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『114話 イフリートと決着』

『114話 イフリートと決着』


 エアリアルファイアの強さはアダマンクロック、ファイアーバードにも通じた。

 それに魔族のイベリアにだってダメージを与えられる。

 イフリートにも効く!

 エアリアルファイアの竜巻がイフリートに直撃。

 完全にイフリートの体全体をとらえて、飲み込む。

 竜巻の渦が切り刻みながら炎で燃やしていく。

 

 オオオオオオオ!

 イフリートは苦しそうに叫んだ。

 だが気は抜けなかった!


「反撃してくるわ!」


 エテルナからの知らせ。

 イフリートは炎に巻かれて燃えている中から、強烈な炎の玉を放ってきた。

 まさかだよな。

 この状況で撃てるのかよ。

 火の玉の速度は俺がその場を去るよりも速かった。

 ダメだ逃げる間がない。

 防御するにも盾もない俺には逃げるしかないので、逃げる。


「うわぁ!」


 完全には逃げ切れずに火の玉を受けてしまった。

 熱い!

 直撃ならヤバかったな。

 俺のブレスレットにある防御力アップレベル10の効果でかき消されたようで、死にはしなかった。

 

「エテルナ、トドメを!」


 苦しんでいる今ならエテルナにもチャンスはある。

 彼女の剣なら斬れる!

 エテルナは俺の声が聞こえたのか、イフリートの燃える体をめった斬りした。

 攻撃力アップレベル10付与があるので、絶大なダメージになり得た!

 

 オオオオオオオ!

 

 

「あの冒険者に続け、騎士団の意地をみせろ!」

「行くぞ!」


 騎士団のリーダーから司令が出る。

 精神的に落ち込んだ騎士団の士気を高める声だった。

 残った騎士団はダメージを負い攻撃もできないいので襲いかかった。

 ドレッドたちの仲間もいた。

 こうなったら勝てばいい。

 防御力の高い、体力もあると思われるイフリートでも、いつかは尽きるだろう。

 

 オオオオ……………オオ……。


 やがてイフリートは手を地について倒れた。

 動くことさえ出来ずにいる。

 勝った!


「エテルナ、やったぞ!」

「私の剣で斬ったわ!」


 エテルナはかなり傷を負っていたが、俺に抱きついてきました。

 胸が顔に!

 苦しいです!

 

「やった、やったにゃ〜!」


 そこへザラスさんも駆けつけて、抱きついてきた。

 ダブルで顔に胸が当たる。

 これは窒息死する!

 嬉しい窒息死寸前にカイザーがくる。


「マツシマの付与魔導書は凄かったよ! 盾にした火鳥の壁。それにエテルナの付与といい、キミの付与魔導書の成果だ。凄いよ、賢者にも不可能な付与魔導書だよ!」

「ありがとうカイザー。それにザラスさんとエテルナを守ってくれたのは感謝している」


 あの時は本当に助かった。

 盾があって良かった。

 カイザーの判断が遅かったならエテルナもザラスさんも手遅れだった。

 丸焦げだしたから、カイザーには感謝しきれない。

 それにランホーさんとジェニアさんとの共同作業での火鳥の壁が無ければ完成できなかったのだから、賢者2人にも感謝したい。

 イフリートが完全に動かなくなったのを確認後、解体し素材を集めているようだ。

 そこへドレッドが俺の前に来た。

 不敵な顔をしているから機嫌が悪そう。


「何なんだテメエは……どこで覚えたあのファイアの竜巻は……?」

「俺が製本した魔導書の魔法だよ」

「テメエが製本した魔導書だと………あはははははははは、バカだぜこいつは!」

「あははははは!」


 ドレッドと仲間は俺の話を聞いて笑いだした。

 

「お前なぁ、魔導書ってのは賢者にしか製本できないんだよ、そんなの常識だろう!」

「常識を破って製本している。王都に来たら俺のお店にくればいい。俺が製本した魔導書を販売しているから」


 別に来なくてもいいけど、面倒になりそうなので。

 

「とても強いが頭は弱いなテメエは。今日は許してやるよ!」

「……どうも」


 ドレッドノートのパーティーは俺をバカにしながら去っていった。

 イフリートから素材を採取しているから、ギルドで報酬をもらうのだろう。


「ザラスは?」


 エテルナが、ふと気づいた時にはザラスさんがいなかった。

 あれっ……どこに?

 さっきまで近くにいたはずなのに……。

 消えたてことあるか。

 

「ザラスならあそこに居るよ。イフリートから素材を採取している」

「採取している!」

「ザラスさんらしいが……」


 しっかりと採取しているあたりは商人なのか。

 お金の報酬は決して損はしない性格だ。

 俺もザラスさんに見習って採取は、しておこう。


「凄いなキミは、とてつもない火属性の魔法を使うのに驚いた。名前は?」


 騎士団のリーダーからだった。

 俺の魔法の活躍を褒めてくれてるようで、嬉しい。


「マツシマです。冒険者してます。今回の遠征はカイザーから紹介されて参加した。お役に立てて嬉しいです」

「マツシマか、覚えておこう。王都に帰ったら国王にマツシマの活躍を報告しておこう。イフリートを討伐したのは、マツシマの活躍無しには無理だった。騎士団が全滅しても不思議はなかったと」

「ありがとうございます」


 リーダーの人は俺に感謝していると言い残して帰りの準備となった。

 サクセス町はイフリートととの戦闘でかなり大きな被害を生む結果となったのは心配です。

 家が壊されてる人も少なくないと思う。

 どうするのかな?

 

「騎士団はイフリートを討伐したから王都に帰るようだよ」

「私たちはどうする、一緒に帰るの?」

「特にすることもないから帰ると思ったけど」

「せっかく遠い町まで来たのだから、ゆっくりと休んでいくのはどうかにゃ〜」

「そうね、宿泊していってもいいわね。帰りの馬車は業者に頼めばいいのだし!」


 目的は果たしたのだからゆっくりするのもありか。

 特にザラスさんは町に来てゆっくりしていきたいらしいし、エテルナは宿泊か。

 宿泊も悪くはないな。

 遠い町に来て宿泊は良いかもな。


「それじゃカイザーも一緒に宿泊していくでしょ?」

「無理!」

「えっと……無理なの」

「僕は遠りょしておく。なぜかと言えば……猫人と一緒に寝泊まりは無理なんだ!」

「えええっ! なんで無理よ。何もしないにゃ〜!」

「それでも無理!」

「宿泊するにゃ〜!」

「無理!」

「わかった、わかった、カイザーは騎士団と帰っていいよ。俺たちは残って宿泊してから王都に帰るから……」


 無理に泊めるのも悪いのでカイザーは先に帰らせることにしておいた。


「そうする」


 カイザーは納得してくれたが、ザラスさんは納得していない。

 

「いつか……猫人を好きにさせてやるにゃ〜」

「まだ言ってる!」

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