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夜中の来訪者

前回に比べたら平和な夢の話です。

なにしろ死の恐怖に慄くのは自分一人なので。

気が付けば真っ暗な部屋の中。

辛うじてワンルームマンションの扉の枠だけが薄っすらと光を帯びていて、そこが自室だと分かる程度。

……いや、布団に横たわっているはずなのに、なぜ足の方にある扉が見えるのか。

よくよく考えればおかしい事に気づけるはずだが、今の俺にそんな余裕はない。

なぜなら俺は知っているからだ。

すぐそこにベランダに続くガラス扉があるにも関わらず、一切の光が差し込まない今の状態。

そして何よりも自分の意志では指一本動かせないこの状態。

曰く金縛りなのだが、それだけで済まないことを。


ズズズズ……


ぐっ。今日はこのパターンか。

全身に圧し掛かる重圧。

まるで掛布団の上に豚が乗ったかのような


ズゴゴゴ……


いや、豚はたとえが悪かった!

とにかく少しでも気を緩めるとぺちゃんこになると確信できる圧が俺を襲う。


「くそ、ま、け、るかぁ!」


声にならない声を上げつつ必死に抵抗し続ける。

昔読んだ漫画に、大けがをして継ぎ接ぎだらけになった男がリハビリをしているシーンが思い浮かぶ。

まさに今の俺は自分の思い通りにいかない体と必死に戦っている気分だ。


そうして数十分が経過したころ。実際には数分だったのかもしれないが。

全身にかかっていた圧力がふっと消えた。

だが安心はしない。

なぜならまだ前半戦が終わっただけなのだから。

その証拠にまだ体はピクリとも動かない。


「ふふふっ」「あはっ」


そして聞こえてくる小さな子供たちの笑い声と飛び跳ねるような振動。

ぐふっ。だから、毎回俺の上で飛び跳ねるんじゃねぇ!!!

俺の声は一切漏れることがない。

その間も子供たちのドンドンキャッキャッと騒ぎ続ける子供たち。

下敷きになってる俺は堪ったものじゃない。だれか何とかしてくれ!

その願いが通じたのか。


ガンッッッ


怒気を伴って玄関の扉が蹴り飛ばされた。

同時に消える子供たち。

ただ俺もその怒気に充てられて心臓がバクバクしていた。

ここでもし玄関の扉が開いてなまはげ的な何かが部屋に乗り込んできたら俺は間違いなく死ぬ。




と思ったところで跳ね起きた。

くっ。まだ心臓がズキズキする。

玄関を見ればもちろん誰かが来た、なんてことはなく。

窓の外も静かな住宅街(墓地)が広がっているだけだった。






市街地のど真ん中にある墓地。

恐らくは由緒正しいというか、古い歴史があるそこは、子供から大人まで眠っているんだろう。

そして時々退屈になって遊びに来ているのかもしれない。

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