『13話 ファイアレベル5に挑戦』
『13話 ファイアレベル5に挑戦』
8000マースでの販売に猛烈に安いと言い出した冒険者さん。
財布を取り出すと、迷うことなく売店に8000マースを置いた。
マツシマ魔導書の記念すべき初めての売り上げです。
しっかとマースを受け取り俺はありがたく握りしめた。
たとえ売り方は汚かったとしても、売れれば嬉しいものですし、買った冒険者も喜んでいるので、いいですよね。
「ありがとうございます。実は今日開店した記念日なんです。店名はマツシマ魔導書店でして、これからもご利用ください!」
「今日開店だったのかい。いつもこの道は通るのに見かけない店だなと思ったぜ。最初は怪しい店だと思ったが、凄え店になるぜマツシマ魔導書店は!!!!!!!」
「どうもです!」
冒険者は魔導書が消えてなくなると、効果が現れたのか、俺の店を気に入ってくれたようです。
開店した日に売れたのだから、まずまずの出来と言えますね。
売り上げゼロだけは避けなかったから、少し気が晴れて、緊張もとけた感じです。
「良かったわね売れて!!!!!」
「ああああああ! そんなに!!!」
最初の魔導書の売り上げに感激したエテルナが俺に抱きついてきましたので、俺は息が苦しくなる想いに。
でも嫌な感じじゃないのは、きっとエテルナも俺と同じくらいに不安があったのだろう。
売れないのでは、もしかしたら全く売れないのではと。
言葉にはしないが、思っていたのだとこの抱きつきに俺はそう感じました。
製本士の職種である俺は、このマツシマ魔導書店を開店して、生活していくと決めます。
苦労は耐えないでしょうが、そこも楽しんでいけ乗り越えられる気がしてます。
エテルナの協力も大きい。
彼女なしに開店は不可能と断言できる。
あまりにもエテルナが抱きついていたら、通りすがりの人が不審に見ていた。
ちょっと恥ずかしいです。
「……ちょっと稼いだお金で……体を買い取るとかする気でしょう!!!!!!!!」
「買い取りません!!!!!!!!!」
それから店の前を人は通りすぎることはあるが、店を軽く見てそのまま素通りしていった。
多くは素通りで、少し立ち止まる人は少数派。
まぁそんな簡単に商売が上手くいくことはないでしょう。
商売はとても厳しいのが鉄則。
日本でも飲食店やサービス業のお店は最初は上手くいっていても、久しぶりに通ると別の店になっているのはよく見る光景でした。
驚いてしまうことも何度もありましたし、あの店が潰れたのかとショックを受けたりもある。
マツシマ魔導書店を営業し続けていくには、もっと評判を良くしていきたい。
それには品数も増やすのもあり。
魔法の種類を数多く揃えて、レベルも2とさらに上のレベルのも揃えたいところ。
日が暮れて夜になっていて、客足はなさそうなので閉店をしようと言ってみた。
「もう閉店にしようか。夜だし誰も来ないだろう」
「そうね、また明日に頑張りましょうよ!」
「協力は助かるよ」
「まだ一冊しか売れてません。全然力になれてませんよ。もっと客が並ぶくらいにしてあげたい」
「明日に期待していこう」
エテルナは閉店の話には賛成してくれると、閉店に。
売り上げはウォーターレベル2が一冊であった。
売店はそのまま置いておけるので、後片付けは特になく、エテルナの家に帰宅。
途中でパンを購入していき、二人で食べました。
パンは中にウインナー状の肉が入っているのも選んで、栄養もつけます。
とても美味しく頂いてから、寝ます。
エテルナとの生活も慣れてきた感じで、明日からはお店とクエストもしてもいい。
お金が貯まるし、自分のレベルアップにも繋がる。
帰宅してお風呂に入った。
開店した魔導書店。
日本にいた時は、普通に雇われたバイトであった。
それが異世界に転生して、ホットメルトを使い自分のお店を開店してしまった。
最初は残念に思っていたから、急激な展開に頭がついてこない。
転生した異世界で生きていくのなら、楽しい方がいい。
苦しいつまらないよりも、楽しんでお店を経営していきたいと思う。
体を洗っていたら急に扉が開いて……、
「…………背中を流してあげるよ……」
「えええっ!」
エテルナが急に風呂に入ってきた。
いきなりなので俺は戸惑う。
「洗ってくれるなら……お願いしたいな…………」
「いいわよ……………………」
エテルナが背中を流し洗い流してくれると、体と体が密着するのは自然な流れだった。
これはほとんど風俗だよな。
いいのかな。
「……異世界に来て大変だろうけど、頑張りなよ……………………」
「ありがとう、頑張るよ」
お風呂の湯にも一緒に入ると、長く湯に入り過ぎて、のぼせてしまった。
◇
「おはよう」
「おはよう。今日は売りたい」
「売りたい! 朝から盗賊に私を売ると言うとはいい度胸してるわ!!!!!!!」
「魔導書だよ!!!!!!!!」
「無理せずに、気長に売っていけばいいわよ」
俺も気長にいきます。
急いで売れるものではないし、まずは商品の品数を増やすことに専念とします。
ホットメルトをノームさんに売るのはつ続けるのは忘れずに。
クエストでの報酬も大きいので、エテルナにお願いする。
「冒険者クエストする際にマツシマの魔法をレベルアップしておけば?」
「そう言えば俺のファイアはまだレベル1のままだったな。上げておこう」
クエストでは俺の使える魔法もレベルアップしておく。
戦いの際に有利になれる方がいい。
レベル1とレベル2の間にある差は、大きいらしいからレベル上げして損はない。
ステータスの魔法は
ファイアレベル1。
レベル1を2にアップする。
レベルアップ方法は、過去にした方法である。
ステータスを確認してみる。
○○○○○○○○○○○○○○○○○○
魔法
ファイアレベル2
○○○○○○○○○○○○○○○○○○
しっかりとレベル2になってました。
自作の魔導書で自分のレベルアップをするのは不思議なものです。
「レベル2になった」
そこで調子にのってレベルアップ出来るのかを訊いてみたい。
魔法を自作するのに限界を知るのは大事ですから。
「魔法のレベルアップはどこまで可能なのかな?」
「レベルアップは10が最高レベルだわ。冒険者がそこまで上げるとなると、最低でも10年以上は時間がかかるの。それも使い続けているのが条件。使わないとアップする経験にはならない。だから途中であきらめる場合もある。1アップするのに1年使い続けるのだと思えばいいわ。だから色々な魔法を覚えて平均的に上げようとすると、急激に上がらない。逆に一つの魔法に絞って経験を積む方が早くアップしていき効率的だわね。どうやって上げるかは冒険者しだい」
「なるほどね、複数を上げるのは難しいわけね。そしたら魔導書のレベルアップをしてみたい」
レベルの限界はレベル10までらしい。
最速でも10年はかかるのを初めから覚えられる魔導書を自作すれば驚かれるだろうな。
もちろんレベル2ですら存在してなかったのだから、高レベルになればなるほど価値が高くなる。
そうすればより高い価格で販売出来ますから、売り上げアップに繋がるわけだ。
冒険者さんに常識じゃないと言われたのは、この世界で生きていく上で重要。
常識にとらわれずに非常識にいったから、自作の魔導書は評価されたので、これからも非常識にいこう。
ファイアレベル2はあるので、普通は3と考えるだろうが、そこをあえて非常識に。
いきなり5にアップさせるのが面白い。
そのため分解して使う魔導書は必要なので購入しておいた。
基本術式コードと強化術式コードに分解しておく。
基本術式コード+強化術式コード+強化術式コード+強化術式コード+強化術式コード+強化術式コード
つまりは4つ強化術式コードを接着してやればいいわけです。
単純な構造なので、本の厚さは気にすることなく接着でいい。
ホットメルトを溶かして接着を試みる。
接着後の魔導書が完成。
一応ではあるが確認してページをめくる。
○○○○○○○○○○○○○
炎の強さを強くします
炎の強さを強くします
炎の強さを強くします
炎の強さを強くします
炎の強さを強くします
○○○○○○○○○○○○○
新たな魔導書の表題は、
○○○○○○○○○○○○○
ファイア魔導書レベル5です
○○○○○○○○○○○○○
予想した通りにファイア魔導書レベル5の完成であった。
またもや世界初の自作の魔導書を作ってしまいました。
歴史的な一瞬をあっさりとやってしまった。
この調子でサクサクと魔導書作りをしていこう。




