『17話 光魔法を自作する』
『17話 光魔法を自作する』
風魔法を自作したので次は回復魔法を自作に挑戦したい。
光魔法ということで失った体力の回復及び傷の治癒もできるとのこと。
エテルナがまだ傷が完全に癒えていないのもあり、自分の魔法で覚えよう。
何かと冒険したりすれば絶対に必要な魔法であるから覚えておいて損はないだろう。
日本だと体力回復するエナジードリンクがあった。
コンビニでも買えるドリンクだが、どこまで効くのかははっきりとわからなかった。
風邪を引いた時に飲んだが、特別治ったことはない。
たぶん買う人は同じ気持ちだろう。
何となく効いてるかなくらいの感じでは。
だからこのヒールアップもどこまで信用できるか疑問である。
またたく間に体力が回復した〜〜なんて経験がないから、イメージがわかないのです。
日本でいきなり体力が回復したなんて言ったら、変な奴と思われるのは確実だ。
やや疑ってみながらヒールアップ魔導書を分解。
そしてホットメルトでの接着の準備に取り掛かる。
作り方は同じで、先程使ったホットメルトはかなり温度が低くくなっており、再びファイアで温め直す。
170度まで熱すると液体となり使用可能だ。
基本術式コード+強化術式コード+強化術式コード
普通のヒールアップ魔導書に強化コードを付け足す。
背の部分どうしを接着させる。
綺麗に接着したいが、手作業なので多少はズレてしまうのは仕方ない。
レベル2を自作してみた。
○○○○○○○○○○○○○
光の強さを強くします
光の強さを強くします
○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○
ヒールアップ魔導書レベル2です
○○○○○○○○○○○○○
ヒールアップ魔導書も完成させる。
もうだいぶ自作するのに慣れました。
何事も最初は上手くいかなくても、何度も繰り返すと慣れてくるもの。
製本機での作業と同じだった。
失敗は数え切れないほどしたが、怒られていたのも何度もあった。
「ヒールアップ魔導書レベル2が成功した。これを自分の魔法にする。エテルナの体を俺が元の綺麗な体にしてみせるよ!」
「綺麗な体ですって…………お風呂場でのぞいた裸のようにするってこと!!!!!!!!!!!!」
「傷を治すことだ!!!!!!!!!!!」
「マツシマが覚えるのね。ヒールアップが使えると攻撃だけでなく、後方支援も行えるから万能型になるわ」
万能型てことはエテルナが攻撃している後方支から回復すればいいのか。
戦いの幅が広がるのはいいこと。
どんな魔物がいるかわからないが、バリエーションが増えるのは特だ。
さっそく自分の魔法にするために魔導書を読み込む。
魔導書の表題を読み終えると魔導書は手から消えていった。
いつ見ても不思議です。
まるでマジックを見ているようです。
その後に自分のステータスを表示させて確認してみると。
魔法
○○○○○○○○○○○○○○○○○○
ファイアレベル5
ヒールアップレベル2
○○○○○○○○○○○○○○○○○○
ファイアに続き二つ目の魔法を覚えたようです。
覚えたというのも変ですが。
自分には全く自覚がないから。
普通は何かを覚えるとなると、苦労して覚えるわけで、それが全くなく覚えるてのは不思議です。
使ってみないことには、覚えた気がしない。
「ヒールアップレベル2を覚えたよ。エテルナに使ってみるから、ケガをしている部分を出してみて」
覚えたてのヒールアップを使う。
詠唱すれば使えるだろう。
ファイアもそれで使えたから。
「えっと……ここかなって………」
ケガ下部分をみせてと言ったらエテルナは来ていた上着の服を脱いで俺にここだと教える。
「うああああああ!!!!!!!!」
エテルナの上半身が丸見えじゃないですか!
さすがにこれはまずいので直ぐに服を着せる。
服の上からでも使えるならその方がいいですね。
「そんなにびっくりしなくても」
「服の上からでも効果はあるかな?」
「あるはずよ。だって戦闘中に防具を着た状態で使うのだし。戦闘中にいちいち裸になっていたら、それこそ死ぬわね」
「それなら早く言ってください」
言われてみれば防具の上から効果がなければ、使いがってが悪い。
エテルナも知ってるなら早く言って欲しい。
それとも知ってて脱いでなら、意地悪いです。
しかし綺麗な体をして…………。
忘れろ、今は大事な魔法の実践中だ。
エロいことは頭の中から忘れてなくてはならない。
俺は必死に目に焼き付いたエテルナを忘れてヒールアップに集中する。
「ヒールアップ!」
手から光の波が発せられた。
エテルナの体に降り注ぐ形である。
俺には効果を確認できないので、エテルナに確認してみる。
「ありがとうマツシマ、凄く良くなったわ。傷の痛みもないし、傷が消えたわね」
「効果はありなら俺も嬉しいよ。これで攻撃と回復魔法が使える」
どうやら傷は癒えたようです。
実際に確認はしませんけど。
また服を脱ぎだすので、そこは控えました。
「私のために回復魔法を覚えたなんて嬉しいわ」
「うああああああ!」
エテルナは嬉よほど嬉しかったのか、俺に抱きついてきました。
エテルナ的には回復してくれたお礼のようです。
ありがとうございます。
ほとんど努力してない上にこんなご褒美をしてくれて感謝です。
バカなこと考える暇があったら売店での売り上げに繋げたい。
売店で売れてこその魔導書だろう。
在庫もかなり作ったから売店に持っていき、売りたい。
売れるかはわからないが、自分で覚えた感想は売れないわけないだ。
凄くお買い得なわけだから、買わない手はないはずだし、宣伝が足りないなら、宣伝もしてもいいかな。
そこで売店へと向かいたいとエテルナに伝える。
「これだけの自作の魔導書を作ったんだ。売れたらいいな」
「売れなかったら、買わない冒険者が損よ。この前冒険者がレベル2を買ったわよね。きっと今頃は満足している。何の努力もしないで、お金を払っただけでレベル2になってるのだからね」
「そうだな。一冊くらいは売れるといい。せめて一冊はね」
買った冒険者が冒険クエストで活躍していたら俺も嬉しいです。
魔導書を自作したかいがある。
こちらも高いマースを受け取ったのだから、効果は保証してます。
増刷した魔導書を売店まで運ぶ準備をして、その日は売店での販売に力を注ぐと決める。
価格はファイアレベル2と同じ価格設定にした。
レベル2は全部同じ価格設定でいいだろう。
効果はレベル2でそれほど変わらないと判断した。




