『168話 サーペントの料理』
『168話 サーペントの料理』
マッサージをしてもらったためか、気持ちよくなると、いつもよりもぐっすりと寝れたよう。
朝まで起きずに寝坊したくらいだ。
目が覚めるとみんなは、もう起きていて、俺が最後であった。
みんな起きてたんだな。
でも昨日のマッサージはジェニアさんとエテルナ、ザラスさんは知らないだろう。
ぐっすりと寝ていたのだから。
「おお、みんな起きてましたか」
「マツシマはよく寝れた?」
「寝れたよ。さぁ、朝ごはんを食べようよ」
「マッサージをしたから、食欲もあるみたいだ」
「えっ、ジェニアさん、何のことかな、マッサージて……」
突然にジェニアさんが発言したのは驚いた。
まさかマッサージしていた時に、寝たふりをしていたとか?
「知らないとは言わせない」
「あああの……起きてたのかい?」
「起きていなくても、あれを察知できなかったなら賢者失格だ」
「あはははは、そうですよね……」
俺は笑ってごまかしておいた。
「だから、なんのことにゃ〜」
「さぁご飯だ」
「ごまかしてる」
宿屋にいてご飯を何にしようかと話していたところに宿屋の店主が来て、
「マツシマさん、おはようございます。お知らせがあります」
店主は扉を開けると、中に入らずに言ってきた。
「お知らせとは?」
「はい、昨日の出来事に関することで、ナックビーナ町で本日はお祭りをすると決まりました。大変な危機を逃れた。この日を大切な日にすると。そこで町ではサーペントの肉を使って料理を振る舞います。町の料理人がよりをかけて作る料理が食べ放題。ぜひとも堪能してお帰りください」
「へぇー、面白いかも、参加します!」
俺は店主に参加すると伝える。
サーペントを使って料理の食べ放題とは、嬉しいな。
参加しないはずない。
「参加したいにゃ〜」
「私も参加!」
「ジェニアさんは?」
「参加する。お祭りだからな」
「意外だな。ジェニアさんは参加しないと思って。お祭りとか嫌いなのかと」
ちょっと意外だった。
お祭り的なのは興味ないと勝手に思っていたからだ。
なんていうか、人と関わらない感じのイメージだったから。
「決めつけるな。参加する」
みんな参加すると決まり、着替える。
お祭りなので防具類はいっさい見につけずに、軽装な感じの服にした。
着替える時はさすがに俺は窓を見るようにした。
あまり見てると怒られる気がした。
「サーペントの肉って美味しいと思う?」
「食べたことないけど、一応は魚類なの、そしたら魚と同じ味にゃ〜」
「魚とは違う!」
「いいや、魚にゃ〜」
「魚よりも肉に近い」
エテルナとザラスさんが言い合いになったのを、窓際で聞いていたが、どちらでもいいだろうと思いだして俺はつい、
「どちらでもいい、早く着替えなよ!」
振り向いて言いきった。
「……………………」
「…………あれ…………」
振り向いてしまった。
俺の視界にあったのはエテルナ、ザラスさん、ジェニアさん、レッドベルさん、ケイティさんの着替え中の姿。
ほとんど服を着てない、裸だった。
まだ、着替えてたのね!
俺はどうしていいかわからずに、
「あはははは、ごめんなさい」
「やはり見たかったの。この変態!」
「変態!」
「変態は止めて」
「マツシマは女子の裸を見る習慣がある。レッドベルも気をつけなさい」
「気をつける」
「気をつけないでいい!」
◇
宿屋から外に出ると、もう外はお祭り一色に変わっていて、俺達を見たら歓迎ムードとなった。
「ジェニア、綺麗!」
「マツシマ、私と結婚して!」
「エテルナ、俺のパーティーメンバーになりな」
町の人が次々に集まりだして、結婚だのと言いたい放題に。
凄い扱いだな。
「大変な人気ですね、こちらに料理を用意してます、どうぞ」
大人気になった俺達は、食事が用意された場所に案内される。
案内されたテーブルには、食べるのももったいないくらいの料理が並んでいた。
思わず声がでそうに!
「豪華な料理だ!」
「サーペントの肉の料理です。とても美味しい味ですので、好きなだけお食べください」
「全部いいの」
「ザラスさん、好きな肉料理食べな」
「食べるにゃ〜」
ザラスさんが肉にかぶりついた。
骨付きの肉だった。
肉汁が垂れてきて、香りが俺の鼻に届いた。
まさに肉って感じの香り。
「うん、美味しい。あれだけのサーペントがいたのだから、食べきれないでしょうね」
「全部は無理だろうな」
「全部食べたいにゃ〜」
「無理よ!」
「災害どころか、天国だにゃ〜」
「天国は違うだろ!」
出された料理に満足した。
胃を破裂するのではと思う程に食べまくった。
お酒も振る舞われた。
エテルナはお酒をがぶ飲みしていて、ザラスさんと酔っぱらいに。
一緒に戦った冒険者もいて、酔っていた。
サーペントの肉をかじりついていた。
町をあげての盛大なお祭りは、大盛況であり、漁師も酒のつまみに食べていた。
「おい、マツシマも飲みな」
「俺はもう酒は飲んだから、いいよ」
「そう言わずに飲みなって!」
酒を持ってきたのはレッドベルさんだった。
かなり酔っている感じする。
いつもよりも大胆な話し方するし。
「ほらっ!」
「ああああ、冷たい!」
無理やりに俺のコップに酒を注いだから、コップに入らずに溢れてしまった。
溢れた酒が俺のズボンにかかり、濡れてしまったのだった。
冷たい!
「悪い悪い」
「ああああ」
乾いた布で濡れた部分を拭いてきたが、そこは俺の大事なところで、思わず声を出して恥ずかしい。
「どうしたんだい………あっ、レッドベルったらマツシマと何をしているの!」
「いや、これは、濡れたから拭いてもらっているのだ!」
「拭いてもらっているだと! いいのかそんなとこして!」
ドン!!!!
「ああああ、冷たい!」
拭いてもらっている現場を発見したのはケイティさんだった。
そしてケイティさんは怒り出したのだが、怒り出した際にテーブルを叩いた。
叩いたら俺のコップが倒れてしまい、またも大量に濡れてしまった。
冷たい!
「酒がもったいない、まだ飲めるぞ!」
なんとケイティさんは、俺の服に溜まった酒があり、それを飲みだした。
何をしている!!
これじゃまるで俺は二人とエッチしている風にしかみえないだろう!
「マツシマ、お前、酒を飲んだのはいいが、やっていいことと、やってはいけないことがあるのだぞ」
「ジェニアさん、これは違います!」
「ちゃんと全部飲んでおいたからね!」
「はい」
「拭いておいた!」
「はい」
「……………………私の前で……恥を知れ」
「ジェニアさん!」




