生前の記憶
この短編集はホラーが多くなる予定ですが、あくまで私が見た夢の話なので、ホラーだけではありません。
今回は久しぶりに幸せな部類の夢でした。
ただただあり得ない話ではありますが。
気が付くと、俺はどこかの遺跡っぽい場所に居た。
この風景は何度も見たことがある。そう、夢の中で。
始まりは決まってこうだ。
「目の前に小さな穴があるだろ?このスコップでその穴を広げて進むんだ」
そう言って誰かが俺の手に園芸で使う片手用の小さなスコップを渡してくる。
それが誰かは分からないし、別に重要じゃない。
兎に角、スコップを受け取った俺は目の前の穴に向かって2度3度と腕を振るい、穴を広げた。
そして十分な大きさになったところで穴の奥へと乗り出す。
ここまでがお決まりのパターン。
夢なんてものは起きている間に見た映画やゲームの影響を多く受けている。
これもまた昔見た探検ものの映画の影響だろう。
前回は確か、更に迷路のような遺跡を走り回ったんだったか。
さて今回は、と思ったところで俺の体は宙に浮きあがり上へ上へと昇って行った。
いや、一つ訂正。
体と言ったが、手足の感覚はない。
強いて言えば、俺という存在が飛んでいる感じだ。
飛んだ先は宇宙だった。
このままどこまでも飛んでいくのかと思ったが違うらしい。
まるで投げ上げたボールが重力に従って落ちるように、俺は緩やかな放物線を描いて落下を始めた。
落ちる先はまるい……星、いや地球なのか?
そのまま地上までふわりと落ちてきた俺の目に映ったのは、両親と兄姉たちだった。
両親の姿は俺の記憶するどれよりも若く、そして手を繋いで仲良く歩いていた。
それを見た俺は不思議と温かな気持ちになった。
そのまま両親のすぐそばに飛んでいく。
両親もまた、二人の間に飛んできた俺を迎え入れるようにこちらを向き微笑んだ。
「はっ?」
起き抜けに思わず声が出た。枕もとの時計を見れば相変わらず就寝してから30分しか経っていない。
にしても、今回のはなんだったんだ?
いつもの隣死体験とは違ったけど、もしかして俺の生まれる前の魂の記憶か?
いやいや。魂の存在を否定はしないけど、それを思い出すには肉体が邪魔だって星の王子さまでも言ってなかっただろうか。
今回もノンフィクション、というか見たままを書かせていただきました。
皆さんもこんな夢を見たことありますか?




