得しているの。マツシマと出会う前からクエストしてたから、マップ魔法だけは覚えてあった。これは冒険者が覚えるべき魔法だわね」

「エテルナが早く言ってよ」

　なんとエテルナが習得済みだった。

　今まで教えてくれなかった。

「やるね、エテルナちゃん。ダンジョンマップ魔法を使ってみて〜〜〜」

「ノンコダンジョンの一階層のマップが出た」

　ええっ、凄え魔法じゃん！

　俺も覚えたいな。

「けど、まだ一本の通路だけだけど」

「通った通路しかマップには反映されないのだにゃ〜」

「うん、このフロアーに階段があるとか、行き止まりとかも、何もわからないのよ」

「自分で探索していくと、マップが更新されていくのだな」

「宝箱も表示されてないのだにゃ〜？」

「ない」

　ここまでは想定内だった。

　ゲームでも多いシステムでしょう。

「ここからが俺の出番だ。ゴールドラットを発見すること。そして素材にする。素材を魔導インクにしてやるから、探すことだ。マツシマ、頑張れ〜〜〜」

「頑張れ〜〜〜って、どれがゴールドラットか知らないし！！！」

　いきなりダンジョンに来て知らない魔物を狩れと言われても無理でしょう。

「あいかわらず、ムチャブリだにゃ〜」

「俺はジェニアと違い厳しいぞ〜〜〜」

「探しましょう！」

　エテルナは剣を持って楽しそうに進んだ。

　たぶんラットと言うくらいだ、ネズミに近い魔物と推定されるよな。

　ネズミ的な魔物を狩ればいい。

　ダンジョンを進むと魔物はいた。

　天井がある分、剣を振ったり、魔法攻撃もやりづらい部分があるのを知った。

　魔法で俺はファイアを使用した。

　ファイアならば十分に通用して、魔物から素材を採取出来た。

　ザラスさんのアイテム袋に入れてもらった。

「階段がある！」

「降りていいの？」

　エテルナがランホーさんに確認。

「ゴールドラットがいる所まで進もう〜〜〜」

　一階から二階層へと降りた。

　ゴールドラットがいるのが、何階層なのかわからない以上、進むしかない。

「深い階層に潜ると、戻れなくなる。気をつけたいにゃ〜」

「確かに……」

　あまり奥深くまで進むと地上に戻るのが困難になるだろうと。

　ゲームでも同じ経験はあったから、ザラスさんが言ったのは納得。

　二階層にいてエテルナにマップを確認してもらう。

「マップはどうなってるの？」

「マップは……一階層と二階層が表示されてる。一階層は階段まて表示された。けど全部の通路が表示されてるかは、不明だわね。完全なマップにするには全ての通路を歩いて回ることだわ」

「そりゃ面倒。歩くの嫌いにゃ〜」

「猫人なら歩け！！！！」

　歩いた部分のマップだけ完成されていく。

「ここで、まだ誰も知らない、通過したこともない通路や宝箱が表示されたら、便利だにゃ〜」

「うん、便利ね！」

「ザラスさんは、単に歩きたくないだけだろ」

「違うにゃ〜！！！」

「便利は便利だろう。しかし俺が知る限り、そんな魔導書は存在してない。賢者ギルドに一応は確認してきたが、存在記録もない。未知の魔導書となりそうだぜ〜〜〜」

「記録にない……面白くなってきた」

　賢者ギルドに記録なしなら、俺しかいないだろう。

　問題はゴールドラットだ。

　本当に居るのか、疑います！

「……待って…、あれは？」

「ラットにゃ〜」

「ようやくお出ましか……ランホーさん？」

「お待ちかねのゴールドラット。さぁ狩ってくれたまえ〜〜〜」

　現れた魔物がゴールドラットだと判明した。

　思っよりも小さいな。

　見た目は、普通に日本のネズミと同じ大きさか。

　色も似ているし、あまり好きな魔物じゃないな。

　まぁ、ゴキブリよりは増しか。

「エテルナ頼む！」

「オッケー！」

　ゴールドラットが数匹登場にエテルナが斬り込んだ。

「行くにゃ〜！」

　後を追ってザラスさんも追撃しに。

　ザラスさんは小走りで速い。

　ゴールドラットを瞬殺した。

　今の戦った感じだと、低ランク魔物なのかな。

　エテルナも斬り、ゴールドラットの数匹の群れは死んだ。

　案外と倒しやすい魔物らしい。

　俺の出番はなくても良さそうな。

「倒した。いい剣の振りをしてるエテルナちゃん〜〜〜」

「ありがとう」

「ザラスさん、ゴールドラットを採取しておいて」

「採取にゃ〜」

　アイテム袋に倒したばかりのゴールドラットを素材として入れていった。

　小さいからゴールドラットごと袋に入れた。

　この調子なら楽な採取となりそうかもな。