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『118話 イフリートの報酬』

『118話 イフリートの報酬』


 冒険者ギルドはザラスさんがイフリートの発言したことで騒ぎ出す。

 まいったな、これは大変になるな。


「い、い、い、いイフリートの素材かどうか確認します!」

「私のもお願い!」

「エテルナさんも!」

「俺もお願いします。少ないですが」

「マツシマさんまで!」


 受付けさんはザラスさんが持ち込んだ素材をみんなでテーブルに差し出したところ、受付けさんは震えていた。

 確認しに行ったが偽物ではないのは決まっているが、お仕事なのでしかたない、待つことにした。

 受付けさんはもっと震えて現れて、


「い、い、い、い、イフリートの素材でした。冒険者ギルドに国から報告があったばかりでイフリートを討伐したという内容でした。騎士団を結集して相当な人数で遠征に行ったと。まさか、マツシマさんも参加していたとか?」

「はい、参加してました。参加したのは理由があって、俺の魔導書店のお客が騎士団の団員だった。そこでお客からイフリートの件を聞いた。俺は仕事に繋がるのかなと参加をしたのです」


 どうやらギルドにはもう話が来ていたらしい。

 しかし俺が参加したのは知らなかったということだった。


「えええっ! それじゃイフリートを倒したのは…………」

「マツシマがほとんど致命傷を与えた。もう死ぬ寸前を私と騎士団でダメージを与えたの。だからマツシマが倒したと言っていいかな」

「ほとんどひとりで! あのイフリートをですか、マツシマさんのランクはまだFからEランク程度に設定されてますが、Dにしましょう。本来ならもっと高いランクですが、ランクは1ランクずつしか上げられない約束となっており、今回はDにします。よろしいですか?」

「俺はDに、よろしくです」


 いきなりAとかには無理らしい。

 俺はDに昇格したわけであるが、実際はもっと高いということだった。

 俺は冒険者よりも魔導書店の経営が本業なので構わないな。

 

「マツシマがランクDに。よかったにゃ〜」

「マツちゃん、素敵!」

「お母さん、どうもです」

「照れてる!」


 リオンさんから激励されて照れてしまい。


「早く報酬が欲しいのですにゃ〜」

「すみません。報酬はこちらです」

「報酬にゃ!」

「報酬!」


 受付けさんから差し出された報酬は見たこともない程の報酬であった。

 札束と硬貨は持ちきれない程にあり、まるで強盗したみたいな量。

 こんなにもらっていいのかな。


「報酬の金額を間違えてません?」

「正当な報酬ですよ。イフリートは国からも危険種に指定されていた魔物。国が騎士団を集めてかなりの犠牲者を出してまで討伐したかった魔物なのですから、これくらいの報酬額になります。国もイフリート討伐には大変に喜んでいると聞いてます。まさかマツシマさんだったとは思いませんでしたが、もしかしたら国王から表彰されるかもですね」

「表彰か。別に興味ないな」


 表彰とかみんなの前でしたりするのだろう。

 俺は人前に出ていくのが苦手なので、できたら表彰とか要らないかな。

 失礼になるとしても。


「興味持て!」

「俺は人前に出ていくの苦手だからさ……」

「私が代わりに表彰されるにゃ〜!」

「猫人は無理!」

「なぜにゃ〜!」


 報酬はみんなで分けて持ち帰ることにした。

 そうしないと持ちきれないからで、ギルドを出る際には冒険者から凄まじい視線を感じ取る。

 並みの冒険者の報酬の何年か分に相当する金額だろう。

 もしかしたら一生分かもな。

 




 エテルナの家。。

 大金が入り込んだので、嬉しいです。

 ザラスさんに至ってはお金を抱えて寝ている風で笑ってしまう。

 お風呂に入ろうと思った。

 やはりエテルナの家が1番落ち着くのは不思議だ。

 まるで我が家に帰ってきた感じです。

 お風呂の扉を開いた。

 さぁ、旅の疲れをとろうかな……?

 あれ!


「…………マツシマ、私の見たわね!」

「あれ、入ってたの?」


 エテルナが体を洗っていた。

 泡で隠れているが、余計にエロさを助長しています!

 

「マツちゃん……お母さんの見たかったら見たいって言っていいのよ……」

「いえいえ間違えました!」


 お母さんのリオンさんは湯につかっているが、上半身は丸見えでした。

 考えていたからお風呂に誰か居るのを気にしていなかった。

 失敗したか。

 

 バシャ!

 熱湯を頭からかけられた!

 エテルナからだった。


「ごめんなさい!」


 俺は謝って扉を閉める。

 ビショビショになっているので、タオルで拭いておく。

 

「何で……服まで濡れてるの。服を着たまま入ったのかにゃ〜?」

「気にしていなくていいよ、あははは」


 ザラスさんが起きていてお金を数えていたところだった。

 札束を持ちながら俺を不思議そうに見ていた。

 

 




 翌朝。

 エテルナの家に手紙が届いた。

 エテルナが手紙を見ているが、手が止まったままで、悪い手紙かなと思う。


「どうしたの手紙なんて珍しいな」

「国王様からの手紙だわ!」

「えええっ!」

「本当かにゃ〜!」

「国王様と言えばイフリートの件かな」


 エテルナの驚きからして、国王から手紙が来るのは大事態なのだろうとこが伺えます。


「手紙の内容はイフリートの件ね。今日王都の城でマツシマ、ザラスと私に対してイフリート討伐による表彰をするとあるわ!」

 

 ギルドの受付けさんが言っていた通りに国王からだった。

 俺はエテルナとは逆に面倒くさい感じですが。


「城に行く準備しましょう。国王様と会える機会はめったにない。大変に名誉なことなのにゃ〜!」

「没落した娘が国王様から表彰されるなんて、母として嬉しいわ!」

「没落した娘って!」


 エテルナは母に怒る。

 母も娘に言うセリフなのかと思ったが、国王様から見たら没落してるのだろうな。

 城に行く準備をする。

 服装はいつも通りでいいと思う。

 俺はほとんど同じ服装であるから、気にしてない。

 マツシマ魔導書店の開店は母のリオンさんに任せると決まった。

 快く受け入れてくれて、俺達を出発させる。


「マツちゃん、胸を張って行って来なさいよ。堂々としていればいいから。お店は任せて!」

「お願いしま〜〜〜す!」

「お母さん、行ってくるわね!」


 ワンワン!!

 犬のプールも見送りに来てくれて、俺達は王都にある国王の住む城に向かった。

 城なんて入ったことはないから緊張するな。

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